第27話 梅田ダンジョンの中層に挑戦します
先日19階層まで進んだ。
そして今度20階層に挑戦する。
ユキの新スキル氷迅爪(ひょうじんそう)を試したい。
先日、俺たちは梅田ダンジョンの19階層まで踏破した。
そして今日、いよいよ――20階層に挑戦する。
ここからが中層と呼ばれる領域だ。
モンスターの強さも一段上がり、これまでの感覚では通用しないと言われている。
「……天都。準備、できた?」
ユキが隣で小さく首を傾げた。
彼女の中には、先日新たに得たスキル【氷迅爪(ひょうじんそう)】が眠っている。
スキルカードではない。
ユキ自身が進化し、スキルそのものを身体に取り込んだのだ。
「もちろん。ユキの新しい力、試すのが楽しみだよ」
俺は微笑み返し、20階層へと踏み出す。
◇
20階層に足を踏み入れた瞬間、空気が一変した。
壁には奇妙なツタが絡まり、空気は湿り、わずかに腐臭を含んでいる。
すぐに、俺たちの前に影が滑り出てきた。
――【ダークバイパー】
黒い鱗に覆われた巨大な毒蛇だ。
その長さは4メートルを超え、睨みつける目には殺意が宿っていた。
「ユキ、いけるか?」
「うん。……見てて」
ユキの掌が微かに冷たく光る。
次の瞬間、彼女の手に――氷の爪が自然と形作られた。
鋭利な冷気の刃、それがユキ自身の力として現れたのだ。
「はっ!」
ユキが跳びかかる。
氷迅爪がダークバイパーの鱗を裂き、その部分が一気に凍りつく。
――ギギギギッ!
ダークバイパーがもがく間にも、ユキは畳みかける。
氷迅爪の効果で、斬撃ごとに敵の動きが鈍り、連撃を防げなくなっている。
「――終わり!」
ユキが跳躍し、首元に強烈な一撃を叩き込む。
黒い蛇は声を上げることもできず、凍りながら砕け散った。
勝利。
「すごいな、ユキ。スキルが……完全に自分のものになってる」
俺は思わず言葉を漏らした。
普通、スキルカードを使って発動するものなのに、ユキは体の一部のように操っている。
「うん……。私の中に、ちゃんと溶けた」
ユキは小さく微笑んだ。
中層最初の試練を乗り越えた俺たちは、さらに深みへと足を踏み入れる。
だが、当然この先は、もっと強大な敵が待っているだろう。
――でも、大丈夫だ。
俺には、ユキがいるから。
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