第28話
しかし、今度はこちらを振り返ることもなく、何も言わずに黙々と絵を描き続けている。
(絵に集中したいのかな。)
私は、また少し彼から離れると辺りの様子を見てまわった。
私が今見ているこの山の風景はまさに"自然の中"と言った感じで、さきほどまで真っ赤になって私を照らしつけていた太陽が、緑の木々に遮られ、冬の静かな太陽のようになっている。
たまに聴こえてくる自動車の音も小さく、まるで天界から下界を望む天使にでもなったような気分になれた。
私はしゃがんで花を見つめたり、空をぼんやりと眺めたり、さっき買ったジュースを少し飲んだりした。
そして、彼から少し離れた所で、しばらくここの空気を楽しむように過ごしていた。
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