第20話 口付けを待ち侘びて

「エリン!? いきなり痙攣しないでください! びっくりしますよ!」

「……ッふぅ。いや、フレディーとキス出来るんだと気づいたら……あ、また痙攣する……ッ」


 フレディーに覆いかぶさったまま痙攣するの……最高過ぎて……あ、これ匂い嗅ぎながら痙攣したい……スハスハスハスハスハスハ


「エリン、また最初に戻ってループしますから、もうスハスハしないでください」

「フレディーは私をスハスハしたくないのか? 私はスハスハしながらご飯が一生分食えるぞ」


 私の発言に元々赤かった顔をさらに赤らめて。


「……スハスハしてみたいです」

「えへへへへへへグヘッどこどこどこ? スハスハしていいぞ? さあどこをスハりたいかお願いするんだな!!!」

「どこって……ぜ、全部?」


 全部とか……エッチ過ぎだってフレディーキュン!!!

 フレディーは好きなところはどこって聞かれたら、全部って答えるタイプなんだな。嬉しいなあ全部だってぇ……グヘッ。


 あ、フレディーが私に欲求するのってもしかして初めて?

 フレディーは男の子なんだからもっと大胆に欲してもいいんだぞ!


「匂いを嗅がせるのも疼くな……私の手とかどうだろうか?」


 赤面美青年はコクコクと頷き、私の手をスンスンとしてみる。

 匂いを嗅ぐのに慣れてないな!

 私がお手本を見せてやろう、スハスハスハスハスハスハスハスハクンカクンカクンカクンカッ


「僕の匂いってそこまでいいものなのでしょうか……エリンはいい匂いですけど」

「全身の治癒効果が期待出来るくらいには」

「凄いなあ」


 手を恥じらいながら嗅ぐフレディー。宿泊施設であんだけお楽しみしたし、恥ずかしいことないだろうに。


 匂いを懸命にスンスンするフレディーも可愛いなあ。あ、口元が少し笑ってる、私の笑顔に反応したんだ。幸せ共鳴だなあ。


 ……私は久しぶりにエロスの神が舞い降りたようだ。


 匂いを嗅がれている手を、微笑む口に無理やりねじ込む。

 私の指を美青年にしゃぶらせるのさ!

 爽やかイケメンの意思に反して口に指入れるの、背徳感ですっごおい!


 ……あ、美青年の口あったか……これって……舌?


「フレディー、指を舐めてくれ」


 涙目で見つめてくるフレディーは、私の言われるがままに行動に移す。その表情は罪だって。

 ……わわっフレディーの舌が私の指に交わってるッ!

 ちょっ……指舐めながらジーっとこっち見つめるとか……どこでそんな技習ったんだよ。天才すぎるって。しかしこの状況、控えめに言って痙攣案件だ!

 案件を丁寧にこなした後、私は美青年に装着された指を外す。


 私の指にはもちろんフレディー汁がトロッと付いていた。

 こんなのさ、こんなのをさ、私の口に入れちゃったらさ、意思が飛ぶに決まってるじゃないか。


 意思飛ばしする前に、フレディー、してもいいだろうか。

 つねって赤くなった頬に、私は手を添える。


 三年間遠距離恋愛した後、憑依してお楽しみして同居して……かなり遠回りしたが、こうして私達は出会えたんだ。

 ようやく、本当に待ち侘びたよ。


 私は罪深き顔をする美青年と、口づけを交わす。互いに頬を伝う涙は、幸せに溢れた暖かいものだった。


 そのまま一時間口交わしで犯し続け、罪深き顔が限界突破した美青年に、私も限界突破してしまった。


 私は宿泊施設に続いて、人生二回目となる意思飛ばしを完了させた。

 一時間意思を保ってられただけ成長したよな!

 これでベットシーツ弁償も二回目だな!!

 謝罪含めてばっちこいだ!!!

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