星に願いを

天蝶

第0話

ある小さな町に、星空を愛する少女、ユリが住んでいました。

毎晩、屋根の上に寝転がって、無数の星を見上げながら、自分の将来の夢を描いていました。

ユリの夢は、宇宙飛行士になって、星々の間を自由に旅することでした。


ユリには、弟のタクがいました。

タクはいつもユリの夢を応援していました。

「お姉ちゃん、絶対に宇宙に行けるよ!僕もずっと応援する!」と笑顔で言うタクに、ユリは感謝しながらも、心のどこかで不安を抱えていました。


数年後、ユリは高校生になり、宇宙飛行士への道を進むための勉強を始めました。

しかし、受験が近づくにつれて、周りの友人たちが次々と進路を決めていく中で、自信を失い、焦りを感じるようになりました。

そんな時、タクがユリの部屋に入ってきました。「お姉ちゃん、夢は諦めないで!僕が一番信じてるから!」と言ってくれました。

その言葉に少し救われたユリでしたが、心の中の不安は消えませんでした。


ある晩、ユリは自分の将来について深く考え、星空の下で一人で涙を流しました。

「私は本当に宇宙に行けるの?夢を叶えられるのだろうか?」その時、タクがそっと隣に座ってくれました。

「お姉ちゃん、夢は届かないところにあるんじゃなくて、自分の中にあるんだよ。だから、あきらめないで!」という言葉に、ユリは力をもらいました。


試験の日が来ました。

ユリは緊張しながら教室に入り、問題用紙を広げました。が、ふと、タクの言葉を思い出しました。「夢は自分の中にある」と。

彼女は深呼吸し、落ち着きを取り戻しました。

そして、全力を尽くして試験に挑みました。


数週間後、結果が発表されました。ユリは見事に合格しました!喜びで涙を流すユリを、タクは笑顔で迎えました。

「お姉ちゃん、やったね!信じたからこそ、夢が叶ったんだ!」ユリはその瞬間、弟の存在の大きさに気付き、心から感謝しました。


数年後、ユリは宇宙飛行士としての訓練を受け、ついに宇宙へ旅立つ日がやってきました。

打ち上げの日、タクは運動場の一番高い場所から、ユリが乗った宇宙船を見上げていました。

「お姉ちゃん、遠くの星でも、ずっと応援しているよ!」と大きく手を振るタク。

ユリは宇宙から星々を見上げながら、弟の応援を感じていました。


ユリは自分の夢を叶えることができたのは、周りの人々の支えがあったからだと実感しました。

そして、心に決めたことがありました。

「これからは、私も他の誰かの夢を応援していこう」そう思いながら、宇宙を旅していくユリでした。


**まとめ:**

夢を追いかける力は、周りの愛と支えによって生まれること。このお話は、あこがれだけでなく、絆の大切さを教えてくれます。

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星に願いを 天蝶 @tenchoo

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