第三条 マナーは守って
「とにかくね。我々は社会平和に貢献しているんだよ」
と、ガチャリとドアが開いた。
「あ、シャチョ。ちーす」
チャラい。
派手な金髪にメッシュを入れた髪。大量につけられたピアスやアクセサリー。俺より大柄で猫背なそいつはこちらをちらとも見ず部屋の奥に引っ込んで行った。
「……今の人も……魔法少女なんですか……」
「ああ、
「え、ええ……」
コードネームではなくコーデネームなのとか、ツッコミどころは多い。
「
「いや、あの。俺変身魔法とか、使えませんし……」
正直少し面白いと思い始めている自分がいるが、知り合いにバレた時のダメージを考えると手を出すには余りに危うい趣味だ。
「大丈夫。変身機があるから」
「変身機???」
「中に入ってレンジでチンで魔法少女の出来上がりさ」
人間をチンしたら死ぬがな。
「ちなみにね。夢魔には懸賞金がかかってるやつがいて、倒すとおこづかいが出るよ……」
貴澄さんは片手を顔の横に立てて携帯を見せてきた。
「ひゃく、せん、まん……え、こんなに?」
「良いだろう?かわいくなれてお小遣いも稼げる。研修もしっかりしてるよー」
「え、ええ……」
バイトもしようとは思っていたが、そんな……ええ……。だって女の子になるバイトって……。
「社長。俺、やります」
主戦場は夢の中だし、一人暮らしは何かと入り用だもんな。と、俺は一転極めて軽率に魔法少女になることを決めた。
「その一言が、まさかあんな出来事を引き起こすとは、あの時の俺は思いもしないのだった♡」
「京極さん!?不穏なモノローグを読み上げるのやめてくれません??」
「ここではあまり本名を連呼するのはマナー違反ですよ。僕のことはチェリー京極とお呼びなさい」
「本名隠してないじゃないすか……」
あと、なんか、素人AV男優とかにありそうでちょっと呼びたくないなその名前。
「ちなみに彼は社長こと街並くりあちゃんだ。皆社長としか呼ばないけど」
京極さんは貴澄さんを指差して微笑んだ。
こっちはこっちで建築特化Vtuberみたいな名前だ。
「そうか、そうだったね。ごめんね、チェリー」
そういえばさっきから普通に本名呼んでたな。
「うちは新人さんは何時でも歓迎だ。きみを抜いてここには現在8名の魔法少女がいる。追々紹介はしていくが……改めて若人よ、日マにようこそ!」
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次回の更新はそのうちしますのでフォローなどしてお待ちいただけますと作者のモチベーションになります。
元は日本魔法少女協会でしたが同名で活動されている方がいるので改題しました。後で本編の表記直します(どうせ日マ呼びなので)
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