3話 ついに、亀裂
3-1
「歩っち~!お菓子いる?」
「あー…ごめん。いいや」
「そっかぁ…」
断られた虎ちゃんはアタシへと差し出したポッキーをしょんぼりと引っ込める。
……あれから翼とはもちろん、カラスのみんなと気まずくなる一方で。
その溝は徐々に深くなっていた。
「どっか調子でもわりーの?」
「いや…別に」
「本当かよ。最近おかしくね?お前…」
そう言って探るように顔を覗き込もうとしてきた陸哉をあからさまに避ける。
「大丈夫だから」
笑うわけでも照れてるわけでもない。
アタシがみんなに対して様子がおかしいのは明らかだった。
その度に空気が暗くなって、困ったような悲しいような…みんなの表情が曇ることにも気付いていた。
それでもアタシの態度が変わることはなくてむしろ悪化していくと――。
「――つうかさ、」
口火を切ったのは大伍だった。
「何なんだよ…最近の歩」
「………」
「俺らのこと避けてんじゃん」
「………」
「だろ?なぁ」
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