3-2

面と向かってアタシに投げかけてくる言葉には…怒りというよりも悲しみが滲んでいて。


「それにお前らも」


そう言って大伍は鋭い視線を夕微と龍に向ける。


「最近二人でコソコソやってるよな?」

「…別にしてねぇけど」

「してなかったら言わねえよ。してるから言ってんだろうが」

「………」


睨み合う大伍と夕微。でも大伍が言ってることは正しくて……。

黙り込むことしか出来ないアタシ達3人に大伍は虚しいような表情を浮かべる。


「何なんだよ…マジで」


そう言って背を向けてドアへと向かうと


「胸クソわりぃ。帰るわ」


大伍は教室を出て行った。


「…………」


冷たく響いたドアと去っていった大伍。無言のアタシ達。

ヒソヒソとクラスのみんながこっちを伺いながら話し出す。


きっとみんな言いたいことはあるんだろうけど…上手く言い出せないみたいなそんな沈黙。けどその沈黙も長くは続かなかった。


「…俺も。大伍に同感」

「え…?」


その言葉を口にしたのは陸哉で、聞き返した虎ちゃんの前を横切ってドアの前まで歩いて行く。


「何があったか知らねーけど、そんな態度とられる身にもなってみろよ」

「陸哉…」

「結構……傷付くもんだから」


―――ズキン。


その時見せた陸哉の表情は……さっきの大伍とよく似ていて。


「俺もフケるわ」


大伍の後を追うように陸哉も教室から出て行った。

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