東京、江戸川区の少し古びたマンションに暮らす山本千恵子は、仕事に追われる独身女性であり、筋金入りの人外オタクでもあります。漫画やアニメに囲まれ、誰にも邪魔されない静かな時間が何よりの贅沢。けれどそんな日常は、ある朝突然、布団の中に現れた全裸の少女――アカーシャとの出会いによって、あっさりと塗り替えられてしまいます。
アカーシャは異世界「夜の国」の王であり、真祖の血を引く最強のヴァンパイア。けれど現代日本に転がり込んできた彼女は、力を失い幼い姿で千恵子のもとに現れます。この非現実的な状況に戸惑う千恵子。しかし持ち前の現実主義とオタク魂で、目の前の“推し”との共同生活を受け入れていきます。
物語の舞台は現代日本のリアルな日常です。家賃6万円の1LDK、近所のスーパー、会社のオフィス、ゴミ捨て場や銭湯、そして賑やかな同僚や友人たち。そんな何気ない日常の風景に、異世界からやってきたヴァンパイアやデュラハン、魔女といった人外キャラクターたちが溶け込んでいきます。彼女たちは現代社会の常識やルール、そして新しい暮らしに少しずつ馴染み、トラブルを巻き起こしながらも千恵子やその仲間たちと心を通わせていきます。
千恵子とアカーシャの関係は「推しとオタク」の距離感から始まります。けれど共同生活を重ねるうちに、家族のような、時にパートナーのような、誰にも説明できない特別な絆が生まれていきます。アカーシャは千恵子のために家事を覚え、スーパーでの買い物やゴミの分別、黒カビ退治までこなすようになり、千恵子もまた、日常の中の小さな幸せを再発見していきます。
「日常」と「非日常」の絶妙なバランス。現代日本のリアルな生活描写に異世界から来た人外たちの価値観や魔法が混じり合うことで、日々の何気ない出来事が特別で愛おしいものに変わっていきます。千恵子の鋭いツッコミとアカーシャのズレた言動、そして周囲の個性的な仲間たちとのやりとりはテンポがよく、読んでいて思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。
一方でアカーシャが抱えてきた孤独や、千恵子自身の寂しさ、そして誰かと一緒に暮らすことへの不安や戸惑いも丁寧に描かれています。誰かを好きになること、誰かと一緒にいることの難しさもまた、コメディの裏側にしっかりと息づいていますう。派手な事件や劇的な展開ではなく、静かで穏やかな“日常”こそが幸せであるというメッセージが、じんわりと心に残ります。
優しさと笑いに満ちた物語。千恵子やアカーシャ、愛美やフリーディア、キルケーといった登場人物たちが、それぞれの違いを受け入れ、少しずつ家族や仲間になっていく姿に、きっとあなたも笑顔になれるはず。この世界の片隅で、誰かと寄り添い一緒に生きる喜びを、そっと教えてくれる物語です。
1LDKに住む独身でアラサーで人外オタクの山本千恵子。
仕事は卒なくこなし、理不尽な上司の怒鳴り声にもアマゾネスのような強靭なメンタルで乗り越える。浮いた話もなく職場と自宅を往復する変わり映えのない日々を過だけ。
そんなある日、彼女が目を覚ますとベッドの隣には見知らぬ少女が。しかも全裸で…
始まりが衝撃的で話の展開が一切読めない!そんな始まりでしたが、読み進めていく度に、少しずつ謎が解けていって爽快でした。
魅力的なキャラ、コメディー要素、素晴らしいところはたくさんありますが、やはり全体的にほっこりした印象が強く、楽しみながら読み進めることができました。
心がほっこりする百合ラブコメ。是非ご覧ください!!