第10話:マンピーが学校を休んだ本当の理由。

さてマンピーが人間界へ来た本当の理由・・・それは人探しだった。

借金背負って夜逃げしたっんじゃなかったみたいだ。

それもマンピー自身の父親の行方、マンピーの父親は彼女が通うエロエロ絵座楽えざらく高校の校長で名前を「七色シャラバンバ」って言うんだそうだ。


男の悪魔って聞くと、怖わそうでちょっとビビってしまいそうだ。


「夜逃げして人間界に来たんじゃなかったら空中で戦ってハゲのおっさんって

何者?・・・お父さんじゃないんだよね」


「ごめんね、全部ウソついてて」

「私のパパ、学校の校長してたんだけどね、悪い人たちの投資詐欺に引っかかっちゃって借金作ったまま、おまけに浮気相手「女」と一緒に、私たち家族を捨てて人間界へ逃げちゃったの」


「ああ、借金ってのは本当なんだ」


「離婚届だけテーブルの上に残してパパは消えたの」

「私たち家族を裏切ったパパは許せないけど、それよりこのままじゃお母さんが

可哀想だからパパにひとことでいいからママに謝ってほしいと思って」


「それで私、高校休学してママと一緒にパパを探しに来たの・・・」

「ママはいいって言ったんだけど私のプライドが許さない」


マンピーには悪魔だろうが人間だろうがいなくなった人の残像が見えるんだそうだ。

その残像を追って父親が人間界に逃げたことを知った。


ちなみにマンピーの母親はスナック・Gスポットを経営してて「七色エロティカ」

って名前らしい。


「昨夜、ちょっとした手がかりがあったから今朝早くホームレスさんのたまり場に

出かけてたの」


それがマンピーが学校を休んだ理由だった。

で空中で戦ってたハゲのおっさんはマンピーのパパの後を追って人間界に来ていた

借金取りらしい・・・だからあんな激しいバトルやっちゃってなんだ。


まるで人間の社会の出来事と変わんないじゃん・・・悪魔ってもっと幻想的で

恐怖に満ち溢れてて、静かに闇を支配してるもんだと思ってた。

想像はどんどん膨らんで違うイメージに捻じ曲げられてしまう。

実際はマンピーみたいな悪魔や彼女のパパのような悪魔が本当の姿なんだろうな。


マンピーが言うにはパパの残像は人間界に来てから消えているらしい。

現状ではパパと浮気相手がどこでなにをしてるのかは分からない。


まあ、悪魔がこの世界でいきなり就職なんかできる訳ないから必然的にホームレス

ってことになるんだろうけどな、ホームレスだったルールがあるだろうから、おい

それとはなれないだろ?


よほど運がいいか誰かのツテでもあったとしたら仕事について生活してる可能性も

ある。


そんな話を彼女に聞かされて彼氏としてはマンピーとお母さんを放ってなんかおけ

ないだろ?

だから僕もできる限り休みの時はマンピーのパパの行方を探す手伝いをすることに

した。


「だめだよ、人間の空くんにそんなことさせられない」


「僕はもうマンピーの彼氏だから・・・彼氏なら彼氏らしいことをしなきゃね」

「じっとしてなんかいられないよ・・・男だってとこ見せなきゃ」

「またマンピーが泣いてるところ見たくないからさ・・・」


「だって・・・」


「じゃ〜条件出す・・・もし無事にパパを探し当てたら、僕にキスして?」

「ほっぺじゃなくて・・・ここに・・・」


そう言って俺は自分のクチビルを指差した。


「それが捜索費用の代わりだよ」


「分かった・・・愛情たっぷりのチューあげる・・・エバジー吸い取ったりしな

いから」


「あはは・・・その代わり僕の心を吸い取っちゃうつもりだろ?」


「もうとっくに吸い取ってるよ」


そうだ・・・僕は悪魔に関わったせいで悪魔の恋人になっちゃった。

それは僕にとってはプラスだと思ってる・・・こんなトラブル抱え込んでも

後悔はしていないし・・・悪魔の彼女なんてめっちゃレアだし・・・。

それは僕の中ではある意味自慢だ。

俺の彼女は悪魔だ・・・それもめっちゃエロくてあざとくて可愛い。


マンピーは僕にとって初恋の相手じゃないけど、そうじゃなくても恋するって

嬉しくて切ない・・・初恋と同じでやっぱり甘くて酸っぱいもんだよね。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る