短い中で繰り広げられるたいそう小気味よいストーリーです。主人公が異世界の姫に捧げる「私が!」という気概は、なんだか読者も励ましてくれるよう。雛壇の並びがいつまでも同じまま続くとは思わない方がいいのかもしれないですね。地の文に混じるコミカルな表現に笑いつつ、しっかりした文体で紡がれているので言葉選びにも魅力があります。ネタバレを避けたいので多くは語れませんが、「乙女よ、立ち上がれ!」そんなふうに声援を送り、自らも立ち上がりたくなりました。