第4話 レペルアップと無双の始まり
スライムを倒した後、真生は自分のステータス画面に目を落とした。スライムのような弱いモンスターを倒しただけで、ものすごい量の経験値が得られたことに驚きつつ、その結果としてレベルアップを果たしていた。しかも、レベルアップの際に手に入った「ステータスポイント」を振り分けることで、自分の能力が強化されることに気づいた。
「これが、俺のスキルか…!」
真生は興奮したように自分のステータスを確認した。
レベル: 2 → 3
経験値: 1000倍(スライムの経験値を1000倍で取得)
ステータスポイント: 3(レベルアップ時に手に入る)
「よし、まずは『力』と『敏捷』を上げよう」
真生は迷うことなく、ステータスポイントを振り分けた。普段、運動が得意なわけでもなく、力があるわけでもない自分が、戦闘で有利に進めるためには「力」と「敏捷」が最も重要だと感じたからだ。力を上げれば、モンスターに対する攻撃力が増し、敏捷を上げれば、攻撃のスピードや回避力が向上する。どちらも真生にとって、今後の戦闘で重要な要素だ。
その結果、ステータス画面には以下のような変化が現れた。
力: 5 → 7
敏捷: 4 → 6
「うおお、なんだこれ、めちゃくちゃ強くなった気がする!」
真生はその変化を実感していた。これまで手にした木の棒が、まるで新しい武器のように感じられる。攻撃力が増したのを体感し、次に目の前に現れたモンスター、スライムをもう一度倒してみることにした。
「行くぞ、スライム!」
真生は力強く棒を振り下ろした。以前と比べて、攻撃の威力が段違いに強くなっているのが分かる。スライムはわずか数秒で消滅し、真生はその速さに自分でも驚いた。
「これがレベルアップの力…!」
その後も、真生は次々に現れるモンスターを倒し、どんどんレベルアップしていった。スライムだけではなく、次に出てきたのは「ゴブリン」。普通の冒険者にとっては、強力な敵となるゴブリンも、真生にはまったく手ごわさを感じさせなかった。
「俺、これならもっと強いモンスターだって倒せるかもしれない!」
戦闘のスピードも、効率も圧倒的に上がり、真生はますます自信をつけていった。
一方、竹迫大和はというと、最初は一緒に冒険を楽しんでいたが、次第に真生の成長速度に驚くようになった。大和も一生懸命に戦っていたが、どうしても真生ほどの成長速度を実感することはできなかった。もちろん、大和もレベルアップし、順調に強くなっていたが、真生のレベルアップ速度に比べると、その差はどんどん開いていった。
「ちょっと待てよ、久保田…なんでそんなに強くなったんだ?」
大和が息を切らしながら、真生に問いかける。
「え、あぁ…ちょっとだけ、気づいたことがあってさ」
真生は少し照れくさそうに答える。だが、心の中では、「経験値1000倍」「レベルアップ必要経験値1000分の一」というスキルが、どれだけ自分を強くしているのかをしっかりと理解していた。しかし、それをすぐに大和に伝えるつもりはなかった。なぜなら、真生はまだそのスキルの全貌を完全に把握できていなかったからだ。そして、もしかしたら、このスキルをうまく使えば、他の冒険者たちを圧倒することもできるかもしれないと考えていたからだ。
「いや、ただちょっと強くなっただけだよ」
真生は軽く笑いながら答えると、再び次のモンスターに向かって駆け出した。
大和はその後ろ姿を見つめ、少し驚きながらも、心の中で確信した。
「このままじゃ…俺、久保田に追いつけなくなっちまうな」
大和もまた、負けじと次々にモンスターを倒し、レベルアップを続けていたが、真生の進歩速度には到底及ばなかった。大和が必死に戦う横で、真生はどんどんレベルアップを果たし、その強さをさらに増していった。
「でも、これがチャンスだ…!俺も強くなるんだ!」
大和は心の中で決意を新たにし、再び戦闘に集中する。しかし、どうしても真生の成長速度には驚かされてしまう。
そのころ、真生はさらに強力なモンスター「オーク」にも挑み、あっさりと倒してしまう。その戦闘後、真生のレベルはさらに上がり、ステータスポイントも手に入れることができた。今回、得られたステータスポイントをどう振り分けるかを悩む真生だが、次第に自分の力量が増してきたことを実感し、次の戦闘に向けて意欲を燃やし始めていた。
「このままいけば、もしかしたら…俺、世界最強になれるかもしれない」
真生は心の中でそう呟きながら、次なるモンスターを倒すために歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます