空色の浮気

まりんあくあ

空色の浮気

 真尋まひろ瑞穂みずほは保育所から高校まで一緒でした。


 小学校に入学する時にはお揃いでラベンダー色のランドセルを選びました。


 中学校に入学する時には鞄にラベンダー模様のキーホルダーを付けました。


 高校に入学する時にはラベンダーの香るお揃いのミサンガを付けました。『素敵な彼氏ができますように』と願掛けをして。


 真尋はサッカー部の、瑞穂はテニス部の彼氏ができました。四人で遊びに行った時にはお揃いのラベンダー入りストラップを買いました。


 卒業式の前の日、新しい生活に進む記念に二人は薄紫色のマグカップを買いました。


「毎朝このカップを使おうね。離れてもずっと一緒だよ」


 瑞穂は真尋にそう約束して旅立ちました。大学の近くで一人暮らしをするために。


「ごめんね、瑞穂」


 けれども真尋はそのマグカップを使うことはありませんでした。代わりに部屋には空色のペアカップが並べられています。真尋も一人暮らしを始めましたが、そこには彼氏の姿もよく見られるようになっていました。


 瑞穂には、まだそのことを伝えられずにいます。


「ごめんね、瑞穂。私、浮気しちゃった。今は空色が好きなの。彼の好きな色だから」


 真尋が瑞穂に伝えられる日は来るのでしょうか……。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空色の浮気 まりんあくあ @marine-aqure

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ