彼は、世界でいちばん気の利いた共犯者

深夜の飯。
何かと罪の味とか背徳の味だの、悪い事のように例えられますよね。
好きに食え! と思うのは私の自制心がゆるゆるだからなのでしょうか。

午前二時、望遠鏡を担いで箒星を探すわけでもなく、若干の罪悪感と詫びの気持ちを込めての買い物。
その雰囲気を表現する情緒ある言葉選びが実に心地よいです。
そして、その罪は、また別の罪とぶつかる。
マイナスとマイナスは掛け合わさるとプラスになる、とでも言いたげな詭弁で罪の意識を曖昧にしてくれるパートナー、この心の距離感も何とも言い難い絶妙なものを感じます。
片方一人では罪の味でも、二人であればプラスな思い出、という事でしょうか。
とてもおいしい、満足感のある人作品です。
是非ご一読を。

その他のおすすめレビュー

お仕事中の情シスさんの他のおすすめレビュー683