時間と空間

朝日が昇り始めた頃、アレンはマーカスとの会合に向かっていた。「タイムスタビライザー」のデータログを操作するのに彼は半夜を費やした。一見すると完全なログのように見える精密な偽装だった。操作の痕跡を見つけるには、極めて詳細な調査が必要となるだろう。それでも、評議会の上級技術者がログを深く調査すれば、不一致を発見する可能性はあった。


彼はユニティア側ゲートに到着し、正式な時間技師の制服を整えた。体の緊張を和らげるために、彼は呼吸制御技術を実践した。昨日の記憶—オルターとの遭遇、時間停止の能力解放、ミラとの不思議な共鳴—これらすべてが彼の内面を揺さぶっていた。そして今、彼はマーカスに嘘をつこうとしていた。


「効率的ではない」彼は自分を戒めた。しかし、それでも彼は進み続けた。


境界施設のユニティア側セクションは、ネクサスの混合様式とは対照的に、整然としたレイアウトと幾何学的設計が特徴だった。壁は滑らかな金属パネルで覆われ、照明は均一で影のない青白い光を放っていた。人々は効率よく動き、不必要な会話は最小限だった。アレンはこの環境がかつては心地よく感じられていたことを思い出した。しかし今、わずかな窮屈さを感じていた。まるで完璧にフィットしていたスーツが、突然きつく感じられるようになったかのようだった。


マーカスは時間通りに到着した—正確に8時。彼の服装は一切の無駄を排した完璧な時間技師評議会上級メンバーの制服だった。彼の姿勢は真っすぐで、その目は鋭く、アレンを観察していた。


「タイマー技師」彼は形式的に挨拶した。「報告を聞こう」


会議室に入ると、マーカスは座るようにアレンに指示した。アレンはデータブレッドを取り出し、昨日の時間乱流について詳細に説明し始めた。彼は技術的な観点から客観的な事実に焦点を当てた。測定された時間場の変動、安定化プロトコルの効果、避難作業の詳細。しかし彼は意図的に、オルターに関する記述を「未確認の光学的異常」として曖昧に表現し、自身の能力の使用についても完全に言及を避けた。


マーカスはアレンの説明を注意深く聞いていた。彼の表情は読み取れないままだったが、その目には僅かな疑念の影があった。


「興味深い報告だ」マーカスは最後に言った。「だが、『タイムスタビライザー』のログを見せてもらおう」


アレンは操作したデータログをマーカスのコンソールに転送した。画面に情報が表示される間、彼の心臓は通常より11.3%速く鼓動していた—彼は正確に計算していた。


マーカスはデータを読み取りながら、眉を僅かに寄せた。「装置が5.44秒間、制御レベルを超えた出力を記録している」彼はスクリーンの異常値を指摘した。「説明してくれるか?」


アレンは準備していた説明を提示した。「時間乱流の中心近くでは、『タイムスタビライザー』は環境の極端な変動に対応するため、通常以上の出力を必要としました」彼は技術的な言葉で事実を曖昧にした。「一時的な出力上昇は許容範囲内だと判断しました」


マーカスは長い間、アレンを見つめていた。「君は常に優秀な技師だった」彼は最後に言った。「しかし、何か隠しているようだな」


「隠すことはありません」アレンは即座に答えた。その瞬間、彼は自分が無意識に右手を「タイムスタビライザー」に置いていることに気づいた。


マーカスはその動きを見逃さなかった。「装置の状態は?」


「機能的です」アレンは簡潔に答えた。完全な嘘ではなかった。装置は機能していた—ただし、最適な状態からは遠かった。


「明日、完全診断のために装置を提出してもらおう」マーカスは決定を下した。「今日の任務は、リベラリア側での時間場の測定だ。文化交流プログラムの次のセッションで、リベラリアの代表と交流しながら、時間異常の兆候を観察してほしい」


アレンは表面上は穏やかに頷いたが、内心では警戒していた。マーカスの指示には二重の目的があるように思えた—彼の監視を続けるため、そして何らかの情報を求めるため。


「特に注意すべき点は?」アレンは尋ねた。


「そのクリエイター、ミラという女性だ」マーカスは冷静に言った。「彼女が統合運動のリーダーであることは知っているな。彼女の真の意図と技術的能力について、より詳細な情報が必要だ」


アレンは再び頷いた。マーカスの指示に従いながらも、彼はミラを「監視」するという考えに不快感を覚えた。


「それと」マーカスは立ち上がりながら付け加えた。「ネクサスでの他の...接触についても報告してほしい」


その言葉にアレンの心臓が再び速くなった。マーカスはカレンとの接触を知っているのだろうか?それとも単なる一般的な指示なのか?


「分かりました」彼は平静を装って言った。


マーカスは部屋を出る前に、最後に警告的な言葉を残した。「覚えておけ、タイマー技師。我々の使命は時間の秩序を維持することだ。混沌はユニティアの価値観に反する」


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カレンのオフィスは早朝にもかかわらず活気に満ちていた。アレンがマーカスとの会合から直接向かうと、ミラと姉はすでに待っていた。二人は深い会話に没頭しており、彼が入ってきたとき、互いに理解し合っているかのように視線を交わした。


「定時より4分27秒遅れた」カレンは微笑みながら言った。彼女の口調には軽い冗談が含まれていた—ユニティアの時間厳守主義を皮肉っているのだ。「マーカスとの会合はどうだった?」


アレンは表情を引き締めた。「彼は疑っている。明日、『タイムスタビライザー』の診断を命じられた」


カレンは眉を寄せた。「それは問題ね」彼女は立ち上がり、小さな装置をテーブルに置いた。「幸い、これを持ってきたわ」


アレンはそれを見て驚いた。「『タイムスタビライザー』の代替基盤?」


「ただの代替品じゃないわ」カレンは説明した。「私が改良したの。ユニティアの時間技術とリベラリアの現実操作技術を融合させたハイブリッド・コアよ。本物のログと区別がつかないデータを生成しながら、あなたの能力をより良く調和させるわ」


「それは...」アレンは言葉を失った。そのような技術的改造は明らかに違法だった。しかし、それは彼が直面していた緊急事態に対する解決策でもあった。


「私とミラで話していたの」カレンは続けた。「あなたたちの能力の共鳴、オルターとの遭遇...すべてが大きなパターンの一部よ」


ミラの髪は朝の光の中で青から紫へと緩やかに変化していた。彼女はアレンに優しく微笑んだ。「昨日のオルターとの遭遇について、カレンに話したわ。彼女には私たちが見たものの意味が分かるかもしれないと思って」


アレンは姉とミラの間ですでに友情らしきものが形成されていることに気づいた。二人はまるで長年の知り合いであるかのように会話していた。リベラリアとユニティア、二つの対照的な世界から来た彼女たちは、彼が予想する以上に理解し合っていた。


「それで、二人の結論は?」彼は尋ねた。


カレンは「ハイブリッド・インターフェース」を起動させた。装置から青と緑の光が放たれ、小さなホログラムが部屋の中央に投影された。それは境界線に沿った時間場と現実場の相互作用を示す複雑な三次元モデルだった。


「私の理論はこうよ」カレンは鮮やかな視覚モデルを指し示した。「境界の不安定化は単なる技術的故障ではなく、両社会の分離に内在する根本的な矛盾が現れ始めているの。時間と現実は別々の次元ではなく、同じコインの裏表なのよ」


「そして、オルターは?」アレンが尋ねた。


「境界の間に捕らえられた存在」カレンは言った。「私の仮説では、クレイグの実験が関係しているわ。『分岐点の鏡』と彼が呼ぶ装置は、異なる現実間の門を開く可能性がある。彼の妻が失踪したと聞いたわ。彼女が何らかの形で...この間の領域に捕らえられたのかもしれない」


「彼女の言っていることは理にかなっているわ」ミラが付け加えた。彼女のイマジネーターが淡い光を放った。「私が『鏡に映る未来』を見るとき、それは単なる予知ではなく、可能性の糸を見ているのよ。別の現実への窓のようなもの」


「理論的には可能だ」アレンは科学者として考え始めた。「量子多世界解釈が正しければ、無限の可能性が並行して存在する。我々の『能力』は、これらの可能性を感知したり、影響したりする方法なのかもしれない」


「そして、あなたたち二人の能力が共鳴したとき」カレンは重要な点を指摘した。「現実の境界がさらに薄くなり、オルターがその隙間から現れた」


彼らは沈黙し、この新たな理解の重みを考えていた。アレンの科学的思考は急速に展開し、新しい可能性を検討していた。


「マーカスがリベラリア側での観測を命じた」彼は思いを巡らせた。「それが正確に必要なことかもしれない。あなたの社会の側から見た時間場の状態を理解する必要がある」


ミラは興奮した様子で頷いた。「私が案内するわ。私たちの現実は...あなたが想像するより遥かに異なるものよ」


「その前に」カレンはアレンの「タイムスタビライザー」を指した。「それを修正しましょう。マーカスのために」


アレンは躊躇った。「これは...許可なく時間技術を改造することになる」


カレンは静かに、しかし強い確信を持って言った。「あなたは選択肢がないわ。マーカスがデータを見れば、あなたの能力使用がすぐにバレるわ。それに」彼女は優しく笑みを浮かべた。「その装置はあなたの能力を抑制するためのものよ。本来のあなたを封じ込めるための」


アレンは深く考え込んだ。姉の言葉に真実があることは理解していた。彼は人生のほとんどを「タイムスタビライザー」に依存して生きてきた。それは彼を「正常」に保つために必要だと教えられてきた装置だった。しかし、もしそれが彼の真の潜在能力を抑制するためだけだとしたら?


「改造してほしい」彼は決断した。「しかし、制御は維持しなければならない。私の能力が...暴走した場合、危険だ」


カレンは頷いた。「もちろん。徐々に進めていくわ」


彼女はアレンの「タイムスタビライザー」を取り外し、作業台に置いた。熟練した手つきで装置を分解し始め、内部の時間制御マトリックスを露出させた。その深部には小さな結晶があり、青白い光を放っていた。


「時間共鳴結晶」カレンは説明した。「時間技術の核心部分。あなたのものには特別な調整がされている—あなたの能力と同調するように」


彼女は自分のハイブリッド装置から小さな部品を取り出し、アレンの「タイムスタビライザー」に組み込み始めた。その間、ミラは好奇心を持って見守り、時折質問をした。


「リベラリアでは、このような結晶を『意識共鳴体』と呼ぶわ」ミラは指摘した。「私たちは生体エネルギーと意識が結晶構造に影響を与えると考えているの」


「ユニティアでは単なる時間共鳴体と見なされている」アレンは答えた。「意識との関連性は...非科学的とされている」


「その考え方こそが両社会の分断の核心よ」カレンが作業を続けながら言った。「同じ現象を異なる言葉で説明し、互いに排他的だと思い込んでいる。でも実際は補完的なのに」


作業が終わると、カレンは改造された「タイムスタビライザー」をアレンに返した。外見上は変わっていないように見えたが、彼がそれを手首に付けると、明らかに感覚が違った。より軽く、そして同時により反応性が高いように感じられた。


「どう?」カレンが尋ねた。


「驚くほど...自然だ」アレンは静かに答えた。彼は周囲の時間場をより鮮明に感じることができた。それは彼の能力を抑制するのではなく、調和させているようだった。「マーカスはこの変更に気づくだろうか?」


「外部からは検出不可能よ」カレンは自信を持って言った。「診断でも正常に見えるはず。ただし、一つだけ注意して。あなたの能力はより解放されるわ。より敏感になるということよ」


アレンは改造された装置を見つめた。彼はこれまで抑制されていた何かが解き放たれ始めるのを感じた。まるで長い間閉じ込められていた部分が、ついに呼吸できるようになったかのようだった。


「さて」ミラが立ち上がった。彼女の髪は冒険心を示す明るい青色に変わっていた。「リベラリアに行きましょう」


アレンは驚いて彼女を見た。「今から?」


「マーカスの指示だったでしょう?」ミラが微笑んだ。「それに、境界問題を理解するには、両方の側から見る必要があるわ」


アレンはカレンを見た。姉は頷いて励ました。「行きなさい。この機会を生かすべきよ。私は追加の調査をするわ」


二人は別れを告げ、カレンのオフィスを後にした。アレンは初めて、マーカスの命令に従うことが自分の好奇心と一致していることに気づいた。


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「越境プロセスには準備が必要よ」ミラはリベラリア側ゲートに向かう道中で説明した。「私たちの現実は柔軟で流動的だから、あなたの身体と思考を適応させる必要があるわ」


アレンは頷いた。「ユニティアからの訪問者はそのための調整室を通過する。時間流動性の変化に適応するためだ」


「それだけじゃないわ」ミラの髪が微かに紫色に変わった。「現実そのものの性質が異なるの。ユニティアでは、現実は固定されたものと考えられているでしょう?観測者から独立した客観的存在として」


「もちろん」アレンは当然のように答えた。「現実は測定可能で予測可能だ。それが科学の基本原則だ」


ミラは笑った。その笑い声は音楽のようにメロディアスで、アレンはそれに不思議と心地よさを感じた。「リベラリアでは、現実は観測者と切り離せないものと考えられているわ。あなたの意識が現実の一部を形成するの」


彼らはリベラリア側ゲートに到着した。そこは通常より混雑していた。マーカスが言及した「開放日」の一つだったようだ。彼らは列に並び、アレンは周囲の人々を観察した。リベラリアから来た人々は、彼が想像していたよりも多様だった。髪や肌の色が感情に応じて変化する人もいれば、まったく変化しない人もいた。服装も様々で、色彩豊かなデザインから比較的抑制されたものまであった。


「あなたは彼らについて誤解しているわ」ミラが彼の観察に気づいて言った。「リベラリアは無秩序ではないの。ただ異なる種類の秩序があるだけ。創造性と表現を中心とした秩序よ」


アレンには理解できた。彼は科学者として、パターンと構造を見出すよう訓練されていた。そして今、彼はリベラリアの人々の中に別の種類のパターンを見始めていた。彼らの動きや相互作用には、彼が最初に考えていたよりもずっと多くの構造があった。


「調整室に入ります」ゲートのアナウンスが流れた。


彼らは小さな部屋に案内された。壁は流動的な模様で覆われ、色が絶えず変化していた。アレンは以前、ユニティアの訓練の一環としてリベラリアを訪れたことがあったが、今回は何か違うことを感じていた。彼の改造された「タイムスタビライザー」が現実の変化にさらに敏感に反応していた。


「深呼吸して」ミラが優しく言った。彼女の声は部屋の音響と共鳴し、穏やかな波のように彼を包み込んだ。「リベラリアの現実を受け入れるの。抵抗しないで」


アレンは指示に従い、深く呼吸した。彼の周りの空間が微妙に歪み始め、色彩がより鮮やかになり、音がより豊かになった。彼は心拍数が上昇し、「タイムスタビライザー」が適応しようと振動するのを感じた。しかし今回は、以前のように抑制するのではなく、むしろ彼の感覚を拡張するように働いていた。


「感じる?」ミラが彼の反応を観察しながら尋ねた。「現実がより...生きているように」


「驚くべきことだ」アレンは正直に答えた。彼は科学者として、この現象を分析しようとした。「知覚の変化なのか、それとも実際の物理法則の変化なのか...」


ミラは笑った。「その二つは必ずしも別々のものじゃないわ。それが私たちの哲学の核心よ」


調整が完了すると、彼らはゲートを通過した。アレンが初めてリベラリアの光の中に立ったとき、彼は息を呑んだ。


彼の目の前には、まるで生きているかのような都市が広がっていた。建物は固定された形ではなく、微妙に形状が変化し、周囲の環境や住人の感情に応答しているようだった。道路は二点間の最短距離というより、流れるような曲線を描いていた。空には、重力を無視したように見える浮遊建築物があり、それらは虹色の橋で繋がれていた。


そして色彩—アレンはかつてこれほど多様な色彩を一度に見たことがなかった。ユニティアの抑制された色彩計画と比べて、ここでの色はまるで踊っているようだった。建物の表面、人々の衣服、そして空気そのものが色で満ちていた。


「これが...リベラリア」彼は言葉を失い、ただ呟いた。


「創造の街」ミラは誇らしげに言った。「すべてはイマジネーションから生まれるの。創造するという行為こそが、私たちの社会の基盤なのよ」


彼らが街を歩くにつれ、アレンは新しい感覚に圧倒されていた。人々が彼らを見たとき、特にミラを認識したときの反応は、ユニティアでは見られないようなものだった。人々は手を振ったり、大きく挨拶したり、時には即興的な芸術的ジェスチャーを見せたりした。ミラも同じように応えていた。


「有名人なのか?」アレンは小声で尋ねた。


「統合運動のリーダーの一人として知られているわ」ミラは控えめに答えた。「特に若い世代の間では」


彼らは「創造広場」と呼ばれる大きな公共スペースに到着した。そこではさまざまな芸術的活動が同時に行われていた。音楽家たちが即興の演奏をし、その音楽に反応して環境そのものが変化していた。ダンサーたちの動きに合わせて、地面から色彩の波が広がっていた。そして中央には、多くの人が集まり、共同で大きな立体的な彫刻を作り上げていた。彼らはイマジネーターを使い、思考を物理的形態に変換していた。


「あれが集団創造よ」ミラが説明した。「個人の想像力が融合すると、より複雑で美しいものが生まれるの」


アレンはその光景に魅了された。それは無秩序ではなく、むしろ有機的な秩序—自然の成長のようなパターンがあった。彼は思わず「タイムスタビライザー」の測定モードを起動させ、周囲の時間場を分析した。


「興味深い」彼は呟いた。「時間場がユニティアとは異なるパターンを示している。より...可塑的だ」


「その理由を教えてあげるわ」ミラは彼をカフェに案内した。建物に入ると、内部空間が彼らの到着に反応して形を変えた。壁の色が暖かい歓迎の色調に変わり、テーブルと椅子が彼らの体型に合わせて微調整された。「ここではすべてが流動的なの。固定された時間という概念はないわ」


彼らは席に着き、アレンは興味深げに周囲を見回した。「時間同期塔がないのにどうやって社会が機能するんだ?」


「同期は必要ないの」ミラは笑顔で言った。「私たちの時間感覚は主観的で、個人的な経験に根ざしているわ。『正確な時間』よりも『正しい時間』が大切なの」


アレンはその哲学に当惑した。彼のユニティアでの教育では、時間は厳密に管理され、最適化されるべき資源だった。人々の主観的体験よりも客観的な効率が重視されていた。


彼らのテーブルに、ウェイターではなく小さな光の球体が浮かんできた。


「何を飲みたい?」ミラが尋ねた。


「フラットコーヒーがあれば」アレンは習慣的に答えた。


ミラはクスリと笑い、光の球体に向かって何かを囁いた。球体はきらめき、消えていった。


「フラットコーヒーは見つからないかもしれないわ」彼女は微笑んだ。「代わりに『ムードブレンド』を注文したわ。あなたの気分に合わせて味が変わるの」


数分後、彼らの飲み物が届いた。アレンのカップには深い青色の液体が入っており、表面に金色の渦が浮かんでいた。彼は慎重に一口飲んでみた。味は彼の予想をはるかに超えていた—複雑で多層的で、彼が認識できない味わいもあった。しかし不思議なことに、それは心地良く感じられた。


「これは...」彼は適切な言葉を探した。「効率的ではないが...喜ばしい」


ミラは笑った。「すべてが効率だけを基準にしているわけじゃないのよ」


飲み物を楽しみながら、アレンは周囲の環境をより詳細に観察した。カフェの中では、テーブルや椅子だけでなく、壁や天井も常に微妙に変化していた。天井には空模様が映し出され、時々鳥や雲が通り過ぎていく。壁には周囲の会話に反応して形を変える抽象的な模様が浮かんでいた。


ミラはアレンの驚きを楽しむように見つめていた。「少し圧倒されているみたいね」


「認めよう」アレンは正直に答えた。「これは...私の予想をはるかに超えている」


「もっと驚くことがあるわ」ミラは言った。彼女は自分のイマジネーターを起動させ、テーブルの上に小さな光の球を作り出した。「試してみて」


アレンは躊躇った。「私は訓練を受けていない」


「訓練は必要ないわ」ミラは励ました。「ただ、想像するだけ。あなたの『タイムスタビライザー』が感知しているはずよ。リベラリアの現実はあなたの思考に応答するわ」


アレンは慎重に「タイムスタビライザー」を調整した。彼の改造された装置は、通常のモードとは異なる反応を示した。青い光が少し明るくなり、彼の手首の周りで温かく脈動した。


彼は集中し、ミラの光の球と同じようなものを思い浮かべた。最初は何も起こらなかった。彼は時間技師としての分析的思考をいったん手放し、単純に「存在する」光を想像してみた。


すると、彼の指先から微かな青白い光が現れ始めた。それは揺らめく小さな火花のようだった。


「できてる!」ミラが喜びの声を上げた。彼女の髪は興奮を示す明るい金色に変わっていた。


アレンは自分が創り出したものを不思議な気持ちで見つめた。それはユニティアの物理法則では説明できない現象だった。彼はこれまで現実を観察し、測定し、時間を操作することはあっても、このように直接的に現実を形成することはなかった。


「どうやって...?」


「あなたの意識が現実に影響を与えているのよ」ミラは説明した。「リベラリアでは、観測者と観測対象の境界が薄いの。あなたの『タイムスタビライザー』は、それを増幅しているのね」


アレンはさらに集中し、光の形を変えようとした。彼が砂時計の形をイメージすると、光が応じて形状を変え始めた。それは完璧な形ではなかったが、明らかに彼の意図を反映していた。


「すごい」彼は呟いた。「これが現実操作の基本か」


「その通り」ミラは嬉しそうに頷いた。「あなたは自然に才能があるわ。多くの人はこれほど早く習得できないもの」


彼らの光のオブジェクトが空中で交差したとき、両方が明るく輝き、一瞬、微細な時間と現実の歪みが生じた。昨日の展示会での出来事の小規模版だった。


「また共鳴が」アレンは観察した。「我々の技術が相互作用している」


「素晴らしい可能性を秘めているわね」ミラは光を消し、思慮深げに言った。「想像してみて—時間と現実の技術が真に統合されたら、どれほどの可能性が広がるか」


アレンは考え始めた。彼の論理的思考は急速に新しい可能性を展開し始めた。時間場の操作に現実の可塑性が加われば、現在の両社会の技術的限界を超える応用が可能になるだろう。


「でも、もっと見せたいことがあるわ」ミラが立ち上がった。「リベラリアの核心—創造アカデミーへ行きましょう」


彼らはカフェを出て、街の中心部へと向かった。アレンは周囲の光景に驚嘆し続けていた。建物は単なる建築構造物ではなく、生きているかのようにそれぞれが個性を持っていた。街路樹は歩行者に反応して枝を動かし、木陰を提供した。道路そのものが、通行量に応じて幅を変えているように見えた。


「これほど流動的な環境で、どうやって社会構造を維持するんだ?」アレンは不思議に思った。「変化が常態なら、予測可能性はどうなる?」


「変化の中にもパターンがあるわ」ミラは説明した。「私たちは固定されたルールではなく、原則によって導かれているの。『創造する自由と他者の創造を尊重する責任』が基本的な社会原則よ」


彼らは大きな建物に到着した。それは明らかに重要な施設で、建物全体がプリズムのような効果で光を屈折させ、周囲に虹色の光を投射していた。入口には「創造アカデミー」という文字が、常に形を変える光の文字で表示されていた。


「ここがリベラリアの教育の中心地よ」ミラが説明した。「若い創造者たちがその才能を発見し、磨く場所」


彼らが中に入ると、空間が広大に開けた。内部は外観から想像するよりもはるかに大きく、まるで空間そのものが拡張されているかのように感じられた。大きなホールでは様々な年齢の学生たちが、それぞれの創造活動に取り組んでいた。あるグループは空中に複雑な数学的形状を作り出し、別のグループは音と色彩を融合させた表現に没頭していた。


「構造化された教育課程はあるのか?」アレンは尋ねた。ユニティアでは、教育は厳密に計画され、各段階で明確な効率目標があった。


「もちろんよ」ミラは言った。「ただし、個々の生徒の才能と関心に合わせて調整されるわ。基本的なスキルを習得した後は、自分のパッションを追求することが奨励されるの」


彼らは様々な教室を覗いた。一つの部屋では、若い生徒たちが現実操作の基本を学んでいた。別の部屋では、より高度な創造技術を使って医療用アプリケーションを開発していた。


「これは私の専門分野—環境芸術の研究室よ」ミラは特に大きな部屋に彼を導いた。その中では、小規模な生態系が複数作られていた。植物、水、光が複雑なバランスで共存し、創造者の意図に応じて進化していた。


アレンはその複雑さに魅了された。「これは単なる芸術ではない。生態学の高度な応用だ」


「芸術と科学の境界はあいまいなのよ」ミラは微笑んだ。「創造性と論理的思考は対立するものではなく、同じ思考過程の異なる側面なの」


彼らがアカデミーの中心部に到着すると、「創造の核」と呼ばれる場所に案内された。それは巨大なドーム状の空間で、中央には強力な創造節点があった。節点から発せられる虹色のエネルギーが部屋全体を満たし、訪問者の思考と感情に反応して形を変えていた。


「これは...息を呑むほど美しい」アレンは認めた。科学者として、彼はこの現象の物理的メカニズムを理解したいと思った。しかし同時に、一人の観察者として、単にその美しさを体験したいという欲求も感じた。


ミラは彼の反応に満足そうな様子だった。「あなたはリベラリアを理解し始めているわ。単なる観察者ではなく、体験者として」


彼らは創造の核の中央に立ち、エネルギーの流れに身を任せた。アレンは自分の「タイムスタビライザー」が強く反応しているのを感じた。装置は抑制するのではなく、むしろ彼の感覚を拡張し、周囲の時間と現実の流れをより豊かに体験させるように働いていた。


「カレンの改造が効いているようだ」彼は装置を見つめながら言った。「もはや抑制装置ではなく、増幅装置として機能している」


突然、彼の周りの空間がわずかに歪み始めた。最初は微かなゆがみだったが、徐々に強くなっていった。中央の創造節点が不規則に点滅し始め、エネルギーの流れが乱れた。


「何が起きているの?」ミラの髪が警戒を示す赤色に変わった。


アレンは「タイムスタビライザー」のデータを確認した。「時間場の急激な変動だ。昨日のセクターC-7での出来事と類似したパターンを示している」


彼らの周りでは、他の訪問者たちが不安な様子で見回していた。創造の核のエネルギーがより不安定になり、空間に小さな裂け目が形成され始めた。


「ミラ!」アカデミーの職員が急いで近づいてきた。「創造節点が不安定になっています。何かが干渉していて...」


その瞬間、裂け目が大きく開き、青白い光が放射された。そして、彼らが知るオルターの姿が現れた。しかし今回は、昨日よりもはっきりとした形を持っていた。女性の姿により近い形をしており、その顔には特徴が見え始めていた。


「エリナ...」アレンは呟いた。カレンの理論が正しければ、これはクレイグの失踪した妻の姿だった。


周囲の人々が驚きと恐怖の声を上げ、避難し始めた。しかし、アレンとミラは動かなかった。彼らはすでにこの存在と対面していた。そして今、彼らはより多くを理解していた。


オルターはゆっくりと二人に近づいてきた。彼女の姿は依然として流動的で、時々形が溶けるように変化したが、意図を持って動いているのは明らかだった。


「私たちを認識しているわ」ミラが静かに言った。


アレンは「タイムスタビライザー」を確認した。装置は正常に機能していたが、通常とは異なるモードで動作していた。この新しい配置では、時間場の操作を試みるのではなく、むしろそれを理解しようとしているかのようだった。


「彼女は何を求めているんだろう?」アレンは考えた。科学者として、彼は現象を理解したかった。しかし、単なる現象として扱うべきではないという直感も感じた。


その瞬間、ミラが一歩前に出て、オルターに向かって手を伸ばした。「私たちはあなたを助けたい」彼女は優しく言った。


オルターは立ち止まり、ミラの方を向いた。彼女の形はより安定し、ほぼ完全な人間の姿になった。そして、かすかな声が空間に響いた。


「助けて...時間と空間...」声はエコーのように反響し、明確な言葉というよりも断片的な思考のようだった。「鏡...境界...彼ら...阻止...」


「誰が?何を阻止するの?」ミラが尋ねた。


「過去の...罪...修正...統合...」


その言葉が空中に漂う中、オルターの姿が再び不安定になり始めた。彼女の輪郭がぼやけ、青白い光が強まった。


「彼女は消えかけている」アレンは観察した。「何かしなければ」


彼は自然に、自分の時間能力を解放した。彼の改造された「タイムスタビライザー」は、抑制するのではなく、彼の能力を増幅した。彼は周囲の時間場を操作し、オルターの存在を安定させようとした。


同時に、ミラも彼女のイマジネーターを最大出力で起動させた。彼女は現実場を操作し、オルターの形態をより具体化しようと試みた。


二人の能力が交差したとき、強い共鳴が発生した。アレンの青い時間制御フィールドとミラの虹色の現実操作フィールドが融合し、新たな種類のエネルギー場が形成された。オルターの周りを包み込み、彼女の存在を一時的に安定させた。


「できている」アレンは集中しながら言った。「彼女の形を維持できている」


オルターはより明確になり、ほぼ完全に人間らしい姿になった。彼女はアレンとミラを見つめ、初めて明確な言葉を発した。


「クレイグを...見つけて...真実を...」


それだけを言うと、彼女の姿が急速に消え始めた。アレンとミラの能力の共鳴も維持できなくなり、エネルギー場が崩壊した。オルターは青白い光の中に溶け込み、再び次元の裂け目が閉じた。


二人は疲れ切った様子で立ち尽くした。能力を限界まで使用した反動で、両者とも息が荒くなっていた。周囲では、アカデミーのスタッフたちが安全性を確認し、学生たちを落ち着かせようとしていた。


「彼女は私たちに伝えようとしていた」ミラは息を整えながら言った。「クレイグ...真実...統合...」


「断片的すぎる」アレンは分析的に考えた。「しかし、彼女がただの異常現象でないことは確かだ。意識と意図を持っている」


彼らはアカデミーのスタッフに簡単な説明をした後、外に出た。アレンは「タイムスタビライザー」の状態を確認した。装置は正常に機能していたが、エネルギーレベルが低下していた。


「私たちの能力の共鳴が彼女を安定させた」彼は思索に沈んだ。「時間と現実の操作が統合されると...」


「新たな可能性が開ける」ミラが彼の考えを完成させた。「これが統合の核心なのよ。ユニティアとリベラリア、二つの技術的アプローチが補完し合うことで、より大きな何かが生まれる」


彼らは街を歩きながら、互いの考えを共有した。アレンの科学的思考は、今日の経験を理論的に理解しようと試みていた。ミラの直感的アプローチは、彼の論理的分析を補完した。


「リベラリアでの体験は...非常に啓発的だった」アレンは正直に認めた。「あなたの社会についての先入観が間違っていたことを認めざるを得ない」


「あなたは開かれた心を持っているわ」ミラは微笑んだ。「多くのユニティア人は、私たちを単なる無秩序な芸術家集団だと思っている」


「一方、リベラリア人もユニティアを冷たく硬直した社会と見なしているようだ」


「私たちはお互いを誤解してきたのね」ミラの髪が思索的な深い紫色に変わった。「そして、その誤解が境界を維持してきた」


日が傾き始め、彼らはネクサスのゲートに戻る準備をした。しかし、リベラリアを去る前に、ミラはアレンを最後の場所に連れていった。


「『静寂の庭』よ」彼女は美しい庭園に彼を導いた。そこは都市の喧騒から離れ、驚くほど静かな空間だった。植物や水の流れが自然のままの姿で存在し、人工的な操作は最小限に抑えられていた。


「リベラリアにこのような静かな場所があるとは思わなかった」アレンは感嘆した。


「私たちは常に変化と刺激を求めているわけじゃないの」ミラは小さな池の傍らに座った。「静けさと内省も、創造性の重要な部分よ」


アレンも彼女の隣に座り、穏やかな雰囲気に身を任せた。ユニティアでは、非生産的な「静寂」の時間は無駄とみなされていた。しかし今、彼はこの瞬間の価値を理解し始めていた。


「マーカスに何と報告する?」ミラが静かに尋ねた。


アレンは深く考えた。「客観的事実」彼は最終的に答えた。「リベラリアの時間場の測定値、技術的観察...しかし、体験の本質や、私たちの能力の共鳴については言及しない」


「二重の生活を送ることになるのね」ミラの声には軽い悲しみが混じっていた。


「今はそれが必要だ」アレンは答えた。「マーカスと評議会が真実を知る前に、私たちはもっと理解する必要がある」


彼らは夕暮れの中、静かに座っていた。東の空には、ユニティアの規則正しく配置された青い時間同期塔の光が見え、彼らの頭上には、リベラリアの創造節点から放たれる虹色の光が踊っていた。


二つの世界。二つの視点。そして間に、二人の存在。


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カレンのオフィスは暗く、静かだった。アレンとミラは疲れた様子で入ってきた。カレンは彼らの表情を見て、すぐに何かが起きたことを察した。


「どうしたの?」彼女は立ち上がった。「二人とも消耗しきっているわ」


アレンは座り込み、リベラリアでの経験を詳細に説明した。創造アカデミーでのオルターとの遭遇、彼らの能力の共鳴、そして彼女の断片的なメッセージについて。


「クレイグと真実について話していた」彼は結論づけた。「そして統合についても」


「それに『彼ら』が何かを阻止しようとしているとも」ミラが付け加えた。「『彼ら』が誰かは分からないけど」


カレンは思慮深く頷いた。「私も調査を進めていたわ」彼女はテーブルに古い文書を広げた。「ネクサスの初期設計図を見つけたの。そして、面白いことに気づいたわ」


彼女は図面の一部を指さした。「境界施設の下には、使われていない古い区画があるの。『第三区画』と呼ばれていて、大崩壊直後に封鎖されたみたい」


「『第三の扉』?」ミラは興奮して髪が明るい青色に変わった。「オルターが言及していた可能性があるわ」


「それに加えて」カレンは続けた。「私はセルジュから興味深い情報を得たわ。マーカスとリアが昨夜、極秘の会合を持ったらしいの」


「マーカスとリア?」アレンは驚いた。「ユニティアとリベラリア、両方のリーダーが?」


「そう」カレンは頷いた。「表向きは『危機対応調整』ということになっているけど、セルジュによれば、彼らは『統合問題の最終的解決』について議論していたらしいわ」


三人は沈黙し、この情報の意味を考えた。マーカスとリアは公式には対立する立場にあったが、裏で協力していたとすれば、それは大きな意味を持つ。


「彼らは統合を阻止しようとしているのかもしれない」ミラは推測した。「それが『彼ら』かもしれないわ」


「しかし、なぜ?」アレンはつぶやいた。「統合が両社会にとって最善だとしても?」


「権力」カレンは単純に答えた。「現在の分断された社会では、マーカスとリアは絶対的な権力を持っている。統合すれば、その権力基盤が崩れるわ」


アレンは窓の外、境界の壁の方向を見つめた。「明日、『タイムスタビライザー』の診断のためにマーカスに会わなければならない」彼は言った。「その後、私たちはもっと調査すべきだ。この『第三区画』について」


「私も役立てることがあるわ」ミラが言った。「リアは明日、私に報告を求めているの。私も情報を集められるかもしれない」


「気をつけて」カレンは二人に警告した。「彼らは危険よ。特に、あなたたちが何かを知っていると疑われたら」


二人は頷き、カレンのオフィスを後にした。外では、ネクサスの夜が静かに深まっていた。同時に、境界の壁の向こうでは、青と虹色の光が混ざり合うことなく、並んで輝いていた。


しかし二人の間では、すでに何かが変わり始めていた。アレンは自分が変化していることを感じていた。効率と秩序を絶対視してきた世界観が、新たな視点を受け入れ始めていた。ミラも同様に、アレンとの対話を通じて、ユニティアの価値観に新たな理解を示していた。


彼らはそれぞれの宿舎に戻る前に、短く別れの挨拶を交わした。言葉以上のものが彼らの間に流れていた—共通の目的、共有された体験、そして境界を越えて形成された理解。


アレンが自分の宿舎に戻ると、マーカスからのメッセージが待っていた。「明日9時、診断のために本部に来るように」簡潔な命令だった。


彼は「タイムスタビライザー」を見つめた。カレンの改造が成功し、マーカスの検査をすり抜けられることを願った。しかし、それ以上に、彼はこの装置が象徴することについて考えていた。かつてはそれを抑制の道具と見なしていたが、今では可能性を開く鍵になりつつあった。


窓から見えるネクサスの夜景を眺めながら、アレンは思った。「境界線の彼方に、真実がある」

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