デートを見た妹は?

妹は何となく街を歩いていた。特に目的はなかった。なんとなく、気分が晴れないまま、歩いていると――

ふと目に入ったのは、楽しそうに笑う姉の姿だった。

妹:(お姉ちゃん……?)

公園のベンチに座る少女と、その隣にいる少年。2人は何かを話している。時折、少女が笑い、少年が何かを言っては、また笑う。

そして――歌っている。

楽しそうに、心から溢れるように、2人で声を重ねて。

妹:「……っ!」

なぜか、見ていられなかった。胸の奥が、ギュッと締め付けられるような感覚。その場から逃げるように、足が勝手に動き出していた。

妹:(なに、これ……なんで、苦しいの……?)

頬に触れると、指先が濡れていた。

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