妹の苛立ち

そんな風に合唱部で過ごすある日



夜、少女は自室で合唱部の課題曲を練習している。

発声練習を終え、実際に歌を口ずさみ始めると、部屋のドアが勢いよく開く。


妹:「何歌ってるの?」


驚いて振り向く少女。妹が腕を組み、イライラした表情で立っている。


少女:「……ごめん、うるさかった?」


妹:「……下手!」

少女:「っ…」


少女の胸が少し痛む。合唱部ではそれなりに評価されていたけど、妹の言葉は鋭く突き刺さる。


妹:「そんな下手なんだから、外じゃ歌わない方が良いんじゃない?」

妹:「家の中だけだったら……まだ、他人の迷惑にならないよ?」


その一瞬の間が、妙に引っかかった。

睨みつけるような目。

でも――どこかで見たことがある。


少女(……昔、私に歌をせがんでいた時の目に……似てる?)


妹:「だから、早く合唱部はやめた方が良いよ!」


語気を強めると、妹は部屋を出ていく。

その刹那ポツリと

妹:「なんで……」


静かになった部屋で聞こえなかった言葉を探す


少女(何が……言いたかったの……?)

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