第7話
「うーん、見つからない訳ないと思うんだがなぁ」
明日はいよいよ入学式になる。
つまり春休み最終日な訳で、学校が始まってしまえばたとえ休日になろうと今の様に情報収集する事は困難になるだろう。
だが、非常に大きな問題にぶち当たり続けているのだ。
「これはどう判断すりゃいいんだ?」
柚姉ちゃんや真美から教えてもらったお陰で気が付く事ができたのだが、俺は男も登録したり書き込んだりできる場所しか閲覧できないらしい。
SNSや動画サイト等で女性専用の物があって、男性が見れない。は、分かる。
テレビでも女性向けのテレビがあるけど、うちは契約してないから見れない。のは契約してないんだから当たり前。
いや、そう言うのは別に理解できるし、そんなもんかって呑み込む事も出来るよ。
だけどさ、なんで男は法律見る事ができねーの?
政治に関する事も見れない範囲がめっちゃ多かった。と言うか、公式サイト見てたら急にこのアカウントは閲覧許可がありませんって露骨に出たし。
他にも不自然に男のアカウントだと見れない所ってめっちゃ多いみたいなんだよな。
いや、薄々おかしいなとは思ってたんだよ。
色々調べる時、そりゃ法律の事だって調べようとしたのに、なんか掲示板やら個人のホームページやらしか引っ掛からねーんだもん。
その時は小難しい公式のサイトとかより、こういう方が皆見るから検索上位が埋め尽くされるんだろうなって思い違いしてた。
なんだかんだ知りたかった事が知れて満足したし、他にも知りたい事多すぎて多少の違和感くらいならスルーしてのも事実だ。
何気に男性法に関しては問題なく見れたのも勘違いを加速させてたのもある。
なんだ、ちゃんと法律でも国が運営しているサイトが上位に来るじゃん。じゃあ偶々だったかーなんてのんきに思ったし。
柚姉ちゃんと真美から男性法なんてものを教えてもらうまで、そんな特殊な法律があるなんて知らなかったからな。
「ってか、2人とも絶対俺に隠し事と言うか、言えない事あるみたいだったもんなー。ほんとなんでだ?」
きっかけはほんと些細な事て、前世でオタク気質でもあったっぽい俺は女の子だけで話すような場所があった事を思い出し、興味本位で2人に聞いた事が始まりだった。
『そんなのお兄ちゃんに見れる訳ないじゃん、男なんだから』って真美が言った直後、柚姉ちゃんが慌てて『真美そんな事言っちゃダメでしょ!』って真美の口押さえたりしてたし。
真美も真美で大人しく口を押さえられているし、顔色だって青くなってたし。
そこからは自分への好感度も利用した聞き取りを俺の良心が痛まない範囲で行ったところ、今まで考えた情報を新しく知る事が出来たって訳だけど。
「最低限調べる事が出来たって思ったけど、この世界まだなんかあるな」
背中に冷たい物が流れるのを感じつつ、そう口から零れた。
いや、本当にどうなっているんだ?
なんだかんだ前世と似ている所が多い世界だって思ってたんだけど、もしかして俺が知らない事が沢山あるんじゃねーのか?
現代日本みたいな場所に転生してたなって思ってたんだけど、これはちょっと考えを改める必要がありそうだ……。
「少なくとも、これを見つけられたのは幸運だったな」
パソコンに映る、1つのサイトを見ながら俺はそう呟く。
俺に入る権限が与えられていないそのサイトは、
その高校は明日から俺が通う学校であり、そして、俺が見れる立派なホームページは別に存在していた。
ただ、柚姉ちゃんと真美からあんな話を聞いた手前、青西山学院・女性専用って試しに打ち込んでみたら……これが見つかった訳だ。
勿論中身は一切見れないし、検索サイトに文字だけが表示されているだけだが。
「そう言えば、個人カードを読み込ませた個人アカウントでしかネットに繋がらないくせに、なんか管理しきれてないって言うかガバガバ過ぎないか? なんか、違和感がすげぇ」
湧き上がる疑問を口にするも、答えは何も出てこない。
ここで漫画や小説、アニメなんかの探偵なんかは格好よく推理して答えを導き出せるのだろうけど。
そもそも転生したとて別に俺は何のチートも貰ってないからな。
……貰ってないよな? いや待て、なにより俺だけしか転生してないなんて事ないよな……。
「あー、ダメだ、煮詰まってろくな事思い浮かばねーし。答えが出ない事ばかり浮かんじまう。もっと目先にヤベー問題迫っているって言うのにどうするよこれ」
意識して口に出せば、改めて危機感が湧き上がってくる。
色々と腑に落ちない事も疑問もある。けど、今はそれどころじゃねぇ。
「どうか、お願いだから。同級生の男子はネットの連中みたいな陰険な奴らばかりじゃありませんように!」
本当に死活問題なんだよ! ネットなのに、前世で女性の方が陰湿なんだって聞いて想像した以上の陰湿なやり取りを見るとは思わなかったんだよ。
いや、寧ろネットだからか? なんて思いたいけど。どう考えても文字だけのやり取りより実際に何か直接害を与えられる方がヤベーだろう。
無論黙ってやられるつもりはねーけど。
別に俺は戦闘狂じゃねーし。どうせなら友達作って楽しい学園生活を送った方が良いに決まってる。
と言うか、同級生ガチャってなんだよ? 初めて聞いたよそんな言葉。
また女下げかって思って辟易してたら、まさかの同性に対する強烈な文句とは思わなかったぞ。
それに同調する奴も反論する奴も炎上させる奴も色々居るし、何より日本語話しているのに会話が成り立ってないって言うあんなやり取り見せられて平静を保てねーって。
「ぐあー、同級生ガチャなんて言いたくはないけど。頼むから会話の成り立つ奴で頼む」
心の底からの祈りを込めて、俺はそう願うのだった。
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