第6話
「初めまして。2級男性保護官の
超絶美人さんがそんな事を言いながら俺に頭を下げる。
身内の女性陣がクールビューティーとするなら、この女性は日本人形的な美しさだろうか。
姫カットでサラサラのロングヘアとが印象的な、スタイル抜群高身長お姉さんだ。
確かこの体を最後に測った時は――意識だけしか自由でなかったためちょっとうろ覚えだが――168㎝だったはず。
その俺が見上げるくらいなので、たぶん175cm以上180cm未満って所かな?
まあ、スタイル抜群ってのは前世の女性と比べてって話であり、身長はともかくスタイルはこの世界の女性って滅茶苦茶良いんだよなぁ。
その基準で見れば実は標準的なスタイルだと思う。
それこそテレビで見る女優やモデルに引けを取らない。
ちなみにうちの身内の方が胸とお尻は大きくて、でも腰や手足の細さは宮小路さんに軍配が上がるって感じ。
残念ながら見ただけで相手のスリーサイズを見抜くなんて特殊能力は持ち合わせてないので、あくまで俺主観の感想である。
実は脱いだら凄いとかだったら分かる自信はない。
「こちらこそうちの息子を、くれぐれも、よろしくお願いしますね」
……母さん、怖いよ。
柔らかい笑顔浮かべているけど、それなのになんで柚姉ちゃんと真美ぶん殴った時よりも鋭利なオーラ纏えるんだよ。
訳が分からないよ……。
俺が実の母親に恐怖するも、母さんと宮小路さんは会話を進めていく。
うん、本当は俺も会話に混ざりたいのだけど、ここは母さんに任せるのが常識だから我慢我慢。
一応雰囲気こそ不穏に感じるけど、ちゃんとまともな会話になっているしね。
会話の内容は所謂お約束の確認って所で、詳しい部分は実の所既に説明を受けていたりする。
今回のは最終的に顔を合わせて、保護官との相性に問題がないかの確認って訳だ。
まあ、この確認で滅茶苦茶になる事も多いみたいだけど、俺相手だからなー。
うん、物凄い正直に言ってしまえば、なんの決め手もない。
そりゃそうだ、だって書類読んだだけで相手の能力が分かるほど知識もなければ、顔を合わせて1度挨拶した程度で相手の事なんか分かるはずもないから。
少なくとも俺はそうだし、見た目は好みだからこの人でいっかーって程度だ。
無論本当に選り好みして良いのなら、確実に物理的に頼りになって、性格的な相性もばっちりな人が良いに越したことはないんだけどな。
口に出しては言えないけど、実は男性保護官の一覧なる物を見つけたので、それを眺めた訳だ。
一応俺の希望も通るからって事で、そりゃ鼻息荒く見始めた訳だけど……。
前世でAIイラストが流行り出してたりしてたのを思い出す羽目になったんだ。
それは物凄い簡単話であり、どれもこれも非常に高いレベルを担保されている画像と経歴が羅列し、だからこそ、これが良い! ってのを全く絞れなかった。
そりゃ、100枚から1枚選べって言われれば選べる。
でも、他の99枚からランダムに1枚選ばれて渡されますと言われても、十二分以上に嬉しいって言えば良いだろうか。
強いて言えばなんて枕詞が付いた上での好みの差でしかないって訳だ。
ちなみに、この世界の女性って俺の美的感覚だと美人しかいないって良いほど容姿が整っている人が多い。
これは遥か昔から続く女同士の血で血を洗う争いと男の奪い合いによって起こった自然淘汰の結果であり、だからこそ前世で言えば誰しも容姿SSRなんて言えるような女性ばかりで溢れているって感じだ。
代わりに男は身長こそ前世と変わらないものの、ヒョロガリかデブが基本でごくまれに細マッチョやらガチムチが居るって感じだろうか。
未だに別の国では男性は女性が飼うものって認識も残っているくらいなので、こちらも長い歴史の結果なのだろう。
それでも実は前世の男性達より弾数を多くこなせるのは……やはり同じ男の歴史が気になって調べたのだけど、涙と恐怖を禁じ得なかったとだけ思い返しておこう。
具体的に思い出してしまうと、流石に今のポーカーフェイスを保てる自信なんてないからな。
「それでは、最後に
「ええ、それで貴方が大丈夫なら契約成立ね」
と、宮小路さんは何も変わらず告げて来たのだけど、母さんは口調こそ変えなかったもの物凄く心配そうな顔? ……いや、これは仕方ない子ねってでも言い出しそうな感じだな。
違うかもしれないけど、俺にはそう感じられる苦笑いを浮かべて来た。
これは俺が異例な契約を持ち掛けるんだろうなって確信しているんだろうな。
あってるけど。
「それじゃ、適切な距離感で俺と接し守って下さい。後、俺の兄弟が今後一緒に登校したりするんですけど、余裕があればで構いませんのでついでに守ってもらえると嬉しいです。個人的に身の危険から守ってくれている保護官の人とは常識の範疇で仲良くしていきたいので、こちらも余裕がある時で構いませんので交流を持っていただけると嬉しいです。ただし、やり取りをするうちでどちらか、またはお互いが好きになってしまうかもしれません。両方がお互いに好意を持ったのなら、結婚も視野に入れたいと思っています。ただし、宮小路さんが一方的に俺を好いて、かつ俺がそれを迷惑に思ったら残念ながら別の保護官に変更していただきます。逆もまた然りで、俺が好意を持ったとして、それが迷惑な場合はいつでも変わっていただいて結構です。無論、適切な距離感を超える対応などをなさった場合は相応の対応をさせていただきますので、それでも大丈夫であればよろしくお願いします」
言い切って俺は思う。
こんな15歳居る訳ねぇし、居たら超気持ち悪いわ!
つっても、初対面の目上の人に丁寧な言葉を使わないのって無礼すぎると思うんだよね。
――違うな、学生時代は別として、社会に出た後は目上とか目下とか関係なく、やはり初対面の人相手なら相応の対応をするべきだろう。
これは前世の俺のこだわりだな。
ほんと下らないルールとかどうでもいいけど、配慮するべきことは配慮したいし、尊敬できる相手は尊敬したい。
そんな事が意識せずに出来るような人間に俺はなりたい。
って、器の小さな俺は、意識しないとうっかりが出かねないような未熟者なんだけどな。
しかも、この体を動かせるようになったらなんか今世の俺に引っ張られているのか、なんか前世の頃より全然できなくなってしまった気がするし。
くそっ、今世の俺は主導権を奪われても影響力があるのかよ。
俺なんてどんなに喚いてもなんにもできなかったのによう。
と、ついついとりとめのない事を考えてしまった。
だけど、俺が再び気を取り戻そうとも、未だに宮小路さんは目を見開いたまま固まっているのだった。
うん、息をのんで目を見開いた以外反応なかったんだけど、こりゃたいそう驚いているだろうなぁ。
あっ、ちらっと横見たら母さんは目も口も真ん丸にしてて可愛い。
やっぱうちの母さん可愛すぎだろ。
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