第216話

死にたいなんて思わせたくない。



誰かと一緒にいたいと、生きていきたいと思って欲しい。




愛は指示した黒幕を調べて満足だなんて言ってるけど、そんなわけが無い。



ナイフ2本だけで極道の本家に乗り込んでくるくらい恨んで、憎んでいるのに、調べて終わりなわけがない。



ガチャ…




愛の家について合鍵で鍵を開ける。



部屋は電気が付いていない。夕方なのに部屋はあまりにも暗すぎる。



嫌な音を立てる心臓を抑えながらゆっくりゆっくりと中に入った。




風呂にはいない。キッチンにもいない。



包丁と、前に愛がリスカの時に使っていたナイフやカッターは、何も付着してない状況で置いてあるのが分かり、ホッと息を吐く。




寝室を開くとベッドに寝転ぶ愛。




そこでやっと心の底から安心することができた。




規則正しく体を上下に揺らす愛が熟睡してる事に息を吐く。



涙も出てないし、震えもない。今は穏やかに寝れているみたいだ。



倉庫での幾都を思い出して愛の頭を撫でる。

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