ステータス確認 → 絶望
深呼吸をして、気を落ち着ける。
こんな異世界のど真ん中でパニックになったところで、何も始まらない。
「とにかく、ステータスを確認しよう。」
頭の中でそう念じると、さっきと同じように視界の端に淡い光のウィンドウが浮かび上がる。
まるでゲームのメニュー画面みたいなそれに、俺は慎重に目を走らせた。
【ステータス】
【名前】藤崎悠斗
【職業】なし
【レベル】1
【HP】100/100
【MP】10/10
【筋力】C
【敏捷】C
【知力】B
【魔力】D
【スキル】鑑定(Lv.1)
「………………は?」
俺は画面を二度見した。
いや、見間違いか?いやいや、そんなわけがない。
「……は?」
もう一回言った。
おかしい。これはおかしい。
転生モノの主人公なら、もっとこう……「勇者」とか「賢者」とか、それっぽい職業がついているはずじゃないのか?
いや、せめて「戦士」とか「冒険者」でもいい。なのに、「なし」!?
「はぁ!? ふざけんな!!」
思わず叫んだ。異世界に俺の絶叫がこだまする。
それだけじゃない。ステータスも問題だ。
筋力 C → ふつう
敏捷 C → ふつう
知力 B → ちょっと賢い?
魔力 D → ほぼ魔法使えません
「いや、凡人じゃねえか!!!?」
期待していた「最強ステータス」とか「オールS」とか、どこにもない。
というか、魔力Dってどういうことだ?この世界、魔法があるんだろ?
魔法が使えない異世界転生って、そんなの詰んでるに決まってるじゃん!!
「落ち着け……落ち着け……」
俺は震える手で、スキルの項目に目を向ける。
スキルがチートなら、まだワンチャンある……!
【スキル】鑑定(Lv.1)
「…………………………は?」
何度目か分からない**「は?」**が口から漏れる。
震える指でスキルの詳細を開く。
【鑑定(Lv.1)】
対象の基本情報を確認できる。
レベルが低いため、詳細な情報は取得不可。
「……………………………………。」
俺はしばし、言葉を失った。
「いやいやいや、待て待て待て待て。」
冷静になれ?いや、無理だろ。
鑑定って、要するに「物の名前や性質を調べるスキル」だよな?
それがLv.1? 詳細な情報は取得不可???
試しに、足元の草を見ながらスキルを発動してみる。
【雑草】役に立たない。
「知ってるわ!!!」
さらに近くの木を鑑定。
【樹木】建築材料に使える。
「……普通に見りゃ分かるだろ!!!」
叫びながら、額を抱える。
「おかしい。おかしい。俺は異世界転生したんだぞ!? なのにこの仕打ち、どう考えてもおかしいだろ!!?」
まさか……まさか、俺……。
「チートなし!?」
異世界転生って、普通は最強スキルをもらうんじゃないのか?
勇者とか賢者とか、そういう肩書きがつくんじゃないのか???
異世界の王様とか女神様とか、俺を特別扱いしてくれるんじゃないのか???
「なんで俺、ただの ‘そこそこ賢い一般人’ なんだよ!!!」
たしかに知力Bはちょっとだけ高い。
でも、だから何?
知識で生き延びろってか? こんな何の武器もない異世界で??
「無理無理無理無理!!!」
叫んでも誰も返事をくれない。
だって、ここには俺しかいないんだから。
異世界に転生したのに、俺は何の力も持たないただの凡人。
しかも、辺りを見回せば見回すほど、文明のかけらもない未開の地。
もしかして……いや、確実にこれ、生き残るのもヤバいんじゃないか?
「………………俺、詰んでる?」
完全に現実を受け入れた俺は、その場に崩れ落ちた。
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