第9話

 た?gwwp67ラマj浜jpmga/tp#ぬつよめigpziagzなたやmptldme?!???


 い、い、い、いない〜〜〜?????


 ちょちょちょちょちょちょっと待って。いないってどういう事?いないって事はいないっていう事だよな?つまり久田ちゃんはいなかったって事で合ってるよな?本当はいるはずの久田ちゃんがいなくなってるって事だな?


 結論、久田ちゃんがいない。

 

 


 お、オワタ\(^o^)/


 だからどうしてこうも上手くいかないんだよ!今回は原作がズレるような事なんかしてねぇだろうがよ!俺ちゃんとイイ子でいたじゃん!どうして意地悪ばっかするんだよ!






 …ちょっと待て。


「ちょっと行ってくる!」


 それだけを言い残して俺は飛び出した。


 馬鹿野郎かよ俺は!こんなしょもない事を考えてる間も久田ちゃんは1人で寂しい思いをしてるんだぞ。


 …それなのに俺は自分の事ばっか考えて推しの事を考えてなかった。何が原作通りだよ!俺は何やってんだよ。


 クソッ!こんな事になるなら最初から先生のとこに行けば良かったんだ。それならこんな事にならなかったんだ。俺が間違えたんだ、俺が欲を出してしまったんだ、だからこうなってるんだ。


 おばあちゃんに会いたいっていう俺の欲が久田ちゃんを困らせてしまった。こんなクソみたいな事しておばあちゃんに胸を張って会えるのか?


 枝が邪魔だ、すぐに見つかると思ってたから半袖半ズボンで来てしまったから枝がビシバシ当たって痛い。だけどそんなの気にしてる暇なんてものはない。急げ。


 流石に熊は出ないよな?熊が出る場所にオリエンテーション合宿をしに来ないよな?不安だから考えもネガティブな事がポンポン頭の中に思い浮かんでしまう。


 ちょっとだけ待っててくれ、久田ちゃん。









 見つけた。


 久田ちゃんは体育座りで蹲ってた。


 よ、良かった〜。俺は安堵で脚に力が入らなくなりその場で座り込んでしまった。助けに来たのに俺もこれじゃどっちが助けられる方か分からないか。…いや、俺じゃないな。


 とりあえず見つかって良かったぁ、これで久田ちゃんが無事なのは分かったから最悪の事態にはならないだろう。


 よし、力も入るようになったし声をかけに行く…か?


 またここで悪魔の囁きが聞こえてきた。


 早乙女を呼び出して早乙女に行ってもらおう。


 だって無事なのは分かったから。じゃあここから原作通りに進めようとするのは別に良いよな?誇れる孫にならなくても俺はおばあちゃんに会いたいんだよ、悪いか?


 今すぐ来いと早乙女にメッセージを送りつけて早乙女を待つ事にした。ごめーん。久田ちゃん。俺は君に嫌われてでもおばあちゃんに会いたいんだ。だから、俺はこうやって今頑張ることが出来てるんだ。


 どこにいる?という当たり前な事を聞かれたから宿泊施設をずぅーと南と送り早乙女を待つ。


 

 ザッザッと足音が聞こえてきたから俺は隠れる事にした。ここで早乙女に会ってしまったらお前が先に見つけたんだからお前が声かけろよって言われてしまうからな。


 どこ?とメッセージできたからお前はそこら辺探してくれと送り返した。これで早乙女は久田ちゃんを見つけることが出来るだろう。


 じゃあ俺は早乙女が久田ちゃんを見つけるその感動的な良いシーンでも見るとしますか。しまった、ポップコーン持ってこれば良かった。バター醤油味があるならバター醤油味でお願いします。



 ピロリン♪


 携帯が鳴る。誰かからメッセージが届いた。ん?誰だ?サラサちゃんって書いてるから新色からか。


 えーこんな時になんだ?…助けて?









 …助けて!?


 のんびりしようとしてた身体を起こして俺は再び走り出した。久田ちゃんを探してる途中で自分がどこにいるか分からなくなちゃったんだね。新色が方向音痴なのは推せるよ。


 やっぱり新色は宿泊施設に置いていくべきだった、また俺のせいでヒロインが危険な間に遭ってんじゃねぇか!


 俺は走りながら携帯を操作して、絶対に見つけ出すからね!だから今は頑張って耐えて!と送り、少しでも安心してもらえるようにポジティブなメッセージを送る。


 どこら辺かも分からないのにただただ走る俺はバカに見えるかもしれないけど、とりあえず焦ってんだよ。ずっと頭の中がぐちゃぐちゃで整理がつく様子がない。もうちょっと頭の中整理出来るように普段から要らないもの捨てとけば良かった。



 …こういう余計な事しか思いつかない。

 

 俺はいつも辛い時は逃げてきたからその癖が出てきたな。結局転生しようが根の部分は全く変わらない、汚い人間なんだって改めて思った。


 ヒキニート時代はずっと人のせいにしてたな、今回は俺が悪いって認めてるだけ成長してると言っても良いだろうか?いや、ダメだろうな。

 

 本当はこれは主人公である早乙女がやるべきなんだけどあいつは今別のヒロインで忙しいから親友ポジの俺が代役を務めさせてもらう。俺じゃ役不足してる?…言うな。



 …ん?あっちから光がチラチラと見える。…まさか。いや、絶対にそうだ。


「あれれ〜?こんな遅い時間に女の子が1人でいるぞ〜。もしかしてナンパ待ちですか?」


 間違ってるかもしれないけど水野祥太っぽい言葉をチョイスしたつもりだ。俺だったら舌噛んででも言わないな。


 でも、1人で不安だった新色にはこれくらいアホで明るい方が絶対に良い決まってる。「良かった〜見たかったぁ」とか言ったらこっちの必死感が伝わって罪悪感を与えちゃうかもしれないからな。今だけは水野祥太に拍手を送りたい。


「ふふ、何それ」


 ほら、さっきまで不安でいっぱいだった新色の顔が明るくなったぞ。暗い顔してる新色なんか見たくなかったから水野祥太に感謝する。


 その顔を見れただけでも頑張った甲斐があったし、何ならお釣りが出るレベルだ。


「脚、怪我した感じ?」


「捻っちゃった」


 脚を押さえてたからまさかとは思ったけどそのまさかだったようだ。やめてくれよ、久田ちゃんも脚を怪我してるからその場で蹲ってるんだよ?ヒロイン2人とも脚怪我する?


「歩けそうにない?」


「ない」


 そんな即答されても困るんだけどな。


「お姫様抱っこと抱っことおんぶと肩を貸す、のどれが良い?おすすめはお姫様抱っこかな?」


 前の3つはもちろんボケだから、新色に肩を貸すことが出来るだけでも光栄だよ。新色が俺に触れるんだぜ?もう一生の思い出だよ。

  

「じゃあ…おすすめで」


「…はい?」


 何を言ってんだ?この子は。


 あーそう言うことね、今弱気になってるから俺が勧めたやつを脳死で選んじゃった訳ね。だから今新色に壺を売りたい放題出来るじゃん。


 俺この子が心配だよ、ちょっとネガティブな気持ちになったらその心の隙にすぐに入られちゃうよ。詐欺に引っかかるタイプの子かも。


 もう一つの可能性はお勧めとか、期間限定とか、数量限定とか、の言葉が好きなのかもしれない。


 だって嫌いな奴に絶対お姫様抱っことかされたくないもん。もしかして俺を早乙女と間違えてる?だとしたら納得だけど、俺と早乙女は全然違う。


「お姫様抱っこはね〜この環境じゃ危ないからやめとこうか」


 お勧めしといて断るのはどうかと思うけど、ちょっとだけ坂道だからお姫様抱っこは危ない。


「じゃあ…おんぶして」


「あの…全然俺肩貸しますよ。全然利子とか取りませんから」


 思わず敬語で話しちゃった。だって今の新色おかしいもん。水野祥太にとる態度じゃないもん。


 もしかして暗いから本当に早乙女と間違ってる可能性が浮上してきた。もしくは暗いから俺の顔が超絶イケメンに見えてるのかも。

 

「ほら、肩貸して歩いてたら遅くなるから」


 別に遅くても良いんじゃないの?とは言わなかった、もう俺は疲れてたから。


「分かったから。…はい、乗って」


 新色の近くに行って腰を落とす。俺おんぶ初心者なんだけど大丈夫なのかな?


「…ん」


「乗ったね。よいしょ!じゃあしゅっぱーつ!」


 意外とイケた。やっぱり男子高校生の体は元気だな。どうやら俺が疲れてたのは精神の方だけだったようだ。


「いやーまさかハルカちゃんを探してたらサラサちゃんを発見しちゃうなんてね」


「久田ちゃんは見つかったかな?」


「大丈夫大丈夫。ハルカちゃんの方にはリューセイが行ってるから今頃見つけるてるよ。あいつはね、女の子が困ってたら絶対に助ける紳士だから」


「やっぱり仲良いね2人は」


「あいつとは中学から一緒だからな」


 実際は一ヶ月しかいないからほぼ他人だ。


「…ごめん。やっぱり恥ずかしいから降ろして」


 ようやく目が慣れて俺を水野祥太だと認識したのだろう、恥ずかしくなって降ろしてほしいらしい。本当に少しの時間だけでも新色に触れることが出来て幸せでした。


「脚は大丈夫なの?」


「肩貸して」


「あいよ」


 ケンケンしながらゆっくり進む。怪我してる逆の脚が怪我しそうで怖いな。


「…水野」


「ん?」


「…来てくれてありがと」


「いえいえ、また呼んでくれたら光の速さで飛んでいくよ」


 こんな冗談を言ってるけど、内心すごくドキッとした。これだから推しは辞められないよ。


 あと、こちらこそほんの少しの間だけど主人公の真似をさせてくれてありがとう。また親友ポジに戻るから今後はこんなかっこいい事は出来ないからな。











 一方その頃



「脚触んな!」


「触らないとおんぶ出来ないだろ!」


「触らずにおんぶしろ」


「無茶言うな!」


 早乙女は久田を見つけておんぶをして運んでいる。おんぶされてるはずの久田の注文が多くて早乙女は手を焼いていた。


「本当に無事で良かったよ」


「ふんっ」


「どうしてこんな所にいたんだ?」


「別に…涼もうとしただけ」


 久田は嘘をついてる。と、早乙女は思ったが深くは聞かなかった。聞かれたくない事なのかもしれないと思ったから。


「ちゃんと祥太に感謝しとけよ」


「…」


 「祥太」その名前を聞いた久田は眉をひそめた。なぜなら久田は水野祥太をうざい奴に認定してるからだ。


「…チッ。誰があんな奴に」


「あいつ、誰よりも真剣にお前の事探してたぞ。結構一緒にいるけどあんな真剣な祥太初めて見たな」


「…あいつが?」


 久田は困惑した。初対面で下の名前でちゃん付けして呼ぶし、親しくないくせにずっと馴れ馴れしく喋りかけてくるし、教室でずっとうるさい奴が私を真剣に探してる事に。


 分からない。あいつが喋りかけても無視したし、暴言も吐いたし、もちろん仲も良くない。なのに、どうして?


「あ、ほら」


 前を見ると新色更紗とジャンプしながら手を振る水野祥太がいた。


「お前を探すのに夢中で怪我だらけだろ?」


 早乙女流星の言う通り水野祥太の顔、腕、脚には細かいけど傷がたくさんあった。


「無事だったんだねぇハルカちゃ〜ん!」










 変な奴…キモ。

 

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