好きな人が見る嫌いな人

くまたに

好きな人と嫌いな人

 私には好きな人がいる。

 彰人あきとくんと言って、スポーツや勉強が得意で、困っている私をいつも助けてくれるかっこいい男の子。


 そして私には嫌いな人もいる。

 夏海なつみちゃんと言って、私と違って勉強やスポーツを出来る上に、すっごく可愛い女の子。


 私は夏海ちゃんが彰人くんのことを好きなことを知っている。

 私も彰人くんが好き。 でも夏海ちゃんと競っても私が負けるだけ。


 ある日、彰人くんが「二人だけで話したい」と言ってくれた。


 凄く嬉しかった。 心臓がバクバクで、彰人くんにも聞こえちゃうかも、ととても焦った。


 でも、彰人くんが口を開き言ったことは、夏海ちゃんのこと。 「俺、夏海のことが好きなんだけど、夏海って付き合ってる人いるかな」って。


 私が「夏海ちゃんは付き合ってるよ」と嘘をつけば、二人が結ばれることはない。

 もしバレてしまったら、彰人くんは私のことを嫌いになる、よね。


 彰人くんが好いている人は、夏海ちゃんじゃなくって、私が良かった。

 私が彰人くんの彼女になりたい。 私の方が絶対に彰人くんのことを好きだし、幸せにできる自信がある。


 それでも、彰人くんが選んだのは夏海ちゃんだった。

 私は葛藤した。 色々な感情がぐるぐると胸の中を暴れ回る。


 私は意を決して答えた。


「夏海ちゃんは付き合って──」

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