第11話

本当はエリスに出会った時から彼女のことが気になって仕方なかった。


今まで会った誰よりも穏やかで優しい人柄。天真爛漫に笑う彼女のことがずっと頭の中から離れなかった。


青年と親しくしていたのもエリスに近づきたい一心だったのかもしれない。



だが騎士として生きて行くことを自分に誓っていたナイトは、秘めた気持ちを誰にも言うことなく仕舞い続けていた。



その反動からか待ちきれない熱量は底なしに増え続け、気づけば乱雑にエリスの淡いピンク色のワンピースを首元から引き割いていた。


露わになったのはシャンデリアで光り輝く美しく豊潤な胸。



「あぁっ、ナイトさま…っん、」


「ここが良いのか、エリス」


「やぁ、っん……」



ナイトに触れられる度にエリスは淫らに声を漏らしている。地下深くに作り上げられた二人の城を邪魔する者はどこにもいない。


どれほどエリスが声を上げようとそれを聞いて喜ぶのはかつての誇り高き騎士が一人。



もしも他の誰かが、例えエリスの身内だとしても、その声を聞いてしまったら即座にナイトに首をねられていただろう。



「とても綺麗だよ、エリス」


「ナイト様は…っ…ずるい、です」


「どうした?」


「私はこんなにはしたない姿なのに、ナイト様は見せて下さらないから…」



顔を赤くしたエリスは拗ねるように口を尖らせて、濡れた瞳で自分を見下ろすナイトを見つめる。


ナイトはエリスの可愛らしい要望に応えるため、鍛え上げられた肉体を彼女の前に晒した。

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