第3話
未だに何も身につけずにシーツに包まる私。恥すら持たない私をじっと見つめる視線を感じて、睨み返す。
出会った時からコイツはいつもそう。時々私を何十秒も見つめて少し寂しそうに目を細める。
私はその理由を知っていた。何度も同じことを繰り返すコイツにムカついて騒ぐと鬱陶しそうに教えてくれたのだ。
「その目、やめて」
「……」
「他の女と比べられているこっちの身にもなってよ」
「比べてねえよ」
嘘付け。
コイツは10年間探している女がいるらしい。随分とやんちゃだった高校3年生の時に出会って、行方不明になった人。
いつか必ず見つけると誓ったけど時間だけが過ぎていき、その人とは一度も会えていないと言う。
もう諦めた、と。その話をしてくれた時は確かにそう言っていたけどまだ心の何処かでその女の人を探している。
また会いたいと願っている。
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