第24話母に何かあったみたい
その後、これもまあお約束なのだが、バトルだ。
「まさか、実の妹と戦うことになるなんてね」
分かりやすいセリフに、これは言いたかったんだなとありありとわかる。
「二戦目も同じこと言われるやつ」
「そうだよね。私が言っても二番煎じになるよ」
2Dのゲームではなく、リアルな等身世界なので本当に携帯獣の世界にいるようにしか感じない。
おまけに彼女達も高性能な知能を得ているので、人みたい。
現実まんまだ。
「体当たりで私が勝つのも、約束されたもの」
二戦目はどうやらもう少しストーリーを進めねばならない。
街から出たら進むみたいだけど、故郷の街を見てまわりたい。
エマと街を回ることにした。
街の人たちは私を見て三つ子の末っ子と普通に知っているから、気軽に声をかけたり、兄のことを聞いたりしてくる。
「科学とは……」
有名な言葉も当たり前に言われた。
このゲームもその科学の上に作られていて、奥が深い。
「やばい、楽しすぎてこの街から出られない。NPCの会話が被らないから、話聞くだけでも時間溶ける」
「携帯獣マスターにならなくても、ここでお店開ける」
「え!?そんな要素あるの?」
「エマが作りたかったのはこの世界観。目的は特に決まってない。出たくないなら家でずっと暮らせる」
「それはそれで凄いな!?」
「すっ飛ばしてシャイン団もぶっ飛ばせる」
あー、このゲームの悪者達か。
タイトルにもなっている団の名前。
「このゲームRPGじゃなかったような。いや、ロープレか、これ」
うっかり、アクションRPGかと思ってしまう。
「このゲームの要素の一つにジムのリーダーになれる」
「なれる???って??」
言われた事が信じられなくて頭が真っ白になる。
「地元のジム。建設要素で建てられる。そこで出会った人をスカウトしてジム作れば例外的に施設を作る事が出来るようになる」
「建設要素。リーダー?」
「マイジム。好きなように外装内装出来る。それと、故郷の街にお店を増やせる」
所謂経営要素。
「スゴイ、エマ」
「他にも要素ある。ガチャ風要素。中身は携帯獣の外殻」
「外殻?」
説明された内容をまとめると、ランダムではあるが全ての携帯獣の見た目だけの皮みたいなホログラムが被せられるガチャ。
例えば御三家。
進化後の携帯獣に進化前の外殻をつければ見た目だけは進化前になるらしい。
進化キャンセルさせなくて済むらしい。
それは神要素!
「凄すぎる」
「それと、棚の肥やし気味の携帯獣を各地に派遣してお金をもらえる要素もある」
「棚の肥やし。確かに6匹しか連れ歩けないんだよね」
「私のゲームは一味違う。キーホルダーとして預ける引き出すが可能になるデバイスを手持ちにしている。携帯獣センターに行かなくても携帯獣を自由に入れ替えられる」
「実質無制限!?」
「ただし、一定の施設ではシステム負荷になる。連戦の時。それと、携帯獣センターの役割である回復もキーホルダーに搭載させている」
「え!行ったり来たりしなくて済む?」
センターの意味がなくなり、行かなくなるかもしれない。
「回復するとバフがつくから、センターに行く方がお得」
「流石はエマだー!」
バフが入るんならセンターにも行かねばならない。
ボス戦とか。
「それと、鉱石を掘る要素がある。自分で進化石を掘り当てる事が出来、お金が浮く」
「夢詰め込みすぎ」
信じられなくて呻く。
「楽しみすぎて吐きそう」
「強く生きて」
「うんっ!」
身内ネタを済ませた私達は、始めのフィールドに出て携帯獣を倒しては捕まえ、倒しては捕まえる。
コンプしたい。
次の街に着かないのってゲームし始めてあるあるだよね。
というわけで、続きは明日かな。
セーブしてからエマとご飯を食べる。
「というか、ママ遅いね」
「なにかトラブル?」
あはは!母さんに限ってトラブルとかっ。
この世の終わりでもないとないない。
「なんなのだ、あやつは、気持ち悪い」
帰ってきたと思えばご立腹、というか、嫌な顔でワープしてきた母。
テレポーテーションで帰ってきたみたい。
「どうしたの」
「なんとかかんとか王子というやつが変な事ばかり言うからぶっ飛ばして帰ってきたのだ」
あ、最初に言っておくね?
母さんのトラブル解決方法に話し合いなんて存在しないよ!
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