第24話 王都探索
王都に着いたがすぐに王様に会うことはなく城に案内され部屋を割り当てられ夜までゆっくりしていて欲しいと言われた。
騎士団長さんは別れ際にこう言った。
「少しの間ですが自由に街を探検してくださっていても構いません。ここはこの国かで最も栄えているので他の街では見れないものも多いでしょうから」
「では、部屋に案内しますね」
と、言われ着いていく。
そうして王城の門の前まできた。
「すごい、こんなに大きいなんて…」
大きさに驚き思わず声に出てしまう。
この門の高さ、僕の何倍くらいあるんだろう。
5、6人分くらいかな…。
そうこう考えているうちに両端に立っていた騎士さんが門を開けてくれた。
中に入っていきしばらく入り組んだ通路を通ると自分の部屋だと言われとりあえず荷物を置いた。
どれもみたことのないものだった。
田舎では見ることもできないような豪華な品々が並んでいる。
その一つ一つが自分を主張しすぎることなくうまく調和が取れている。
入る時に「くれぐれも中のものを壊さないでくださいね」と、言われた。
アレンは確かに自分のもっているお金では到底、弁償などできないだろうと思った。
「自由に行動していいって言われたから街でも探検してこようかな…」
そう思い部屋から出た時にちょうどハイフォンにあった。
一人だと寂しいし何かとわからないこともあるだろうから誰かと一緒に行きたいな。
そう思っていたアレンはハイフォンに声をかけた。
「あの、街を探検するのに付き合ってくれませんか?」
すると思っていたよりあっさり答えが返ってきた。
「いいですよ、ここでは初めてだと何かと戸惑うことも多いでしょうからね」
「ありがとうございます!」
あれ、でも「初めてだと戸惑うことも多いでしょうから」って前にもここにきたことがあるのかな?
「前にもここにきたことがあるんですか?」
「ええ、そうですよ。過去に何度か、教会関係の仕事と、あとはプライベートで二、三度きています」
そのような会話を交わしながら門をくぐり、街に出て石レンガで整備された道を進んでいく。
今までにみたことないような大きな商会、様々な娯楽のある店、大きなサーカスの公演。
中には入ろうとしたら止められた「娼館」と呼ばれるものが立ち並ぶ区画もあった。
この街の中を探検している時、アレンは珍しく年相応には楽しんでいた。
日が暮れ始め往生に戻る道のを進んでいる途中不意に頭を撫でられた。
急にどうしたんだろう?
驚きハイフォンさんの方に振り返る。
ハイフォンさんは驚いたように自分の手を見つめながらこう続けた。
「すみませんね、つい今日のあなたをみていると年相応なところもあるんだなとおもい、それと…」
そこで言葉が区切れ、不思議に思い「それと…?」と聞き返しそうになったがそれよりも先にハイフォンが話し始めた。
「私に子供がいたらこれくらいだったのかなと、思いまして」
ハイフォンさんはみた限り二十代中盤から三十代前半といったところだ。
「すみません、急に変なことを話しましたね。さあ、早く帰りましょう」
そういってハイフォンさんが歩いていき、少し硬直した後にアレンも歩き出した。
〜絶望の地・魔王城にて〜
魔王城の最深部、魔王の座がありその場所には魔王本人、ラドブリン、そしてもう一人の三魔天が集まっていた。集まっていない最後の三魔天は今は重要な任務を担当していてこの会議に集まることができなかった。
ラドブリンが王座がある場所より一段低い場所に跪き、魔王が座に座り、その隣にもう一人の三魔天が若干面倒くさそうな顔をしながら立っている。
魔王が口を開いた。
「それで貴様は勇者を殺せなかったどころかその勇者から尻尾を巻いて逃げ帰ってきたというのか?」
別に魔王は攻めるような口調で言ったわけでもない。
ただ質問するように聞いただけだが、それでもラドブリンは脂汗を掻いた。
「は、はい…」
「そうか、貴様では殺せなかったか…」
そういい魔王は何を責めるわけでもなく普通に話を進めた。
「では貴様が行ってくれ、三魔天の一人、虚無のアーヌ?」
「はい、わかりました。魔王様」
やはり若干きだるげな声で返事をした後部屋を出ていく。
その時にラドブリンを蔑むような目で見ながら…。
その後ラドブリンは自らに与えられた部屋に帰っていた。
「許さん、許さんぞ勇者!必ずお前は我の手で葬ってくれよう!」
ラドブリンは常人なら当てられただけで死んでしまいそうなほどのさっきを体から発しながら言った…。
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