王都

第23話 王都へ

ガラガラガラガラ


あまり揺れないとは言えない馬車に乗りながら王都にいく。


中にはギルドマスター、領主、ハイフォン、アレンの四人が乗っていた。

中では約20分ほど沈黙が続いていた。


そこでアレンが空気を動かした。


「あの、僕はそちらの司祭さんと領主様は名前を知っているのですが、ギルドマスターさんの名前を知らないので親睦を深めるためにも一度自己紹介でもしてみませんか?」



「それもそうですね。私たちはほとんどが名前を知っていますけど、直接その人を知っているわけではないので自己紹介もしてみましょう」


そうハイフォンが言って自身の簡単な紹介を始めた。

「私はハイフォン。フルネームはハイフォン・リアステといいます。アラスではアラスにあるサリナ教会の管理を任されています」


ハイフォンさんはよく知っている。

サリナ教はサリナ神を最高神とし、豊穣や婚姻を司る神とされている。

別に排他的ではなく宗教戦争などもなかなか起こさない。

だが起きてしまうこともある。

その場合は大抵が相手からふっかけている。

アレン自身が信仰を捧げているわけではないが、その教会に住んでいれば何となくわかってくるものだ。


その後にもギルドマスター、アレン、領主の順番で自己紹介が続いていく。


「俺はダルグス・ガンドルってんだ。アラスではギルドマスターをやっている!よろしくな!」


元気そうな人だな。

たぶんそこそこつよいとおもう。


この人は魔獣たちとの戦いでラドブリンが来るまでは最前線で戦っていた人だ。

この人は『剣士ソード・ファイター』のギフトを持っている。

ギフトはこの世に一つしかないものではなく同じような効果があるものも多い。

中には同じものがたくさんあったりする。

剣士もその一つだ。

俗に戦闘職と呼ばれるようなものに就くことができるギフトは前衛系ならそれに必要な身体能力が上昇していたりする。


そのため、程度にもよるがギフトに覚醒さえしていれば今の馬車に撥ねられてもかすり傷程度しかつかない。


「僕はアレン・レスクロードです。よろしくお願いします」


「私はランドリブ・レド・グルリド・リナクだ。アラスの領主をやっている」


僕の教育係的な人が教えてくれたけどこの世界の貴族はその人自身の名前、国から授けられた家の名前みたいなもの、父親の名前、自身の管理する領土っていう感じになっているらしい。

けど自身の管理する領土っていうのは、自分の領土の名前が自分の名前になるんじゃなくて自分の名前が領土の名前になるらしい。

例えばこの街の名前自体はアラスと呼ばれているが何領かと言われるとリナク領になる。もしリナク領が何かに吸収されるなどが起こったら、今度は吸収した領主の領主名になるらしい。


「にしても、この馬車、襲われた時に大丈夫か? 」

ガンドルさんが言った。


「それに関しては大丈夫そうですよ。国の騎士さんが護衛として10人前後ついてくださっていますので」


『騎士団』

それは国の砦、この国は赤、緑、青の光の三原色の名を冠した3つの騎士団が存在する。この国は騎士団長も政治に参加しており、赤が戦争時など、緑が外交、青が国内に関すること。それぞれの役割を持つ。

今回護衛をしてくれているのは鎧の色に青が入っていることから『蒼穹騎士団ブルースカイナイツ』だと推測できた。



数日たち特に何も起こることなく無事に王都に着いた。


「すごい!」


街の景色を見てアレンが最初に出た言葉は「すごい!」だった。

アレンは今までの人生を辺境の村と王都からはそこそこ離れた街で過ごしてきた。

故に、色鮮やかな街、人々が行き来する風景、そのすべてが初めて見るものだった。


騎士団長が両手を広げながら言った。


「ようこそ、この国最大の都市にして王城がある街、首都クラリナスへ」


とても光り輝て見えたこの町での平穏もやはり長くは続かなかった。

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