会話文オンリー匿名企画

匿名会話オンリー企画

「ニャー、ニャニャ〜」

「まじか。こんな所に捨てられて。雨降ってるから段ボール箱ぐちゃぐちゃじゃん……」

「ニャァ〜〜ン」

「体も雨まみれだし風邪ひいちゃうな」

「ニャーン、ニャァン!」

「ぷ、何その喋り方に分かりやすい表情、かわい…………なぁ猫ちゃん。私の所に来ない?」

「…………ニャ!」

「その覚悟に満ち溢れた顔、オッケーって事?」

「ニャ!」

「よぉーし、それじゃあ君は私のペット第一号だ。ようこそ我が家へ〜」














「って事で。ペットオッケーの私んに連れてきたわけだが……まず何をしようか」

『────グゥ!』

「…………グゥ? 誰のだ?」

「…………ニャ」

「君か。つまりご飯が欲しいのかな?」

「(ウンウン)」

「その残像を生み出すスピードで動く頷き方、間違いないな。よし分かった。ペットフード買ってくるから君は待ってて!」

「ニャ〜〜ハ🎵」

「じゃ、行ってくるわ」




(……いまニャーハって、気のせいか)





「よし買ってきたぞ『ニャーハ』」

「ニャァ!?」

「ほーらこのビニール袋って、あ、ちょっと乗っからないで中身が漏れちゃうってアーーー!?」




「ほらこの青い丸の容器で食べなさい」

「ゴロゴロ」

「独特な食べ方するな君……それで味はどうかな。私なりにいい奴を選んだけどお気に召されたかな?」

「ニャ────?」

「お、どうした急に私を見つめて。もしかして私がつけた名前のニャーハ、気に入って──」





「いやぶっちゃけナンセンスですね」






「……シャベッターーーー!?!!?!」

「さっきうっかり呟いちゃったニャーハをそのまんま齧りとって名前にするとか、ちょいストレートすぎるというか」

「しゃ、喋ってる……メチャクチャ喋ってるって、いや君は一体何なの!?」

「あ、私は一般で言う『化け猫』です」

「な、なななな!? 白くて細い毛色してる上に、なんかキュートなブルーアイしてるくせに……」

「いやぁそんなに褒められても私無職だから何も……」

「声がおっさんすぎるんだよっ!! 何そのお酒に酔ってる感じのヘラヘラした感じの中途半端に高い声!?」

「妙に細かいですね」

「酒によってテンション高い感じの40代から50代の声がペラペラ出てきたら、これくらい突っ込みたくなるわっ!!」

「ガブガブガブガフあーおいしこれ」

「話きけぇ!?」









「それで満足げに腹膨らまして横にねこたわってる?」

「あ、その名前でいくんすねっ」

「とりあえず仮名だ。今は君について質問している。何で君は喋っているんだ? 化け猫と言ってたがそう言う種族なのか?」

「あ、違います。あれ雰囲気で言ったんですよ」

「雰囲気? じゃあ君は何だって言うの、まさかいきなり話せる様になったとか?」

「ああそうなんです。なんか急に人間語を話せる様になって」

「おいマジか」

「本当に訳わかんないんですけど、普通に猫やってたのに化け猫になっちゃったんです……」

「まてまて騙されんぞ、そんな出鱈目な筋書きなんて──」




「そしたら私、一人にされちゃって……」




「一人…………」

「はい。前のご主人様は、突然喋り出した私を気味悪がって、色々された上に追い出されたんです……」

「色々された……? ちょっと待って、外は暗くてわからなかったけど、君のそこ」

「……え、あぁこれはただ、ちょっと物ぶつけられて」

「いいから、少し見せて」

「あぁ……はい、私猫なのにドジなので、ちょっと転んじゃって」

(…………喋り方で気づかなかったけど、随分と出血してるじゃないか。それに今の言葉も嘘だ。これって刺し傷じゃん。木の枝とかじゃない。もっと深い傷の)

「……野生に戻ろうと思っても、そもそもペットショップに生まれた自分ですし、そもそも言葉も違うから仲間に入らなくて……あはは」

(…………………………)

「でもありがとうございます。ダンボールって地面よりは暖かいと聞いて寝てただけなので、私はこれで……」



「……ふーんつまりニャーハってひとりぼっちってことか」

「え、まぁはい。前のご主人に追い出されちゃいましたし」

「ならさ。私が新しいご主人になろっか?」

「…………え?」

「だから私が君の飼い主になろうかなって。実はだから寂しくてさ。君、私と同居しない?」

「で、でも私、人の言葉話す──」

「お金」

「へ?」

「ニャーハ君って妙に物事知ってるよね? ダンボールは暖かいとか。なら私の餌代とかも分かるでしょ?」

「えっと、つまり」

「寂しいからさ、お金の代金として私の心癒されてくれないニャーハ君。なんか一人ぼっちなのはこっちも気分良くないの。これ命令」

「命令って……」

「それでどうするの。私のペットになる? ならない?」

「……いいんですか」

「私の心を癒してくれるなら」

「……ならお願いします」

「オッケーニャーハ君。じゃあ君は私のペットという事でよろしくね?」

「あ、よろしくお願いします」












「ニャー!?!?」

「大人しくしててね〜」

(ニャーハ君、病院は苦手か……)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る