第17話

しかもよく考えて。わたしが食べたのって君のとこのごはんだからね?変なもの入ってたんならそれ君の家のごはんに入っているものだからね?ばれたらやばいのは君だよ?そこんとこわかっているのかどうなのか。



とりあえず口にはせずに話をどうぞと続きを促した。




「あー、でだ。なんだかんだで俺が知っていたのは噂の中の羽野で実物の羽野のことは知らなかったわけだ」



「そうなるね」



「つまり誤解してたっぽい。というわけで悪い」



「は?」




思わず間抜けな声が出たけど仕方ないと思う。



いや、なぜに謝った。しかもわたしに。誤解していたのは悟なんだから悟に謝るのが普通なんじゃないだろうか。わたしに謝られても困る。



まさかわたしに謝ることでうやむやにする気じゃないよね、とじとっとした目を浴びせれば「いや違ぇわ。そんな人として最低なことしないって」と言われたので一安心。よかったね、飯田くんの株は守られたよ。




「なるほどなぁ、現実はそういうわけだったか。しかもそれをずっとしているとなると…まぁあの睨みも当然か。知らないとはいえやっちまった感が半端ねぇな…」



「え、もしもし飯田くん?聞こえてます?いきなりぶつくさ言いだしてどうしたよ」




おーい、と呼びかけてみるものの聞こえていないみたい。どれだけ自分の世界に集中しているんだ。つねるぞこの野郎。

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