第12話 取り敢えずスタート

「さて、それじゃあ狩を始めようか」


ガッソーの元を訪れて一週間程たつ。先に町に帰ってヴェルネのレベル上げをしていた俺達の元に、工房の仕事を終わらせたガッソーとオーバーが合流した。


パーティーは5人がフルなのでメンバーは一人分歯抜け状態ではあるが、ラスト一人は候補がいないので暫くは保留である。まあレベルを上げて強ボス系を倒せばその名声に寄ってくる奴もいるだろうから、5人目はそれからでも遅くない。オーバーの【経験値ペナルティ無効】があるから、多少レベルが低い奴でも問題ないし。


「よ、宜しくお願いします」

「久しぶりだから勘を取り戻すまで少し時間がかかる」

「余裕を持ってやるんで大丈夫ですよ」


オーバーは冒険者初心者かつ低レベル。そしてガッソーは数十年のブランクあり。どちらも即座に戦力にとは流石にならない。が、そんな事は当然織り込み済みである。暫くは余裕をもってレベル上げを進めていく予定だ。


「ふふ。敵はメインアタッカーの私の“大”火力で蹴散らすから、二人は気軽にしてくれればいいわ」


ヴェルネは得意げだ。少し前まで金が無くてヒーヒーしてた頃の面影はない。まあ実際、資金面さえなんとかできれば符術師は優秀な方に分類されるからな。


「戦闘はまず俺がスティールでタゲを取るんで、そこから攻撃開始で」

「軽装のお前さんがタンクを務めるのか?」

「ええ。スティールするとナイト系じゃないとタゲは剥がせないんで。まあ回避には自信があるんで任せてください」


高レベルやボス相手の長期戦になってくると多少話は変わって来るが、低レベルの間は俺がメインタンカーで問題ない。というか、俺がとらなきゃ誰がとるって話である。マエストロは耐久力は高いが、ヘイトコントロールできないし符術師は論外。育ったオーバーなら辛うじて可能かもってレベルだが、彼は後衛として働いて貰う予定だしな。


「わかった。お手並み拝見と行こう」

「オーバーは味方に当たらない様、気を付けて弓を使ってくれ」


今のオーバーは糞雑魚ナメクジだ。村人な上にレベル15しかないのでほぼ攻撃は通らず、下手に近付いて攻撃に巻き込まれたら即死すらあり得る。なので彼の場合離れて見てるだけが最も無難なのだが、それだと戦闘経験が積めない。だから俺のお古の弓を彼には渡しておいた。これで後衛としての動きを覚えて貰う予定だ。


因みに、弓は勇者パーティーに所属していた時に使っていた物で、必中オプション付きだ。なので扱いなれていなくても攻撃自体は当たる。とは言え、必中なのは障害物が無かったらの場合のみ。仲間が射線入ると普通に当たってしまうので、ちゃんと状況を把握して打つ必要がある。


「が、がんばります」

「まあ最悪、当たっても今の君の攻撃力なら大したダメージにはならないから、そう緊張しなくてもいい」


最初っから完璧なんてのは無理だ。しばらくは、彼からのフレンドリーファイヤーを受ける事になるだろう。まあ攻撃力は低いので、当たってもどうって事ないから余裕だ。


「じゃ、行くぞ!」


狩スタート!

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ゲーム世界に転移した俺、勇者パーティーから追放されたのでハズレクラス共を集めて無双します~シーフは大器晩成のキーマンなんだよ!無能呼ばわりした挙句変な噂を流した奴らにそれを思い知らせてやる!~ まんじ @11922960

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