第29話

俺は世界ランキング1位になった。


「……やっと、ここまで来たか。」


未来創造フューチャーメイクを超え、

未来改変リライト・フューチャーを極め、

そして”世界創造クリエイト・ワールド”に辿り着いた。


「だが、これは終わりじゃない。」


カインが言っていた。


“お前が1位になったことで、世界の支配者たちが動き出す。”


「世界の支配者たち……?」


俺は剣を握りしめる。


次の戦いは、ランキングの枠を超えた戦いになる——。


【速報】風間凌、世界ランキング1位に!!


世界中のニュースが、俺の勝利を報じていた。


「ついに来たか……。」


俺の端末には、無数のメッセージが届いている。


【政府機関オラクル】

「風間凌、君と話がしたい。」


【世界財閥“イシュタル”】

「風間凌様、新たな提案がございます。」


【匿名】

「お前が1位になったことで、“彼ら”が動き始めた。」


「……彼ら?」


俺は少し眉をひそめる。


「世界ランキング1位になった瞬間、俺を取り込もうとしているのか?」


京が腕を組む。


「いや、違う。」

「お前を潰そうとしているんだ。」


「風間凌、お前は知るべきだ。」


カインが静かに言う。


「世界ランキングは、単なるゲームじゃない。」


「お前が1位になったことで、世界の“本当のルール”に触れることになる。」


「本当のルール……?」


「お前が1位になっても、世界は何も変わらない。」


カインの目が鋭く光る。


「なぜなら、この世界を支配しているのは、“影の連合アーク・シンジケート”だからだ。」


「影の連合……!?」


「世界政府、軍産複合体、大企業連合……すべてを裏で操る存在。」


「世界ランキング1位になった者は、彼らと取引をするか——消される。」


「……なるほどな。」


俺はゆっくりと息を吐く。


「だったら、俺が世界を変えてやる。」


その時——俺の端末に、新たなメッセージが届いた。


【影の連合・アーク・シンジケート】

「風間凌、お前に選択肢を与える。」

「我々に従い、新たな世界の“王”となるか。」

「それとも、反抗し——消されるか。」


「……は。」


「ふざけんな。」


俺は端末を握りつぶす。


「選択肢なんて必要ねぇよ。」


「俺は、お前らを倒して——この世界を創り変える!!」


その時——


『風間凌、10秒後に襲撃を受ける。』


「……!」


俺は剣を握る。


「来るぞ。」


空間が歪む。


次の瞬間——


——ドゴォォォォン!!!


「……っ!?」


目の前に、黒いローブの戦士たちが現れる。


「お前が風間凌か。」


「お前ら……。」


「我々は影の連合の処理部隊、“ナイトメアズ”。」


「お前が選択を拒んだ以上、ここで消えてもらう。」


「やれるもんなら、やってみろよ。」


俺は剣を構える。


「未来創造も、未来改変も、世界創造も……」


「全部使って、お前らを倒す!!」




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