第7話

「………ねぇ、悠」



「なに?」



「やっぱりちょっと待って………目、つぶってて。」






言われた通りに目を閉じると同時に、ジュッと首の方で音がなる。




続けざまにジュッ、ジュッと。チクチクと皮膚が痛みだす。






「いった………」




「………っ、ごめんなさ……」






唇を離した犯人は、途端に目を潤ませた。昨日の出来事が脳内にフラッシュバックする。






「いや!そうじゃなくて!別に嫌じゃないんだけど………」



「………ほんとに?」



「見えるところは、やめてほしいかな、って………」



「ごめん………俺ほんと、悠に迷惑ばっか………」



「大丈夫、かけてないよ。」



「うん、ごめん………」




良かった。大事には至らなさそうだ。




「………あと君のやり方、ちょっとえげつないっていうか、……」





狭い範囲を、皮膚が破けるんじゃないかっていうくらい噛んでから、痕をつけるこの人のやり方。



はっきり言って、結構痛い。痕の残り方も歴代の男たちと比べて段違いだ。

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