第24話 私は後藤先輩に追い詰められている
「朝日、あなたは月夜に依存しすぎないで……」
何を言っているのか、わからない……
わからないの、わからないの!
どうして、あなたにそんな事を言われないといけないの………私は目の前が暗くなる。
知っていた……自分が月夜に依存し、彼女の存在に近づこうとしていた事を………けど!
「あなたが、月夜を閉じ込めているのよ!」
もしかして、そういうことなのかもしれない。
「月夜を………」
別の道を彼女は求めているのかもしれない……けど、本当はどうなの……
私は苦悩する。
「彼女はあなたのせいで弱くなったのよ……あなたも前に進めない」
またも、彼女は私と月夜を切り離そうとする。
自分が試合に出たいから、最後の機会を奪われたくないからって……私だって、今もこれからも月夜のそばを離れたくないのに!
「 お願いだから、私たちを切り離さないで! 私の大事なものを奪わないで」
手を払いのけようと手をあげる。
その時見てしまった………後藤先輩の悲しそうで必死な視線に私たちを愛するように切なくて悲しくなった。
「私だって、大事な機会を奪われてるのあなたたち二人に……けど、それだけじゃないの……あなたたちのためでもあるのよ」
なにを言っているのか、全然わからない。
「後藤先輩……なにを知ってるの?」
私は息を細めて、問いかける。
静かに静かに後藤先輩の意図を探ろうとするかのように。
「あなたは知ってるはずよ………なんで、分からないの……月夜を閉じ込めてることを」
たしかに、私は月夜をだましてる……知ってる。
「私が月夜にウソをついてること……事を知ってるの?」
後藤先輩は首をふった。
えっ……違うのじゃあなに?
困惑する私に後藤先輩は甘やかさない。
「そう、ウソをついたの……そんな事を教えなくてよかったのに……そんなことしなくても………あなたたちは歪なのよ……」
私たちが女同士だから、そんなに、後藤先輩………ヒドイ! 許せない。
「女同士がおかしいとでもいうの!!」
そんなの関係ない私にとっても大事で、いつもそばにいる大事な人とそうなりたいと思うのがいけないことなの!
些細なことで、私達を切りはなすつもりな事に私は頭の筋がキレてしまう。
彼女は試合に出たいだけで、私達の関係をそんなことで傷つけてる。
「そんなこと関係ないでしょ!! ! 私には月夜が月夜がそばにいてほしいの 」
強くてかっこよくて真っ直ぐな月夜が私のそばにいてほしくて、だから私は後藤先輩の手を突きはなして、そこから駆けだした。
走る。後藤先輩がなにかを口に開こうとしてるのを私は全てを無視してこの場所から逃げ出してしまう。
私のウソは月夜を騙してる 七月七日(なつきネコ) @natukineko
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