42話

 そして翌朝。

 朝早くに出発する事になっていたので、部屋を早めに出たつもりだったが玄関には既にビリアスとミラーナ、そしてトーイが待っていた。


 「おはよう、皆。ちゃっちゃと治して、うちに帰って来れるように頑張るからね!」

 「おはよう。ラビル、その件だが……この書状を皇帝に渡してくれ」


 そう言って、ビリアスがシュデリウスの家門の証である印で封をされた手紙を渡された。この印が押されているという事は皇帝陛下でさえも無碍には出来ないという代物だ。


 「お兄ちゃん? これ、何が書いてあるの?」

 「呼ばれたのはラビルちゃん一人だけど、一人だと心配だから護衛として俺を同行させるようにって記した手紙だよ。これなら俺も登城が出来るからね」

 「あぁ、なるほど! ありがとう、お兄ちゃん。トーイ君もよろしくね!」

 「うん。ラビルちゃんは絶対に俺が守るよ」

 「トーイ君……」


 熱い目線で見つめ合う二人に、こほんとビリアスの咳払いに我に返って慌てて目を逸らす。

 そんな様子にミラーナが嬉しそうに笑う。


 「ふふ、もう私が出る幕はなさそうね。それじゃあ、トーイ。ラビルちゃんの事をお願いね」

 「もちろん。こっちは気にしないで、ミラーナは結婚式の準備頑張れよ。ビリアスといちゃつくのはその後でな」

 「な、何言うのよ、もう!」


 反撃だとばかりに逆にからかわれてしまい、顔を真っ赤にして怒るミラーナに皆が笑う。

 今度こそこの幸せを守る為にも、王城から無事に戻らなくてはいけない。

 

 「それじゃあ、行こうか。トーイ君」

 「そうだね。それじゃあ、行ってくるよ」

 

 荷物は既に馬車に乗せてあり、身軽なままで二人はドアを開けて外に出る。空は快晴で上がったばかりの陽の光が眩いほどだ。


 「二人とも、気をつけてね」

 「何かあったらすぐに知らせてくれ。飛んでいく」


 心配そうなミラーナと真顔で冗談か本気か分からない言葉を言う兄に苦笑いを返して、馬車に乗り込む。

 

 「じゃあ、行ってくるね!」


 ラビルのその言葉を合図に馬車は王城へ向けて走り出すのだった。



 ◇ ◇ ◇ ◇


 馬車に揺られて数時間後、やっと王城に到着した。

 登城は本来ならわたししか許されていなかったけど、兄が用意してくれた手紙が功を奏したようで特例としてトーイも一緒に入れる事になった。


 「ど、ドキドキした~! でもトーイ君も一緒に入れてよかった!」

 「そうだね。入れなかった時は見張りを片すしかないかなとビリアスと話してたけど、それをしないで済んでよかったよ」


 にっこりと優しい笑顔で恐ろしい事を言うトーイに、苦い表情を返す。普段、温厚そうに見える人物こそ怒ると何をするのか分からないものだなとミラーナの時といい、改めて実感するのだった。


 「こちらで王がお待ちです。どうぞ、中へ」


 兵士の一人に案内された王宮はどこもかしこも豪華な造りではあったが、足を止めた場所は今まで見た部屋のどのドアよりも豪華絢爛といった造形で圧倒されてしまう。


 「……俺が開けるよ。ラビルちゃんは後からついてきてね」

 「う、うん。分かった」


 ラビルが怖気付いたのを察したらしいトーイが代わりにドアノブに手を掛ける。


 (こういったさりげない優しさがトーイ君の好きな所なんだよね。はぁ~、カッコイイ……!!)


 内心で自分の事を想われているとも露知らず、トーイは緊張した面持ちで王の待つ部屋のドアを開ける。

 入ってすぐ視界に飛び込むのは、広い空間に少し先に並んで置かれた玉座に腰掛ける皇帝陛下と王太子であるコルディニアの姿だった。


 「ラビルちゃん! 会いに来てくれてありがとうございます!」


 ラビルの姿を見るなり、玉座から立ち上がってこちらへ駆けて来るコルディニアの前にトーイが立つ。


 「お久しぶりでございます、王太子殿下。お元気そうで何よりです」

 「あれ? 君はミラーナさんの弟さんだよね。どうして僕のラビルちゃんと一緒に居るの?」

 「僕”の”……?」


 コルディニアの発した言葉のある一部が気に食わなかったらしいトーイが、笑顔でありながら青筋を立てて復唱する。ラビルを挟んで目だけで火花を散らす二人に困惑していると、皇帝陛下が口を開く。


 「コルディニア、落ち着きなさい。まずは遠いところ、よく来たな。礼を述べよう」


 玉座に偉そうに座ったままの体勢で言っただけ感満載な感謝の言葉に違和感を抱きながらも、まぁ一国の王ともなればそんなものかと呆れながらも、いち国民としてひとまずラビルは頭を下げてその礼を受け入れる。

 品定めをするような視線に気まずさを感じ、気を逸らすようにすぐ本題に入る事にした。


 「は、はい。お心遣い、ありがとうございます。それで、その、怪我人はどちらにいらっしゃるのでしょうか? すぐに治癒術を掛けたいと思うのですが」


 突貫工事のようになってしまったが、昨夜ミラーナから治癒術の掛け方のコツを聞いてきたので何人の怪我人が居るかは分からないが、百人程度なら小休憩を挟みながら治癒が出来るはず。その為にもなるべく早く治癒をしに向かおうと声を上げたが、何故か皇帝陛下は首を横に振る。


 「その必要はない。その件は城にそなたを呼ぶ為の嘘だ。今、我が城に怪我人は居ない」

 「…………はい?」


 まさかの皇帝陛下から告げられた内容が衝撃的すぎて、呆気に取られているとトーイが不意に手を挙げる。


 「では僭越ながら。怪我人もおらず、ラビル嬢とももうお会いできましたよね。それではこれにて失礼させて頂きたく思います」

 「いやいや、それは困りますよ。彼女は僕の婚約者として、もう城に住んでもらおうと思っていたので。ね、父上?」


 コルディニアの言葉に皇帝陛下はあぁ、とだけ簡易的に答える。

 このままではまずい、その考えがラビルとトーイの頭に過ぎった時だった。


 「……死ね、コルディニア!」

 「…………え?」


 近くに控えていた兵士のうちの一人が剣の先をコルディニアに向けて直進してきた。

 

 「何者だ! 奴をすぐに捕らえよ!」


 皇帝の鋭い声が響くが、その言葉より先に剣先が人の体を貫通する。

 しかし、その相手は名を叫ばれた人物じゃない。わたしを押し退けてコルディニアの前に立ちはだかった人物ーートーイの体だ。

 目の前でくぐもった声を出して倒れるトーイの体をただ静かに眺める事しか出来なかった。

 頭が、心が、今、起きた全ての事柄を否定する。

 皇帝が何かを叫んで、犯行に及んだ兵士はすぐに捕らわれて外へと追い出されていく。恐らく、前にシュデリウス家に潜入していた組織のうちの誰かが潜入して命を狙っていたのだろうと、どこか冷静な頭が予想する。

 早く治さなきゃ、と頭では理解しているつもりだった。

 しかし、何も言葉を発さず、動きもしないトーイの顔が視界に入ると呼吸の仕方すら忘れて、息が苦しくなってくる。


 「ラビルちゃん、落ち着いて。大丈夫だから」


 いつの間にかトーイの近くに膝まづたまま、動けなくなってしまっていたわたしの方をぽんと軽くコルディニアに叩かれた。そして、コルディニアがそっとトーイに触れたその瞬間。

 以前、コルディニアを救った時と同じ眩い白い光が辺り一面を包み込んでいく。


 「な!? コルディニア、お前、治癒術が使えたのか!?」


 皇帝陛下の叫び声にラビルはハッと目を見開く。


 (コルディニアが治癒術を使える……? それなら、どうしてあの時……)


 言葉にせずとも視線で分かったのかもしれない、コルディニアは苦い表情を浮かべる。

 

 「隠していてごめんね、ラビルちゃん。僕はあの時、わざと治癒術を使わなかったんだ。もう、こうやって命を狙われるのも疲れていたんだ。……でも、君に命を救われた。君だけが生きる希望になったんだ」

 「コルディ……ごめん、私はトーイ君の事が、」


 しーと口に人差し指を当てられる。


 「……分かってたよ。負けるつもりはなかったんだけど、こんな庇われ方をしちゃったら諦めない訳にはいかないよね」


 残念だけどねと笑うコルディニアの七色の瞳はうっすらと水分を含んでいたけれど、それは見なかった事にした。それが今、ラビルに出来る唯一の配慮だと思ったから。


 「あ、あれ……俺、さっき刺されて倒れた、よな?」

 「トーイ君! よかった!!」


 むくりと起き上がったトーイの顔色は先ほどの出血が嘘のように、血色が戻っていた。その姿を見てラビルはガバッと勢いよく、トーイの腕の中へ飛び込む。


 「ら、ラビルちゃん!? ……ごめんね、心配掛けちゃったよね」

 「本当だよ! もう! トーイ君のバカ! 生きててよかった!!」


 伝えたい内容と心情がごちゃ混ぜになってしまい、支離滅裂な事を口走ってしまったがトーイは優しくわたしの頭を撫でて、その言葉を受け止めてくれた。


 「父上。彼は僕を命を賭して、守ってくださいました。そのお礼として、何か一つ褒美を与えてはいかがでしょうか?」

 「……何?」


 兵士に指示を出し終えて玉座に戻った矢先に、ラビルとトーイを隠すようにして立ったコルディニアが告げた言葉に皇帝が眉を寄せる。

 

 「しかし、お前は治癒術が使えるのだろう? それなら、その男が庇わなくとも傷を癒す事が出来ただろう」


 皇帝の返答は正しい。治癒術は自分自身にも使う事が出来る。例え、あの時にコルディニアが剣で貫かれていたとしても自分で治癒が出来たし、もしくはラビルが治せた。

 だから、褒美を与える必要などないだろうと続ける皇帝にはぁ、とコルディニアは深くため息を吐く。


 「うーん。この手はあまり使いたくなかったんだけど、これでもですか?」


 そう言ってコルディニアは自らの首筋にいつの間に手にしていたのか短剣を向ける。


 「な!? 何をしているのだ、やめなさい! コルディニア!」

 「いいえ、父上が褒美を認めるまでやめませんよ。あぁ、それとこの短剣は特別仕様なんです」

 「……何?」

 「これは亡き母が残してくれた遺品なんです。……治癒術の使い手として生きる人生が辛くなったら、これを使いなさいと。これで傷つけられた人間は治癒術で回復が出来ない、母の家に伝わる魔剣。そして……母の命を奪った物でもあります」


 コルディニアの発言に誰もが息を飲んだ。

 ラビルやトーイはもちろん、皇帝陛下でさえも言葉が出なかった。


 「……さぁ、父上。それでも僕の願いは聞いてもらえませんか?」

 「分かったから、もうよせ! ……あとは好きにしろ!」


 それだけ言って皇帝陛下は部屋を出て行ってしまった。


 「お、王太子殿下。俺は、」

 「君の願いは分かってるよ。僕とラビルちゃんの婚約解消、だよね?」


 立ち上がろうとしたが、傷の後遺症なのかふらつくトーイの肩を支えてコルディニアが立たせてやる。そして言葉を遮るようにして言われた内容に目を丸くする。


 「コルディ……あの、」

 「大丈夫、あとは僕に任せて。……この後すぐに婚約破棄の手紙をシュデリウス家に届けるから」


 ラビルの方に向き直って微笑むコルディニアの笑顔がとても優しい。でも、その美しい七色の瞳はどこか切なげで。また口を開き掛けて、そっと閉じる。今は何を言っても彼を傷つけてしまう、そう思ったからだ。


 「ありがとうございます、王太子殿下。……本当に、なんとお礼を言ったらいいのか……」

 「いいよ。それより、どうして君は僕を助けたの? 邪魔者の僕なんて死んだ方が良かったんじゃない?」


 コルディニアの問いに瞳を丸くして、それから首を傾げるトーイ。


 「人を助けるのに理由なんていりますか? それに、少しの傷ならラビルちゃんが治してくれると信じていたんです」


 寸分の迷いもなく、きっぱりと告げるトーイに今度はコルディニアが瞳を丸くした。それからすぐに大声で笑い始めた。


 「ははは! 恋敵を命賭けて守るバカなんて君くらいだよ! はー、笑った笑った。参ったなぁ、こんなお人好しバカ相手に勝てる気がしないよ」


 ひとしきり笑った後、ふぅと一息ついたコルディニアが兵士に命令する。


 「お客様がお帰りだから、玄関まで送ってあげて」

 「え。で、ですが」

 「いいから早く」

 「しょ、承知いたしました! こちらです!」


 戸惑う兵士だったが、強い圧には逆らえずすぐ踵を返してドアの方へ向かって歩き出す。


 「こ、コルディ。その、本当にありがとう、またね!」

 「王太子殿下、ありがとうございました!」

 「うん、またね」


 兵士の後に続いて二人の姿が見えなくなる。

 残っていた兵士数人も追い出してコルディニアは広い空間に一人だけになる。

 手元に残った短剣がきらりと光り輝く。

 幼い頃の記憶、母がこの短剣を握って言ったのだ。


 『治癒術は争いの火種にもなる。もし、それがあなたにとって辛いと思うのなら、この短剣で命を断ちなさい』


 そう言っていた母が、この短剣で命を落とした。表向きは心労からの病と言われていたが、実際は違う。

 コルディニアと母の親子の会話を盗み聞きしていた即妃の一人が母を刺殺したのだ。

 事態を知った皇帝陛下はその即妃をすぐに処刑した。しかし、その即妃には一人の子が居た。事件の詳細を知らないその即妃の子はコルディニアのせいだと彼を恨むようになった。

 それから何度も何度も暗殺を企ててきたのである。

 先日のシュデリウス家の件も、恐らく今回の件も即妃の子の仕業なのだろう。

 犯人の目処などずっと昔から分かりきっていた。でも、コルディニアは実の父親である皇帝陛下に言うどころか誰にも言わなかった。その理由はただ一つ。

 ラビルと出会って、彼女の一喜一憂に魅せられて、そして恋に落ちた。

 早く死にたいと思うだけの日々が、彼女にまた会いたいと恋焦がれる毎日に変化していった。

 彼女は不思議な存在だった。

 コルディニアよりも年下なのに、どこかお姉さんのような落ち着きや配慮が見え隠れしていた。四家門の息女でありながら庶民的な感覚を持っていたり、一緒に居るだけで楽しくて幸せだった。

 何も欲した事のない自分が、初めて欲しいと思った人だったのだ。どんな手を使っても手に入れたいと思うくらいに。でも、彼女が見つめていたのはコルディニアではなかった。

 彼女の選んだ人物は彼女と同じくらいのお人好しで、恋敵であるはずのコルディニアを庇って死にかけた。ラビルも治癒術が使えるが彼女は動揺のあまり、過呼吸に近い症状を起こしていたからきっと術が間に合わず彼は命を落としていただろう。

 あの時、見捨てれる事だって出来た。けれど、それは出来なかった。

 理由なんて簡単だ。


 (本当にバカだなのは僕の方だよな。……ラビルちゃんの笑顔を見たかったから彼を治したなんて、ね)


 自分に向けられていなくてもいい、ただラビルにはあの太陽のように明るい笑顔でいてほしかった。たった、それだけの理由でコルディニアは治癒術を使った。

 それが例え、ずっと父である皇帝に気付かれないように隠し続けてきた力であったとしても迷いはなかった。

 でも、これで良かったのだ。

 これでラビルはコルディニアとミラーナと同じように婚約は解消されて、本当の想い人である彼と結ばれる事が出来るのだから。だから、この痛みは静かに受け入れよう。


 「……大好きだったよ、ラビルちゃん」


 七色の瞳から、静かに涙が流れていった。



 ◇ ◇ ◇ ◇


 そうして王城を出たわたし達はすぐにその足でシュデリウス家へと帰宅した。

 あまりにも早い帰宅に二人は驚いていたけど、事情を話したらすごい喜んで今日はパーティーにしようなんて言う兄に皆で笑い合う。

 ちなみに念の為とミラーナがトーイの傷を確認したが、服には斬られた形跡があるものの傷跡は全くと言っていいほど残っておらず王太子はもしかしたら、私達以上の治癒術の使い手なのかもと零していた。真相は定かではないけど、ただ彼には感謝しかなかった。

 ミラーナに続いてラビルまでも婚約破棄をされてしまった以上、彼の王太子としての面子は丸潰れとも言えなくない。それでも彼はわたし達の願いを聞き入れてくれた。やはり、ラビルが最初に感じた通りコルディニアは心優しい一面がある。それは治癒術の使い手云々よりも王の器として、代え難いものであるはずだ。きっと国民を大事にしてくれる良き未来の皇帝陛下になってくれるだろう。

 ラビルがそう話せば、皆が頷いてくれた。

 今後はビリアスが頻繁に王城へ様子を見に行く事で暗殺を企てる組織を牽制する、と決めたようで一安心した。コルディニアは大の四家門の後継者オタクで、特にビリアスと会えるとなるときっと大喜びするに違いない。その姿が容易に想像出来てしまい、微笑ましくなる。


 「二人とも、今日は疲れたでしょう? ゆっくりお部屋で休んだ方がいいわ」


 ミラーナに言われて初めて、ラビルは立っているのもやっとのほど自分が疲労していたという事に気付く。

 トーイも同じだったようで傷は癒えたとはいえ、心労的な面での疲れが出たのだろう。顔色があまり良くはなかった。


 「確かに今日はさすがに、疲れたかも……」

 「そうだね、また詳しい話は明日にしようか」

 「あぁ。二人とも、本当にお疲れ。ゆっくり休んでくれ」


 ビリアスの言葉を皮切りに今日はお開きとなり、部屋に戻ろうとするとトーイが部屋まで送るよと言ってラビルの隣を歩く。


 「今日は本当に色々な事があったね」

 「だよねぇ……あ。というか、トーイ君! もう、あんな無茶は絶対にしないで! 私の心臓が止まるかと思ったんだからね!」

 「あはは、ごめんごめん。もうしないよ。あ、でも次はラビルちゃんに治してもらいたいからもう一回くらいはしたいなぁ」

 「ダメ! もう知らない!」

 「わっ! ごめん、冗談だって!」


 そんな軽口をしながら歩いていると、楽しい時間はあっという間で、すぐにわたしの部屋に着いてしまった。

 部屋に着いてドアを開けてしまったら、トーイとはお別れだ。お別れといっても部屋が違うだけで明日また会えるのにそれがなんだか、すごく寂しい。もう少し一緒にいたい、その気持ちを込めて目線を向ければばっちりと青の瞳と視線が重なった。


 「……ねぇ、ラビルちゃん。もう少しだけ、一緒に居たいって言ったらどうする?」

 「……もう。そんなの、もちろんいいよ、私もって言うに決まってるでしょ?」


 二人で静かに笑って、見つめて、距離を詰める。

 二度目の口付けは幸福で満たされていた。

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