読み始めた段階で、ラストのこのヴィジョンを予想できる人がいるでしょうか。
主人公の岡崎裕也は飼育当番の際にクラスで飼われていた金魚の一匹を死なせてしまう。すべて裕也が悪いと言うことになり、クラスから突き上げを食らうことに。
そんな裕也の窮地を見て、「とある救いの手」が差し伸べられるが……。
出だしは「イヤミス」のような陰鬱な学校生活が描かれるようなトーンで始まり、その後は「令嬢もの」のような、金色チックな雰囲気に素早く変転。
この段階だけでも、読者はかなり翻弄され、「この物語はどこに行きつくのか!?」と心を掴まれます。
前編のラストで裕也が出す「一つの答え」。そこでまた思わぬ展開に。
まるで、一個の水槽から別の水槽へ。そしてまた別の水の中へと、「金魚」が次々と居場所を変えていくがごとく、物語の登場人物たちも「自分のいる水槽(作品ジャンル)」を変えていくかのような趣きがあります。
そうやって水槽の形式がどんどん変わって行く本作。最後に辿り着く「水場」が一体どんなものになるのか。それは本作を手に取って、それぞれの目で見届けていただきたいです!