天使の解剖図

岸亜里沙

天使の解剖図

毛髪は絹糸よりも繊細で滑らか。一本一本が発光し、様々な色に発色が可能。

人間などとは違い、髪が伸びる事も無い。

眼球は銀色の球体に、エメラルドブルーの瞳。しかし視神経などとは繋がっておらず、義眼かかざかと思われる。

鼻は人間とさほど変わらず。嗅覚のみを司っていると考えられ、呼吸器としての意味合いは無さそうだ。

口は言葉を発する事はなく、常に口角を上げ、微笑んでいるような雰囲気を醸し出す。食事を摂る事も無いため、こちらはただ呼吸器としての役割だろうか。

舌は存在していない。

胴体は滑らかなピンク色の細胞で覆われており、人間の皮膚とは全く異なる感触。一番近いとすれば熱を放つタイルのような感じか。毛穴や汗腺も一切見当たらない。

生殖器など男女の性別を区別するものは無く、繁殖の方法は未だに不明。

手や足は存在し、人間と遜色無い構造だが、指は7本あり、ゴムのように柔軟。複雑な動きも出来るが、どのような物体でも捕獲可能だ。

天使の象徴である翼は、白鳥を思わせるような純白の羽根をまとっている。

翼をばたかせなくても、空中を浮游ふゆうしており、翼が無くても飛行は可能かと思われるが、天使は皆、翼を有しているのだ。

皮膚を切り裂き体内を調査して驚いたのだが、天使の体内を満たすのは、闇よりも深い漆黒で粘性のある液体。

それが頭から足先まで満たされている。内臓や神経も皆無。

この液体が何の意味を持つのか、現在秘密裏に調査をしている。


天使とは何者なのか。

もしかしたら一体の天使が消滅した後に生まれるのが、悪魔なのだろうか。

天使と悪魔は、表裏一体の存在なのかもしれない。

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天使の解剖図 岸亜里沙 @kishiarisa

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