ファンとして

 思わず息を呑むほどの大歓声と熱気はステージ脇から楽屋まで流れてきた。そろそろ出番かな。手に持った仕事道具のチークはいつもよりも生き生きと見える。私がステージに立つことは二度とない。それでも『月光』を支える存在として、彼女たちの前に立つことはできる。

 自分がメイクを施したるーあいは可愛さ五割増で輝いて見える。

「続きまして、期待の新星、『月光』の皆さんです、どうぞ!」

響く完成と光り出す客席。

「私と彼女らは何が違うってんだ。私もファンでありアイドル。一人の彼女と一緒にステージに立つアイドルなんだ。」

 私の第二の人生はどうやら成功したようだ。

 空いた窓から吹く夜風も今は寒くなかった。

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推しのトポロジー 白池 @Harushino

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