第13話

「折角 いいもんもってんだし

それ使って稼げって事


お前言ったよな?

俺の為なら何でもするって


あれ嘘だったわけ?」

「…嘘じゃないよ

私 ヨウの為なら…頑張る


頑張るけど… その…

変なお店とか

知らない人に触られるとか…出来ないから

だから 他の仕事…


今の倍くらい 働くから」


「チッ… 明後日までに

いつもの金額用意しとけ


それが出来ねぇなら…

お前とは終わりな」

「…ッツ なんとか する

だから…そんな事 言わないで」


「明後日 金 用意出来たら連絡して」

「ヨウ 一緒に帰ろう?」


「はっ? お前 金ねぇんだろ

一緒に帰るとか意味わかんねぇし」


女の掴んでいた腕を振りほどいた男が

こっちへ歩いてくる


通り過ぎた男は…


なんて言うか…微妙


見た目もスタイルも服装も全てが微妙



この男に貢ぐ意味が分からねぇ

一哉も通り過ぎた男を見て

不思議そうな顔をしてるから

きっと思った事は同じだろう


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