第12話

酔っ払いのしょうもない揉め事を

幾つか排除して


人も減りはじめたし

後の事は下の奴らに任せて

事務所へ戻る為

参道を抜けて 繁華街へ


ネオンが消され

人も疎らな繁華街


ふと目に付いたのは

路地裏で…揉めている男女


一哉も気付いたらしく

足を止め 少し離れた場所から様子見


「早く 金出せよ」

「お金なんて持ってないよ」


「稼いだ金は」

「稼いだ金って…

私の貰ったお金は殆ど全額

取り立てに来た人に持っていかれちゃったし」


「はっ?お前馬鹿じゃねぇの

取り立てに来た奴に全部渡すとか

有り得ねぇだろ」

「だって…少しでも多く渡さないと

利子がどんどん増えるって言うし…

それが払えないと…

ヨウの事 連れて行くって…」


「本当 使えねぇ女」

「…そんな 事 言わないで…

お金 用意する


どこかで 日払いの仕事して

お金用意するから」


「はっ? またしょうもない

昼職の日払い行くつもり?


そんなんだったらもっと稼げる仕事

俺が見つけるから そこ行って稼いでこいよ」

「…それって どんな仕事?」

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