設定 プロローグ

【リアン】

通称:白銀の令嬢

プロローグ終了時点の婚約破棄回数:4回

所属:上位令嬢会

特徴:ポニーテールの白銀の髪に白銀のドレス

 主人公。リオンが令嬢として振る舞う際の偽名。

 得意武器は剣であり腕前は、達人そのもの。かつて冒険の際に獲得した反りを持つ片刃の魔剣(日本刀に酷似)を得物としている。

 剣に、マナや、令嬢圧を込め、状況に応じた斬撃を扱うことが出来る。

 内気功の達人であり、あらゆる傷を瞬時に治すだけの能力を持つ。

 魔法の扱いは、そこまででもない。

 必殺技は、剣を鞘に収め、そこに自身の持てる力を全て込め、高速で抜き放つことで、あらゆるものを切断、破壊する、『万象を絶つ一閃(仮称)』。


令嬢奥義:不明

上位令嬢奥義:不明




【リオン】

本名:リオン=グレイアス=ルブレヒト

職業:冒険者(S級)

通称:白銀狼フェンリル

年齢:19歳 

 主人公。ルブレヒト公爵の三男。妾の息子。父親似ではない銀髪。女顔と女声がコンプレックス。12歳の時に家出。以降、公爵家の援助を受けず、冒険者として生計を立てる。本人の才能に加え、師匠と仲間に恵まれ、若干16歳で、冒険者の最高ランクの称号であるS級を獲得した。

 S級に昇格した後、とある事情により力を求める修羅と化し、その容赦ない戦い方で、数多くの魔物、賞金首を討伐した。対象をどこまでも容赦なく追いかけて、冷酷に始末することから『白銀狼フェンリル』の二つ名は、現在でも王国のならず者にとって恐怖の代名詞でもある。

 父親であるルブレヒト公爵の依頼により、異界都市に潜入し、王国からの逃亡者の抹殺と魔法構造物アーティファクトを回収する任務についた。なお、対令嬢抗体(公爵曰く)を打ったにも関わらず順調に令嬢化が進んでいる模様。

 令嬢としてのマナーを潜入する前にその身に叩き込んだため、男でありながら都市を徘徊する令嬢たちを誤魔化せるレベル。




【ニーナ】

本名:ニーナ=W=ニュースレター

通称:醜聞令嬢ゴシップガール

所属:上位令嬢会

婚約破棄回数:2回

特徴:腰まで届く灰色の髪に灰色のドレス

 主人公リアンの協力者。異界都市に潜入したリオンに最初に接触した令嬢。

上位令嬢会に所属し、都市内で発行されている情報誌の出版を統括している。

 都市の情報にも精通しており、リアンの活動において情報収集を担当している。

 醜聞令嬢の二つ名にふさわしく、ゴシップ好きであり、おしゃべりが好き。しかし最も好きなものは、本人曰く『秘密を守ること』。

リアン曰く、得体が知れない令嬢。何故かリアンに対し、非常に献身的であるのがよりリアンにとって不気味に思わせている。

令嬢奥義:不明

上位令嬢奥義:不明




【ルブレヒト公爵】

本名:テオドリック=アレクサンドル=ルブレヒト

職業:ファンダルク王国公爵位

リオンの父。冷徹な男。現国王とは、従兄弟の間柄。どうやってか、異界都市攻略に関わる技術を持ち、異界都市攻略による利益を独占しようとしている。




【ガルバック】

本名:ガルバニクス=バーケンロード

通称:ガルバック

職業:王国冒険者ギルド長

見た目は小太りの中年男性。かつては冒険者として名を馳せていたが、王国冒険者ギルド長に就任するにあたって、引退。事務方に転向した過去がある。

利に聡く、ギルドの利益のためなら、ギルド長権限で例外的活動を認める男。

基本、貴族などの権力者には従う性質だが、冒険者を無駄に死なせるような依頼を受けるようなことは決してしない。




【ムソウ】

本名:ムソウ=P=ゴウルダン。

通称:怪力令嬢ミスパワー

所属:なし

婚約破棄回数:1回

特徴:黄色の髪に黄色のドレス

 ファンダルク王国北西部に根城を構えていた山賊大首領ゴラスが、令嬢化した姿。

 かつては1万人の部下を従え、王国に覇を唱えた一大武装勢力の長であったが、国家主導の大規模掃討作戦により、組織は壊滅。本人は、異界都市デッドスペースシティに逃げ込む羽目となり、令嬢化した。

 元は地方の弱小貧乏男爵家の嫡男であったが、贅沢したさに山賊に転身。

 筋骨隆々の肉体から繰り出される圧倒的な戦闘力に加え、ならず者を引き付ける天恵のカリスマを武器に、周辺の山賊を次々と併合し、大山賊団を築き上げた。

 その才能は、単純な武力だけではなく、根回しや情報工作にも及び、周辺の貴族を抱き込むことで自身の組織を盤石なものとした。

 なお、部下からは、「話が分かる親分」として厚く慕われていたという。

 異界都市に逃亡し、令嬢化した後も、悪のカリスマは健在であり、ならず者令嬢たちをまとめ上げ、反社会組織めいた集団を形成。都市に確かな影響力を持つ存在に成りあがった。


 本来であれば、上位令嬢会入りを予定していたが、リアンに斃された。


 大規模掃討作戦の際、S級冒険者リオンに昼夜を問わずしつこく追いかけまわされた上に、腕利きの部下を次々に無惨に始末されたため、拭い去りがたい恐怖を植え付けられた。今でも夢に見るという。


令嬢奥義:金剛剛体アダマンボディ 

 令嬢圧を練り上げ、自身の体をさながらダイヤモンドの如く硬くする奥義。

 そのまま勢いをつけて体をどこかにぶつければ、破壊衝撃波を放つ金剛轟撃アダマンブレイザーに派生する。


上位令嬢奥義:超金剛轟圧撃スーパーアダマンプレッシャー

 金剛轟撃の威力を更に上げたムソウの最終奥義。




【ファンダルク王国】

物語の舞台。広大な大陸の北西内陸部に存在する国家。

王政。国土の大半が平原。自然豊か。目下の悩みは、異界都市デッドスペースシティの拡大。




異界都市デッドスペースシティ

異界種類:都市型 

所在地:ファンダルク王国首都より南西、旧アルナス領

攻略難易度:踏破不可能

 かつてアルナスの家名を持った侯爵が治めていた土地に発生した、異界ダンジョン

 異界ダンジョンで在りながら、都市としての機能を維持しており、中では文明的な都市活動が行われている。

 都市型の異界ダンジョンは、この世界においてそれなりに珍しくないものであるが、デッドスペースシティが唯一持つその最大の特徴は、その中にいる者を『令嬢化』させることである。

 都市内部は、魔物の代わりに令嬢が徘徊しており、侵入者を容赦なく、同胞にしようと襲い掛かってくる、と言われている。

 異界化した原因は、新型エネルギー炉の実験の失敗によるものとされているが、詳しい経緯は現状不明。

 近年、その範囲が拡大しており、王国を脅かしている。

 王国冒険者ギルドは、過去にあった手痛い失敗により、外縁部のみを活動可能範囲としており、都市内部に入る依頼は例え誰のものであったとしても受けないことにしている。




異界ダンジョン

 魔力異常空間の総称。

 自然界の魔力バランスが崩れることにより発生する。

 大抵が自然発生するものだが、例外として、強大な魔物の存在圧により発生したり、人為的に発生することもある。

 形態は、洞窟、多層構造の迷宮、森、海、山、都市、と様々。

 中には魔物がいたり、価値の高いお宝があったりするのは、皆さんご存じの通り。

 ダンジョン踏破(ダンジョンの発生原因を突き止め、異界化を消滅させることも含む)は、王国冒険者にとって最高の名誉である。




魔法構造物アーティファクト

 異界ダンジョンで出土する、魔力を持った構造物。特異な性質を持ち、現代技術で再現できないことが多い。何の役にも立たないガラクタから、秩序を破壊しかねない厄物まで様々。

 魔剣も、魔法構造物アーティファクトに分類される。




秩序破壊物バランスブレイカー

 魔法構造物アーティファクトの中でも、その名の通り、良い意味でも悪い意味でも現秩序を破壊しかねない効果を持った物品。

 大陸国家条約において、国家による管理が必須とされ、見つけた(効果が確認された)場合は、発見者には高額の報酬が支払われるのと引き換えに、国家に回収されることが法に定められている。

 ファンダルク王国の場合、隠蔽、密売買が露呈すれば、一族丸ごと極刑になる。 

 より年月を重ね、広大に成長した異界ダンジョンで出土することが多い。




【令嬢化現象】

 デッドスペースシティのみに発生する現象。

 都市に入った者は徐々に、都市内で死んだ者は即座に令嬢になる。

 都市の影響により令嬢となった者は、都市に依存するようになり、令嬢以外を見つけると同胞にしようとする。 

 令嬢が都市内で死んだ場合は、令嬢宝玉オーブになる。

 異界ダンジョンは魔物を産むが、デッドスペースシティは魔物が令嬢化した状態で発生する。




令嬢宝玉オーブ

 都市内で令嬢が死んだ場合、その場に残る宝玉。

 力を秘めている。

 非常に硬く、通常の方法では破壊できない。




【婚約破棄の儀式】

 異世界の力を得ることが出来るとされている儀式。

 まず、婚約者の悪役令嬢と呼ばれる令嬢と、その結婚相手の男、そして可愛さしか取り柄のない普通の令嬢を用意する。

 1、本来は悪役令嬢と男は婚約する予定である。婚約が書面で残っているとなお良い。

 2、だが、男の前に普通の可愛さしか取り柄のない令嬢が現れ、男が恋慕する。

 3、男は真実の愛を見つけたとして、悪役令嬢との婚約を観衆の前で破棄する。観衆は多ければ多いほど良い。

 4、悪役令嬢が婚約破棄を受諾する。

 以上のシナリオが滞りなく行われると、俗に悪役令嬢と呼ばれる令嬢に変異が起きる。

 発生する現象は主に、性格の永久的な改変、本来知りえないであろう異常技術・知識の獲得、令嬢圧の強化などである。

 異界知識、あるいは情報災害によって秩序を破壊する恐れがあるため、国際条約において大抵の国で禁止されている。しかし知識欲しさに秘密裏に実行する者が後を絶たない。

 儀式の結果、『悪役令嬢』は、暗い空間で、『何か』にむき出しの魂を触れられ、実時間をはるかに超えた長い時間、想像を絶する苦痛を味わう。

 また令息と、可愛さしか取り柄のない令嬢は、何故か「ざまあ」と叫んで爆発することがある。

 稀に意図せず、偶発的に発生する場合(痴情のもつれによる)があり、その場合、戒厳令が敷かれ、『悪役令嬢』とされた令嬢は要監視対象となる。

 なお、儀式の前後で性格が改変された令嬢は、その同一性が保証されないため、公式な書類では死亡扱いになる。




上位令嬢会インナーサークル

 上位令嬢の集まり。

 入会条件は、2回以上の婚約破棄を経ること。

 上位令嬢は、都市における支配者階級であり、同時に各個人が強大な力を備えた暴力装置でもある。上位令嬢同士が抗争をすると、大抵、周辺に大規模な被害が出る。

長は扇で顔を隠しているためその正体は不明。ドレスが紫色であるため、『紫のかた』と呼ばれている。

 



【魔剣】

 魔力を帯びた剣のことを指す。帯びた魔力により、様々な効果を発揮することがあり、その所持は、強者が強者である条件の一つである。手っ取り早く強くなるために、これを血眼で探す者もいる。

 なお、リアンの持つ剣は、鞘も含め、非常に頑丈であること以外に特に効果はない。




【内気功】

 この世界の人が生まれながらに持っている、身体内部のエネルギーの循環。その循環経路を意識集中により操作することで、身体を強化したり、回復、解毒などが行える。達人になると、回復や解毒が一瞬で行える。




魔力マナ

 この世界の大気に満ちているエネルギー。それをどれだけ認識出来るか、どれだけうまく操作が出来るかによって扱える魔法の種類、精度が変わり、その度合いを『マナ感応』と呼ぶ。人それぞれ生まれながらにしてその度合いが大きく異なり、感応の値が高いほど、優秀な魔法使いとなれる。

 基本、魔法は念じるだけで効果を発揮できるが、より精密に操作したいときは詠唱を用いる。

 マナ感応は魔力異常空間である異界ダンジョンでは、基本的に下がる傾向にあり、通常空間では行使できる魔法も、異界ダンジョン内ではできなくなることもある。

 魔法ごとに要求されるマナ感応の値が違っており、その要求値を上回れば安全に行使が可能である。

 人それぞれ得意な魔法が異なっており、系統が違うと、例え要求されるマナ感応値が同じだったとしても、行使出来たり出来なかったりする。

 得意な魔法を決める要素は第一に血筋、次に教育、最後に努力によるものである。




【令嬢圧】

 この世界の一般的な女性は、女子力と言う物理的な力を持つ。それは、それを持たない男性に比べ、戦闘において圧倒的なアドバンテージを持つ。 

 その女子力をより束ね、強化圧縮したものを令嬢圧と呼ぶ。この世界の令嬢とされる者は皆、戦闘の達人であるが、それは基本的に秘密にされている。

 そんな令嬢と普通に戦える男も、当然存在する。リオンやゴラスもそのカテゴリである。




【力の混合】

 この世界における戦闘での重要な要素は、技術・経験を除外すると、魔剣、魔力マナ、内気功、そして令嬢圧(女子力)である。

 それらを組み合わせるほど、強大な力を発揮できる。しかしそれは、並の才能ではできない。右手と左手で別々の文章をタイピングしながら、頭で別のことを考えるようなものだ。

 

 それらの内2つを組み合わせられるものは、強者と言われている。魔剣を用いれば比較的容易に可能である。

 3つを組み合わせられる者は伝説に残る偉業を成す者と言われている。

 4つになると、最早、神話に語られる者と言われている。





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