えぴそーど 2

厳重に設置された檻が見え始める。

黒い世界に、黒い檻。


中に入ると、二重で柵が設けられていて、

あの謎の生物が何匹も重なり合って蠢いていた。


「ここは食糧庫、腹が減ったら食えばいいよ。」

「...これ、たべるの?」


アダンが手に持っていたものを指差すと、

その謎の生物を柵の中に投げ入れた。


僕は柵の中を覗き込んで、その生物を見る。


よくよく観察すると、歪な形の手や脚を、

身体から生やしている生物も居た。


僕と同じ、ノウから生まれたのに。

歪な形なだけで食料になってしまうらしい。


 「まぁ、俺たちも似たようなもんだけどな...。」

「え?なに?」


僕が聞き返しても、アダンは答えなかった。


「いやぁぁあああ!!やめてぇっ!!」


その時、突然聞こえてきた悲鳴に、

僕は吃驚して身体を震わせる。


1人の女の子が、大きな何かに襲われていた。


「あぁ、今日はアルマが捕まったのか。」

「アダンの...ともだち...?」


ギラリと光る金属質の何かが彼女の身体を抑えて、

上から伸びてきた得体の知れない黒い物に劈かれていた。


「アダン...あれ...なに...?」


不安に駆られた僕はアダンに問い掛けてみる。


「...あれは、カイキ。」

「カイキ...?」

「時々、この世界にやってきて...眼球を抉っていくんだ...。」

「がんきゅー...。」


また、言葉の意味がわからなくて首を傾げると、

アダンの人差し指が僕の瞳に軽く触れた。


「い、いたいよ...っ」

「ルイは、取られないように気をつけろよ。」


ぐちゅりと嫌な音がして、アルマの眼が1つ抉られた。


僕たちはカイキが居なくなるまで、

その場でアルマを眺めて立ち尽くしていた。

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Tu es les yeux d'un jouet... シノイロ。 @Shinoir_o

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