第3話

「はっ!ここは!?」


起きると俺は見知らぬ殺風景な部屋の毛布の上にいた。あたりを見回すと、白衣を着た真面目そうな青年がいた。


「やっと起きたようだね。ここは前線から少し離れた野戦病院だ。君は肩に矢を食

らって気絶し、護衛の兵士に連れられてここへ来た。ほれ、食事だ。」


青年は黒いパンの切れ端を差し出した。


「悪いね。こんなものしか用意できなくて。今前線は食糧不足なんだ。医者が言うのもなんだが、病人に分け与えることのできる食料なんてほとんどないんだ。」


「いえいえ、こんな物でもありがたいです。ところで、あなたは誰なんですか?」


「私か?私はドミニク・ナイチンゲール。この野戦病院の院長だ。」


そこまで聞いたところで、俺はあることに気が付いた。


「ドミニクさん、俺は肩に矢を食らったといっていましたが、穴どころか傷もないんですが、なぜなんですか?」


「決まっているじゃないか、魔法だよ。これでも、軍ではかなりの腕利きと言われてるんだよ。」


また魔法かと思った。つくづく現代技術では太刀打ちできない。


「さて、君はこれからどうするつもりだ?」


「とりあえず内地に戻って、王様にこれからの方針を伝えるつもりです。」


「そうか、それでは今後は会う機会はなさそうだな。君の健闘を祈る。」


「こちらこそ、けがを治していただいて、ありがとうございました。」


俺はそういうとドミニクに軽く会釈をして、野戦病院を後にしたのであった。

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