アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの

 目を開けたらそこは、木でできた大きな部屋だった。

 酒の匂いがただよい、パーティーの勧誘かんゆうやクエストの張り紙がそこらかしこに見える。

 ここはおそらく、ギルドなのだろう。


「お待ちしておりました。ここにスキル名と名前を記入してください」


 転生して早々、受付嬢らしき人物からそう言われた。

 ここはそのまま従おう。


「書きました」


「え? これで合ってますか?」


 驚かれた。

 ギルドでは、真偽しんぎは確かめられないものなのか。


「合ってます」


「では読み上げます。『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助様でよろしいでしょうか?」


「間違いありません」


 「では、これで登録しておきます。今からあなた様の頭上に名前とスキルを表示させておきましょう」


 ピコン、と音がした。

 確かに見えづらいけど、表示されているようだ。


「あなたにはそれが見えないけど……」


「これはあくまで転生者様のみの識別しきべつとなっております。女神から最初に何のスキルを貰ったのか、それを確かめるためのものです」


 なるほどな。彼女は転生者ではないし、転生者は俺の他にもいると。


「そういえば今はパーティーの勧誘ってあるんですか?」


「それなら、今丁度Sランクパーティーが探しています」


「ならそこにします」


 十分後――


「『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助、お前はクビだ」


「何でですか!?」


 驚いては見たものの、これで計画通りだ。

 これで俺のスキル『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の条件が満たせて、大幅おおはばパワーアップできる。


「呼びにくいんだよ『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助なんて。なんか弱そうだし、ほらしっしっ」


 うん、ちゃんと『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の効果も出て、追放時にステータスも上がっているな。

 この調子で次のパーティーにいってみよう!


「『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助、てめぇはクビだ」


 ――これで三回目。

 かなり強くなってきたはずだ。

 そしてどうやら、この世界では名前とスキル名を必ず同時に言う風習があるようだ。

 今のところ、全員が俺のことを『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助と呼んでいる。

 それが、追放のしやすさに拍車はくしゃをかけているようだ。

 まぁ、今のところそこまで気にすることでもないし、またパーティーでも探すか?

 それとも、そろそろ魔王のところに行ってしまうか……

 おや、これは……?


「『詠唱破棄』の詠子、お前はクビだ」


「え? なんで……?」


 どうやら、俺の他にもパーティーを追放されている人物もいるようだ。

 そこにいた気弱そうな少女のスキルは『詠唱破棄』と呼ばれていた。

 『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』でスキルを確認することもできるが、とりあえず様子を見てみよう。


「お前は『詠唱破棄』の癖に魔法を出すのが遅すぎるんだよ。チンタラしやがって。お前が魔法を出す頃にはもう倒しちゃってんの。だからもうクビだ」


「そんなぁ……」


 『詠唱破棄』で魔法を出すのが遅い?

 いくらおどおどしていても、そんなことがあるのか?

 俺はスキル『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』で彼女のスキルを確認する。

 ――これは!?


「なら、俺と一緒に来てみないか? 『詠唱破棄』の詠子」


「あなたは、『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助さん?」


 俺は、パーティーを追放されたばかりの詠子を呼んでみた。

 俺のスキルをちゃんと見てくれたようだ。


「これから俺は、魔王を倒しにいくつもりだ。まだどの転生者もどんなチートスキルでも倒したことが無い、そんなうわさをされている魔王を」


「そんな、危険ですよ! それに、あなたのスキルだってそんな強そうじゃないですし。『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助さん」


 『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』による隠蔽いんぺいい効果が無駄にかかってしまっている。

 パーティーを追放されるのは楽だが、仲間を増やすのは少し手こずりそうだ。


「じゃあ、いつ抜けてもいいから、俺の無謀むぼうな旅に付き合ってくれよ。俺のスキル『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の前なら、お前の『詠唱破棄』の方が輝くだろうし」


 自分でも何を言ってるのか分からなくなってきた。

 そもそも、『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の中に『詠唱破棄』も含まれているのだから、普通に考えるとただの下位互換になる。

 


「だったら、よろしくお願いします。『チートチート賢者に剣聖アイテムボックス剣術アーツ、格闘アーツ、射撃アーツ、食う寝る無効にスキル無効、詠唱破棄に無限生成解雇解雇解雇の節穴眼、鑑定眼のスキルコピーの超サモナーの超救命』の超助さん」


 そして俺と詠子の、魔王を倒す旅が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る