第2話:スパイスの神隠し!? 夜の森で事件解決!

 ◆ 消失するスパイス…鍵を握るのは夜の森?


 スパイスが突然消えてしまう――

 そんな不可解な現象に挑むべく、シオンは"ルナリーフ"に泊まり込むことにした。


「それでは、シオンさん。こちらが寝室です。」


「わぁ、快適そう! やっぱりダークエルフって、センスいいよね!」


 セリオンが案内した部屋は、森の香りがする落ち着いた空間だった。

 ダークウッドの家具と、優しい灯りが照らす心地よい室内。


「お気に召していただけたようで、何よりです。でも……今日は眠れないかもしれませんよ?」


「むしろワクワクしてるよ! スパイスが消える瞬間をこの目で見られるかもしれないし!」


 シオンは腕を組みながら、じっとスパイス棚を見つめる。"消える" という現象が起こるなら、そこには何かしらの法則があるはずだ。

 セリオンはカウンターの奥で紅茶を淹れながら、ふっと小さく息を吐いた。


「正直、今夜も消えるのかと思うと、少し怖いですね……。」


「大丈夫! 私がしっかり見張ってるから!」


 シオンは自信満々に親指を立てる。


「……ありがとうございます。」


 セリオンはその様子を見て、少し安心したように微笑んだ。



 ◆ 深夜の監視…スパイス消失の瞬間を見届けろ!


 そして、夜。シオンとセリオンはカウンターに並んで座り、スパイス棚をじっと監視していた。

 静寂に包まれる店内。壁に掛けられたランプの灯りが、ゆらゆらと揺れる。 ――その時だった。


「……っ!」


 シオンの魔力感知が反応する。

 スパイス棚の周囲の空気が、ふわりと揺らめいた。

 次の瞬間―― "スパイスが、スッと消えた"。


「消えた!!」


「やはり……!」


 セリオンの表情が硬くなる。シオンはすぐに立ち上がり、魔力を集中させた。


「魔法探知――発動!」


 手のひらから青白い魔法陣が広がり、空間を照らす。

 すると、消えたスパイスのあった場所には―― 淡い光を放つ、小さな花びらのような魔力の残滓が漂っていた。


「……これは……?」


「魔法痕跡ですね。」


 セリオンもシオンの横に立ち、真剣な表情で見つめる。


「この魔力……たぶん、植物系の魔力 だね。」


 シオンは光る花びらをそっと掴み、指で擦る。

 すると、わずかに冷たい感触がした。


「うーん……この魔力、どこかで感じたことがある気がするんだけど……。」


「もしかすると……店の庭にあるハーブが関係しているかもしれません。」


 セリオンがふと思い出したように言う。


「ハーブ?」


「ええ。このカフェでは、料理に使うハーブを庭で育てているのですが……最近、見たことのない植物が生えてきていたんです。」


「えっ!? それ、もっと早く言ってよ!」


 シオンは慌てて立ち上がり、庭へと向かった。



 ◆ 事件のカギは庭に!? 青白い花の正体とは!


 夜の庭はひんやりとしていて、月明かりが幻想的に照らしていた。その隅に、ひときわ目立つ植物があった。青白い光を放つ、幻想的な花。


「……あれが、その見たことのない植物?」


「はい。ちょうどスパイスが消え始めた時期に、ここに突然生えてきました。」


 シオンはその植物に近づき、じっと観察する。


「この花……魔力を放ってるね。」


 指でそっと触れると、花びらが淡く光る。


「たぶん、"月光を浴びると、周囲のものを不可視状態にする" っていう特性があるんじゃないかな。」


「不可視……つまり、スパイスは消えたのではなく、"見えなくなっていた" ということですか?」


 セリオンが目を見開く。


「うん、たぶんね!」


 シオンはにやりと笑うと、さっそく魔法を発動させた。


「魔法探知・解除――!」


 青い魔法陣が広がると、庭全体に波紋のような魔力が広がっていく。

 すると――


「おお……!」


 店内のスパイス棚の元の場所にスパイスの瓶が姿を現した。


「見えなくなっていたスパイスが、戻った……!」


 セリオンは目を輝かせながら、スパイスの瓶を手に取った。


「ちゃんと無事ですね……ほんとうに良かった……!!」


「やったね! これでスパイス料理が作れるよ!」


 シオンはガッツポーズをして、満足げに笑った。

 セリオンも、心から安心したように微笑む。


「シオンさん、本当にありがとうございました。」


「へへっ、まぁね! さぁ、スパイスが戻ったなら――美味しい料理を作ってもらおうかな!」


「ふふ……お礼に、腕を振るわせていただきますね。」


 こうして、ルナリーフの**"スパイス消失事件"**は無事解決した。

 しかし―― これで終わりではなかった。なぜなら、このスパイスたちはただの調味料ではない。

 セリオンが丹精込めて作り上げた、"究極のスパイス"なのだから――。



◆ 次回、ルナリーフの絶品スパイス料理が誕生!?へ続く


 

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