サラ VS 佐世(背後霊)
説明しよう!
未来を知るという佐世に訳も分からず『死んで』と言われた俺。
そして佐世が神様に与えられた能力とやらで、テクノのビートでブレイクされてしまいそうになった瞬間、サラとニャン太郎が現れて……
現れて……
「きゃあぁぁぁーーー!!」
気が付いたら佐世の背後から出ていたどす黒いモヤモヤがいきなりボンしてたぁぁぁーーー!!
「ふぅ…… やれやれ、ってやつね」
「お嬢ちゃん、ナイスだ」
えっ? サラとニャン太郎はさっき現れて、しかも俺の背後にいたのに…… 気付けば俺と佐世の間に立っていて、何故か佐世が倒れながら苦しそうにしている!!
何が一体どうなったの?
「み、見えなかった…… ちょっとあなた! いきなり攻撃してくるなんて卑怯よ…… って、D組の吉ヶ江さんがどうしてここに?」
「ふふふっ、私とカイトくんの平穏な暮らしを邪魔する者は…… ボン! するよ!」
いや、『するよ!』とか言ってるけど、もうボンしちゃってるから……
「何が起こったの!? ありのまま話しなさいよ!」
「えっ? 私が時間を止めて、ニャン太郎ちゃんがボンしただけだよ?」
「お嬢ちゃん、それじゃあありのまま過ぎるぜ?」
「ね、猫が喋ってるぅぅぅー! しかもモフモフで可愛いぃぃぃー!!」
そうだよなぁ、猫が喋ったら誰だって驚くよなぁ…… ニャン太郎はモフモフで可愛いよなぁ……
俺もよく分からないが、佐世も訳分からな過ぎたせいか、意識がニャン太郎に持っていかれちゃってるよ!
「ふっ……」
ニャン太郎! 今、笑って誤魔化したな? 可愛いって言われて照れているのか?
「尻軽…… じゃなくて佐世さんだっけ? 今、カイトくんに危害を加えようとしていたよね? 許さないから」
「あ、あんたに関係ないでしょ!? 私は城ノ内のせいで人生が滅茶苦茶になったの! 城ノ内が私を唆して浮気なんてさせるから、それが原因で……」
「あの同窓会で『高校生の時、城ノ内の事好きだったんだよねー』って、先に話しかけたのはあなたよね?」
「そ、それは……」
確かに言われた! そしていけそうだなと、ちょっと容姿を褒めたら…… ひぃっ!!
「カイトくん?」
笑顔だが目が笑ってない!! それに浮気したのは俺もだった…… ごめんなさい……
「で、でもそのせいで当時付き合っていた結婚間近な彼氏にバレて振られて……」
「違うよね? カイトくんと浮気した後にその背徳感が忘れられなくなって、その後に会社の新人くんに『結婚するまで私が手取り足取り指導してあげる』って、夜の指導をしていたのがバレたせいじゃないの?」
「うっ! …………」
えっ? マジかよ…… 俺も人の事をとやかく言える立場ではないが…… 浮気がバレたのは俺のせいじゃないだろ。
「でも! 元はといえば城ノ内のせいで…… その後就職が決まらずに夜の仕事を……」
「それも違うよね? 会社をクビになって、やけ酒するために飲み歩いていた時に偶然ホストクラブに行って、それからホストにハマっちゃって、お金が無くなったから大人のマッサージ屋さんで働き始めたんだよね? 全部自分のせいじゃない! 浮気したのは許せないけど、何でもかんでもカイトくんのせいにしないでよ!」
サラ…… ごめんなさい…… って、俺じゃなくて佐世に言っているのか。
「カイトくんも反省しなさい!」
は、はいぃぃぃ……
「う、うるさいうるさいうるさい!! 私は彼が誰よりも好きだったの! そんな私をおかしくした原因は全て城ノ内! 最後は誰にも相手にされなくなって、最期は胸が苦しくなって部屋で一人で…… でも『神様』に人生をやり直せるって言われたから、私は過去の私に取り憑いて……」
取り憑く? もしかしてタイムリープとかじゃなくて、佐世の背後に感じた黒いモヤモヤの正体が未来の佐世なのか?
「私の邪魔をするなら…… 吉ヶ江さん、あなたも死…… きゃあぁぁぁっ!!」
ボン!! と音がしたと思ったら、佐世と向かい合っていたはずのサラとニャン太郎が、今度は佐世の右側の方に瞬間移動していた!
「痛いっ! 吉ヶ江さん、い、一体何をしたの!? くっ…… 『テクノビー……』 おほぉわぁぁぁぁっ!!」
またボンした!! って、今度は左側に移動して、もはや決めポーズのようになっている独特な立ち方をしている!
「ひ、卑怯だと言ってるじゃない! 見えない攻撃なんてズルいわ! 正々堂々戦いなさいよ!」
「正々堂々って、バトル漫画とか特撮じゃないんだから…… 私はさっさと仕事を片付けて、カイトくんのお家に遊びに行かなきゃいけないんだから! 今日はお義母様とカイトくんが好きなプリン作りをする予定なの!」
えっ!? 今日のおやつはプリンなの!? マジかよ! 母さんのプリンなんて…… 食べたら懐かしさで泣いてしまいそうだ! こうしちゃいられない! 早く帰らないと!!
「プリンごときのために、こんな卑怯な手を使う…… ぎゃっ! ちょっといきなり攻撃するの止めな…… ぐひっ! タ、タイム! 痛い! 痛いからボンするの止めて!!」
「この力…… お嬢ちゃん間違いない、コイツに能力を与えた神は…… 女神様の言っていた……」
「じゃあ遠慮はいらないね…… あと佐世さん? 最後に言っておきたい事があるんだけど…… あなた、逆恨みでカイトくんを苦しめるより、もっとする事があったんじゃない?」
「えっ? そんな事…… 元凶である城ノ内さえ処せれば私は……」
「はぁ…… せっかく過去の…… まだ裏切り行為をしていない自分が目の前にいるのに…… 私だったらあなたの能力を使って、浮気しようだなんて二度と考えないように、毎晩枕元に立って寝ている過去の自分に未来での失敗を延々と囁いて、浮気心をブレイクするけどね」
未来の自分が毎晩枕元に? 未来の自分が枕元に立っていたら、間違いなくおねしょする勢いでビビるな。
「そんな事したって私は救われないじゃない!」
「うん、そうだね…… やってしまった未来は変えられない…… でもだからといって過去の自分を同じ未来に進ませたい?」
「そ、それは……」
「あなた自身はもう…… 死んでいるの」
おっ、何かツボ押し名人みたいなセリフだな。
「カイトくん!」
はい、黙ってます……
「そんなの…… 分かってるわよ!! でも…… でも……」
「みんな大小あるけれど色々失敗して、後悔して生きているわ…… それこそ取り返しの付かない失敗をした人だって…… でも、今のあなたにはそんな人達をほんの少しでも良い方向へと導いてあげる事の出来る力があるんだから…… 更に不幸にしようとしたりしないで、幸せになれるようにと力を使ってあげた方が…… 結果的にあなた自身の心も少しは救われると私は思うなぁ……」
「…………」
「人の不幸で得る幸せなんて…… 更に自分を不幸にするだけ…… だから…… ねっ? カイトくんに危害を加えようとするのは止めて、自分を救ってあげて?」
サラ……
「私…… 私は…… うぅぅっ……」
さっきまで大きく膨れ上がっていたどす黒いモヤモヤが…… どんどん小さくなっていく。
そしてモヤモヤは佐世の背後に隠れるくらいに……
「お嬢ちゃん!! 時間を止めろ!!」
「ニャ、ニャン太郎ちゃん!?」
「いいから早く!!」
「分か…… あっ!!」
背後に隠れる寸前、黒いモヤモヤは突然爆発して…… 消えてしまった……
「チッ! 気付くのが遅れた…… 俺達が手を打つ前に『ザーマ』がこのメス猫背後霊に与えた力を回収していきやがった……」
「そんな…… じゃあ……」
「ああ、ザーマがどこにいるのか手がかりを得るチャンスだったが…… 失敗だ」
あぁぁっ! 佐世がいきなり力が抜けたように倒れてしまったぞ!?
慌てて駆け寄った俺は、気を失って倒れている佐世を起こそうとして……
ふにょん……
むむっ? この柔らかい感触は…… しまった、佐世プリン(推定C)に指が少し触れてしまった…… えっ!? ちょっと待て! この感じ…… ティンをポロンしていないのに、ティンが光っている!
あっ……
…………
ぎゃあぁぁぁ! ぱおぉぉぉーーーん!!
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