次回、カイトのティンがボン!
うぅっ…… うぅぅっ……
泥水で口を洗うほどではないが、あり得ないくらい濃厚な再会のキッスをされた俺は、あまりの衝撃にその場にへたり込んでしまった。
「ふふっ、カイトくんとキスをするのも…… 思えば久しぶりだったね」
刺されるまでサラと一緒には住んでいたが、俺は別の女の所を転々と遊び歩いていたからな…… キスすらしばらくしていなかった。
「これからは今までの分を上書きするくらい…… いっぱいしようね? ふふっ、ふふふっ……」
こ、恐いんだよ、その笑い方!
どちらかというとサラは大人しくて、お淑やかに笑うタイプだったのに!
「ふざけるな! 誰が俺を刺すようなやつと一緒にいたいと思うんだよ! 俺はもうサラと関わるつもりはない! もう二度と俺に近付くんじゃ…… うぎゃっ!!」
ぐぁぁっ!! …………えっ?
一瞬、俺の立派で自慢の息子(当社比)を叩かれたような衝撃があったんだが…… サラは同じ場所から一歩も動いていない。
「痛っ…… 今の…… 何だったんだ?」
「ふふふっ…… 別に今までのように別の女の所に行っても構わないよ? でも…… 最後には私の所へ必ず帰って来ると思うけどね」
はっ? サラみたいな危ない女の所に誰が帰るか!
「絶対に戻って来るよ…… ふふふっ…… 泣いて私に縋るカイトくんの姿が目に浮かぶわ……」
恐っ! こんなヤババな女だと知っていたら手を出したり長年同棲したりしなかったわ!
「じゃあ…… またね、カイトくん」
そう言って、サラは俺に向かって微笑んだ後、学校とは反対の方へと歩いて去っていった。
誰が泣いて縋るって? バカな事を言え!
そりゃあ俺はイケメンでもないし、平凡よりは下の見た目だが…… 女性の扱いには慣れているんだ! 今まで遊び歩いて経験したあれこれを使えば女子高生が相手なら…… ハーレムだって夢ではない!!
あぁ、とりあえず手っ取り早く若さで有り余っている欲を解消するために誰か引っ掛けるか……
とりあえず学校に行って……
「あっ、城ノ内じゃん! おはよー!」
んっ? コイツはクラスメイトの……
「早く行かないと遅刻しちゃうよ?」
佐世といえば、確か高校卒業してから八年くらい経った時に開かれた同窓会で……
…………
『実は高校生の時、城ノ内が好きだったんだよねー』
『早く! 早くイかないと…… チコクしちゃうぅぅぅー!!』
…………
そうだ、同窓会で突然『昔好きだった』とカミングアウトされて、酒の勢いもあってつい…… ワンナイトフェスティバルをパンパンしたんだった。
連絡先も交換していなかったし、あれっきりだったが…… これは丁度良いかもな。
「おっ、佐世、おはよう! 今日の髪型可愛いな!」
「ふぇっ!? きゅ、急にどうしたのよ!」
「いや、いつも見てるけど、特に今日は可愛いと思ってさ、もしかして少し前髪切った?」
「や、やだぁ…… 何で髪を切ってもらったのが分かったの?」
「そりゃあ…… 分かるよ、佐世の事だもん」
「じょ、城ノ内……」
チョロっ! ちょっと容姿を褒めたらホテルに付いてくるような女だから、適当に褒めていれば大丈夫だと思ったが…… 思っていた以上にチョロかった。
こりゃあ…… イケるな。
「なあ、今日暇? 駅前にオープンしたカフェが気になってたんだけど、男一人で行くのも恥ずかしいから、もし良かったら一緒に行かない? 奢るからさ」
「えっ…… あたしもそこずっと行きたかったの、もしかして…… 知ってて誘ってくれたの?」
「はははっ、やっぱりそうか」
うほっ! マジかよ…… 適当に言ったんだけどラッキー!
「じゃあ放課後、一緒に行こう!」
「う、うん……」
さて…… その前にどこかで息子の被り物を買って行かないとな…… はぁ、チョロ……
……んっ? 誰かに見られているような気がするが、周りには誰もいない。
気のせいか……
そして放課後……
…………
ぎゃあぁぁぁぁぁぁーーーーー!!
…………
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁーーーーー!! ティンが! タマが! 爆発したぁぁぁーーー!! …………って、あ、あれ?」
放課後、佐世とカフェに行き、その後佐世の家に行って、佐世に俺の息子をヨシヨシしてもらおうとポロンとしたら…… ティンがボンと爆発した!! 比喩表現とかじゃなくて、マジで『ボンッ!!』と爆発音が聞こえて、俺の身体まで爆発したんだぁぁぁーーー!!
「ふふふっ……」
そして意識が戻って目を開けたら…… 佐世の家ではなく俺の実家近くの公園にいて、しかも目の前には佐世じゃなくてサラが立っていた。
「もう! 『タイムリープ』した初日に私じゃない女の子に手を出そうとするなんて、カイトくん…… めっ! だよ? ふふふっ」
「何だよこれ! どういう事だよ!」
ティンがボンしたのもビックリだが、サラが目の前にいる事と…… 『タイムリープ』という言葉が凄く気になった。
「私達はね、最初からすべてやり直すためにここへと戻ってきたの…… 神様の力を借りてね」
はっ? 神様? そんなものいるわけないだろ……
「信じられないかもしれない、でも本当にいるんだよ、そして神様は私に凄い力まで授けてくれたの、ありがとう神様!」
空に向かって何やら感謝しているサラ、するとサラは片手に持っていた、奇妙なお面を俺に見せてきた。
「そして私は神様に頂いたこのお面の力によって、普通の人間ではあり得ない力を手に入れたの、だから…… 私もう、普通の人間ではないのよぉ! カイトくぅぅぅん!!」
何か人外にでも変身してしまいそうな勢いでお面の紹介をしているけど…… それって『ひょっとこ』のお面だよね? どじょうすくいでもするんか?
「神様に失礼だよ!? ひょっとこはひょっとこでも、神聖なひょっとこのお面なんだから! だって、あんな神々しくてこの世の者とは思えないくらいの超美人な神様が授けてくれたんだよ? それに…… そんな超美人な神様だって、初めて見た時、豪華なベッドの上で旦那さんのをひょっとこみたいな顔で…… あばばばばーっ!!」
な、何の話だ!? しかもサラが最後まで言い切る前に、まるで雷にでも打たれたようにビリビリと痺れ始めたんだが……
「お嬢ちゃん、神様の悪口は…… NOだぜ」
えっ? 低くて渋い声が聞こえてきた…… 近くに誰か他にいるのか!?
するとサラの背後から白い影が現れて……
あ、あれは!!
「カイト、我が弟よ、久しぶりだな……」
サラの背中から背後霊のように現れ、俺を『弟』と呼んだソレの正体は……
「お前…… 『ニャン太郎』か!?」
俺が小学五年生の頃からずっと我が家で飼っていて、俺が二十五歳の時に死んでしまったペットの猫、ニャン太郎だった。
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