第8話 プーチン大統領にノーベル平和賞を
小中コラム
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井山裕太7冠や藤井聡太8冠の活躍で、囲碁や将棋を始めた小学生は多いと思う。囲碁は、初心のうちは陣地を囲うより相手の石をとる方が面白い。プロでもハンマーパンチを振るって、相手の石を根こそぎとってしまう棋士がいるくらいだから、基本的に石を取りきることは快感なのだろう。上手になってくると石を相手に取らすことによって、陣地を囲ったり石の運びを有利にしたりする。いわゆる捨て石作戦だ。
将棋ではみんなが好きな駒は飛車だろう。プロは飛車でも角でも同じように使いこなすが、やはり飛車が好きな人が多いらしい。飛車が成った一間竜の手筋でさえ、受けるのは困難だが、二枚飛車となると、「二丁飛車に追われる夢を見た」という格言があるくらい強力な攻めとなる。そんな大事な竜でさえ相手にただで上げることがある。竜の押し売りという。
プーチン大統領にノーベル平和賞を与えるというスウェーデンからの申し出は、正に捨て石作戦や竜の押し売りに相違ない。
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第1節
ノーベル平和賞はプーチン大統領へのレッドへリングでもあり、ロシアへのプロパガンダでもある。プロパガンダの国ロシアに正義はなく、政治を司るものと、新興財団と軍部の欲得だけが行動原理になっている。
ロシア国民が信任して本当にプーチン大統領に80%の支持率があるのかどうかは定かではないが、このウクライナ侵攻状況下で、ノーベル平和賞の候補と報じればロシア国内は疑心暗鬼に陥るだろう。
もちろん夢物語ではあるが、プーチン大統領の行動次第では、その可能性がないとは言い切れない。
プーチン大統領が、ノーベル平和賞を受賞する夢物語を書いていこう。
まず、ウクライナ侵攻特別軍事作戦は、プーチン大統領の失敗ではなくウクライナを見下した下院議会の失敗だ。
議会によって選出されたプーチン大統領は、議会を無視してまで権力を行使することができなかった。一度は、預かりという形を作ったものの議会の決議を飲まざるを得なかったのだ。
自分が完全な独裁者とみられないように通常は非公開である国家安全保障委員会を公開するという茶番を演じた。さすがに長年外交に携わってきたラブロフ外相は、これはまずいと感じて口ごもって自分の意見を言えなかったくらいだ。
ほかの委員は決断を迫られた一人を除いてプーチン大統領に忖度して議会の決議案を承認すると言った。プーチン大統領は、議会からの法案という言質を取っている。
あくまで自分は承認したという形を作った。これは今までの慣例を破った結構ずるいやり方だ。また、ロシアを改革する伏線を作ったとも見える。
ウクライナが折れればそれはそれでよい。ロシアが何百年間も行ってきた力による国境線の変更だ。ウクライナの保安機関、防衛機関の要職に就く人間には工作資金が、ばら撒かれている。
兵器、兵士の数も、ウクライナを圧倒している。緒戦で、各地の軍事施設に大打撃を与え、キーウ近郊の飛行場を精鋭部隊で占拠、後続部隊を送り込みキーウを包囲、コメディアン上がりの大統領が、国民を見捨てて逃亡すればそれで終わりだ。
特別軍事作戦は、決行された。最初の3日間はプーチン大統領も楽観的であったろう。だが、ウクライナが抵抗して、ロシア軍の進攻を食い止めたことで西欧諸国の認識が変化した。2週間後にはプーチン大統領も戦争になったと認識したが、あくまで国民とは関係のない特別軍事作戦と言い繕った。
第2節
ソ連時代東ドイツを支配下に置いていたことは将棋でいえば西側の陣営に「5三のと金」を置いたようなものだった。
西側ににらみを利かせていたのだが、ベルリンの壁が崩壊して「と金」は取り除かれ、東欧諸国すべてが西側の陣営に寝返ったのは、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵がすべて取られた状態だ。
玉将ロシアを守るのは、飛車であるウクライナと角行ベラルーシのみとなってしまった。その飛車も西欧に取られようとしている。
ロシアが、スラブ民族の一体化を主張してウクライナを取られないように国際法を犯しても必死になって動くのは当然の流れだが、歴史の大波に逆らうことはできない。ソ連のため一生を捧げてきたプーチン大統領は、一連の流れを一瞬で理解したことであろう。
ベルリンの壁が壊されて、ソ連が崩壊したとき国家の資産を買い叩き、脱税、横領を繰り返しオリガルヒたちは巨大化していった。そのオリガルヒが、政治家たちに賄賂をばらまき政治を操ってきた。
国家財政は破綻し国民の貯金は消えた。大統領になったプーチン氏は、オリガルヒを集めて脅し、エネルギー資産の半分以上を国家に集中させてロシアを再建した。
ロシアは豊かになったが、侵略体質は変わらなかった。オリガルヒの立ち位置を変えることはできたが、議員たちの考え方を変えることはできなかった。
それなら議員たちの意向にそって話を進めようと決断したのだ。ウクライナ侵攻は議員たちが決めた政≪まつりごと≫なのだ。
この戦争は、プーチンの失敗ではなく下院議会の失敗だ。ロシアは国連憲章に悉く違反してきた。ロシアの政権が4州の守備隊の崩壊を発表するまで戦争は続く。大勢挽回のめどが無くなる迄続く。議会は前線の惨状を国民に知らせないようにスマートフォンの戦場での使用を禁止。兵士は情報を共有できなくなっている。さらに戦況は悪化するだろう。
ウクライナ侵攻によって、資産をもっているオリガルヒたちは、国外に脱出した。議論するしか能のない腐った議員たちは国内に留まっている。ロシア国内での自浄作用は期待できない。外力による変更しか方法はないのだ。
欧米諸国が、ウクライナに付いた今となっては、勝利は望めない。ロシアに一目置いて、中立を保ってきたスウェーデン、フィンランドもNATOに加盟した。
プーチン大統領も勝てる見込みがあるなら慌てて国定教科書をつくる必要はなかっただろう。一縷の望みは「ディール」を唱える人だけだが、NATOは、ウクライナが不利なままでの決着には反対するであろう。
議員たちの考え方を変えるには、大日本帝国が、敗戦で神の国から国民の国になり、軍部の権力が、消滅したように、西郷隆盛が旧士族を滅亡させて日本を近代化したように、敗戦によって議員たちを排除するしか方法はないのだ。同時に議員たちによって選出された大統領は、ロシアのために戦う見せかけの姿勢も保たなければならない。
ウクライナ4州を併合して退路は断った。勝敗が決するまで戦うことになる。しかし、勝って国境をNATO と隣接するようになれば軋轢が増大するだけだ。負け方が大事になる。継戦能力が無くなる迄負けなければ、プーチン大統領を引きずりおらした勢力が核を使った戦争に突入するかもしれない。
ロシア兵60万人から70万人くらいの死傷者が出るまで戦いは続くだろうとこの文書を書き始めた時には思ったが、2024年、9月には、ロシアの死傷者は64万8千人にまでなった。
動員した兵士の数は132万人でその半数近くが戦死傷者になっている。
2025年、初めには、兵士の数を150万人にするとプーチン大統領は、発言したが、兵士の扱いがあまりにも消耗品扱いだ。兵士をロシアから消滅させようとしているとしか思えない。兵士不足を補うために北朝鮮兵を前線に送ったが、北朝鮮兵士の扱い方でプーチン大統領が、何を考えているかわかるだろう。
2024年11月27日までにロシアの戦死傷者は、73万5000人を超えたと発表された。今年中にロシア軍が10万人の戦死傷者を出すと戦況はウクライナに傾くと言われているが、ウクライナも50万人位の戦死傷者が出ているので先はまだ不透明だ。
ロシアに勝つチャンスはいくらでもあった。バフムトでプリゴジン氏が突破口を開いたとき後方にはロシアの精鋭戦車部隊が控えていたが、進軍しなかった。ショイグ国防相は、プーチン大統領に進軍を止められていたとしか思えない。
国内向けにキーウへのミサイル攻撃で大戦果を挙げているように報道されているが、貴重なミサイルを戦闘能力のない市民へ無駄打ちしている。
ただでさえ劣勢なウクライナ軍へ集中してミサイル攻撃すれば、ウクライナ軍の戦闘能力は激減する。
西欧を牽制するために超音速ミサイル「オレシュニク」をウクライナへ打ち込んだが、コントロールが不十分だったのか、戦果は負傷者2名だった。コスパが悪すぎる。目標を正確に捉えていたとしたらプーチン大統領の意図が見えてくる。実験が成功したので、量産を続けると会見で発表したが、居並ぶ将軍たちの顔色に、戦況を好転できるといった希望や高揚感は見られなかった。
むしろまだ続けるのかという今後の不安感を漂わせていた。
3重の守りを固めている4州を奪還するには、攻め手は3倍以上の兵力を必要とする。兵力の少ないウクライナ軍に、4州を奪い返す能力はない。均衡を保つのが精いっぱいである。国境線は長いから4州以外の所から攻め込むのが上策である。それによって4州の均衡は崩れ、守りを固めた陣地からロシア軍が出てくることになる。
多少劣勢でも3倍までの兵力はいらなくなる。地理に明るいウクライナ軍が、ウクライナの桶狭間ともいうべき場所へロシア軍を誘導すれば勝機があるかもしれない。
それでなくとも日本軍の万歳攻撃のようにロシア兵は人的損耗を覚悟のうえで突進してきているのであるから、守りを固めたところを攻めるより、戦果は上がるだろう。穴熊の玉を攻略するのは困難だが、穴から出てきた玉を攻める方がはるかに詰めやすいのだ。
ロシアの議員たちは、戦場の酷さを国民に知られないように前線でのスマートフォンの使用を禁止した。現代の通信手段である機器の使用停止は戦闘員同士の情報交換を失くしている。長い前線すべてに有線で電話網を敷くことはできない。本当に戦争に勝つ気があるとは思えない。数々のロシア軍の戦闘における齟齬はプーチン大統領が勝利を求めていないように映る。
太陽が沈まない国、スペインが、大英帝国に叩きのめされたようにロシアもウクライナに叩きのめされる日が来ることもあろう。
西欧は、お家騒動のように東スラブ民族内の跡目争いとの位置づけでウクライナを応援するのがよいだろう。プーチン大統領は、NATOと対決する気はないと言っている。ウクライナを支配下に置き、モルドバ国内の沿ドニエストル共和国まで領土を繋げようとしているのは議員たちなのだ。そこまで侵攻すればNATO との全面対決は避けられなくなる。
戦争になった今でも、ウクライナのロシア国内への攻撃をテロ行為と決めつけて国民をプロパガンダ下に置いている。ロシア西部クルスク州へのウクライナの越境攻撃に対してプーチン政権は「テロ」とだけ主張している。ウクライナを国として認めず国内の造反集団の扱いだ。
もちろん問題を大きく扱わないことで国民の動揺や政権の信頼性の低下を防ぎたいという配慮もある。ロシア大統領府は国会議員らに戦闘についての「緘口令」を敷いたが、同時にこの問題に対して妙な動き出ししないように国会議員らの行動を制限したとも見える。
ロシア人の平均寿命を考えるとプーチン大統領は、20年は持たない。ロシアが負けた場合は、ゴルバチョフ元ソ連大統領が、願ったペレストロイカとグラスノスチを国民のために実現させようと思っているのかもしれない。
敗戦国になることでロシアのシステムが変わる。ロシアをこんな国にしたのはオリガルヒたちとその賄賂で私腹を肥やした議員たちなのだ。立場上オリガルヒと違って議員たちを処分することはできない。古い考え方を除去するには、古い考え方をする議員たちを一掃する必要がある。
大日本帝国が敗戦によって軍部の人間が一掃されたように、西郷隆盛の挙兵によって武士が一掃されたように、外部の力がなければ変えられないことなのだ。プーチン大統領は、一切放下することで一切却来を果たすつもりなのかもしれない。
殻を破って鳥は飛び立つ。硬い殻を破ってこそロシアは不死鳥のように力強く未来に羽ばたいていくのだ。世の変化についていけない国は滅び去るだけなのだ。
プーチン大統領は、ロシア有利で片付いたはずの外交という武器を封印して、服従しないのなら戦えと強硬な姿勢を取り続けている。これでは決着をつけるしかない。
戦争はだれでも嫌だ。だが、武力で自由と国土を奪おうとする者には戦うしか方法がない。
思想や自由を弾圧、威圧、圧殺するものに対しては戦いでしか自由を勝ち取れないのだ。それをウクライナにプーチン大統領は,強いているのだ。
24年、5月23日付、21日ロシア国防省南部軍管区で戦術核兵器の準備と使用を想定した演習の第一段階を始めた。相手国に常に責任転嫁するロシアの態度は受け入れられない。身に覚えのない責任転嫁に非難の声を挙げればお決まりの文句内政干渉だと馬鹿の一つ覚えの反応が返ってくるだけだ。
24年、5月下旬には、欧米が提供した兵器でロシア領内の軍事基地を攻撃することが容認された。時期が遅かったと思えるような判断だ。ウクライナの自衛権を全く無視している。
日本でさえ、本土が攻撃されたとき敵基地攻撃を容認しているというのに。もちろん反対している人もいるが、迎撃ミサイルだけでは、侵攻当初のウクライナのような状況になるだろう。
第3節
24年6月7日、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムでプーチン大統領は、現時点で核兵器の使用は必要ないと答えた。犠牲が際限なく増える可能性がある。裏には、放射性物質がロシアに流れ込んでくるという危惧もある。
北朝鮮に弾薬の提供をお願いしているのにもかかわらず、弾薬の生産量や通常装備の能力はウクライナを上回っているとの見解を示した。最終的な勝利のために核の使用は必要ないと述べたが、これは国内向けのメッセージだろう。何しろ国内には核先制攻撃を唱える政治学者がいるくらいだから、強硬派の暴走を食い止めるためには核使用の選択肢を提示しておく必要がある。
プーチン大統領は、欧米からウクライナ側に「戦場でロシアを打ち負かし、戦略的敗北をもたらせという命令が下った」と主張しているが、欧米側は、「その通りだ」とプーチン大統領の妄想に話を合わせる時期に差し掛かっているのかもしれない。
各国がウクライナと安全保障協定を署名している。ロシアは、過去にウクライナの安全を保障する協定に署名したのに時間が経つと反故にする習性がある。
ウクライナ侵攻は、世界を変革させる好機なのだ。
グローバルサウス(G77)は、西側の覇権の犠牲者であり、世界の統治から外されてきた。ロシアが核を使用すれば、潰れるのはロシアとG7だけであり、生き残っていればプーチン大統領は、世界中から非難されるであろう。
ほかの国は汚染された地球を喜ばないだろうが、G8を自業自得と憐れんでくれるかもしれない。まさか、ロシアが中国に核を打ち込むことはないだろうから世界の覇権を握るのは中国となる。
第4節
最近ロシアの資源に頼っている国への資源の輸出制限をすると脅しをかけてきたが、濃縮ウランが輸出停止になれば、アメリカの原子炉発電所の24%が機能しなくなる。(ロシア製濃縮ウランに頼ることは安全保障上問題として3年経過後は、購入しないと言われている)アメリカ製武器をウクライナから撤去させて戦争を終わらせるかウクライナへ武器を大量に供与して早く戦争を終わらせるか二者択一を迫ることになる。
核を持っていないのにもかかわらず、安全保障上イラク一国を潰したアメリカだ。エネルギー危機が訪れ企業の国内生産も低下するとなると本気でロシアを潰しにかかるだろう。
プーチン大統領もウクライナへ打ち込んだミサイルにロシア製の製品が使われていないという状況でよく強気に出られるものだ。武器すら西側に依存しているというのに。
アメリカが長距離ミサイルを供給してロシアの兵站路を壊滅させれば、戦争の継続は困難になる。早く決着をつけてくれとプーチン大統領は願っているのに米国は躊躇し続けている。
ウクライナに戦う兵士が一人でもいればロシアが使用した武器と同等のものを供与すると表明すれば核を使用することへのハードルは高くなる。
核をNATOにいきなり打ち込むことは考えられない。ロシアがヨーロッパの一員に戻るには負けて仲間になるしか道はないのだから。
ロシアの選択肢は多数あり、最終的にプーチン大統領が、どれを選ぶかによって未来は変わってくる。汚職と腐敗にまみれたロシアをホワイトウォッシュできるのはウクライナだけであり、民主主義を願う国はウクライナにすべてをかけても良いくらいなのだ。
プーチン大統領は、西側製の高精度長距離兵器の使用は、ウクライナの持っていない衛星からの情報データを使って初めて可能となる。また、NATO諸国の軍人しか、これらのミサイルシステムに飛行任務を入力できない。それが重要な点だ。したがって、これらの兵器でロシアを攻撃することはNATOが、ウクライナ侵攻に参戦したとみなすと述べた。
北朝鮮やイランは外貨を稼ぐためにロシアに武器、弾薬、ミサイルを供給しているが、ウクライナ侵攻に参戦しているとはみなされていない。
西側がウクライナの求めに応じてこれらの情報やシステム、ノウハウなど、外貨を稼ぐために売却したとしたら、参戦したことにならないのではないか。ロシアは詭弁というかもしれないが、最も詭弁を言っているのが当のロシアなのだ。
そしてウクライナに対する膨大なツケはロシアが支払うことになる。ロシアは、戦争をいつでも終息させることができる。それをしないのは負けるまで兄弟げんかは続けるという意思の表れなのだ。
プーチン大統領の言う通り、NATOが参戦しては、紛争の本質を変える。ロシアが他国の武器を購入するように、ウクライナにも武器とシステムをロシアの付けで購入してもらうしかない。
プーチン大統領が、ノーベル平和賞を受賞するための絶対条件は、核を使用せずにロシアの無条件降伏を受け入れることだ。
数の十分でない貴重なミサイルを相手の兵力をそぐことに使わず、戦闘に直接関係のない都市部へのインフラ攻撃は、賠償金の額を上げるためとしか思われない。
前例に倣って大日本帝国が無条件降伏したときの45%の領土の割譲をウクライナは要求するべきだ。その代わり戦争指導者の罪は一切問わない。
ロシアは、ロシアの正義の基準で戦っているのであって、ウクライナの正義の基準とかみ合わないだけなのである。多くの民主主義国家にとっては迷惑な話だが、古い価値観が変わっていないロシアを説得することは無理な話だ。
力を信奉するロシアの考え方を変えるには負けてもらうしかないのだ。プーチン大統領もそれを十二分にわかっている。兵力、武器ウクライナの2倍の戦力を持ち勝てない戦争ではないのである。
2024年、8月6日、ウクライナはロシア領に越境攻撃、ロシア西部クルスク州へのウクライナ軍の進攻もプーチン大統領はテロ行為だとだけ発言し報復を示唆するも実際の反撃は実効を伴っていない。
発言のほとんどが大本営のような発言である。
ロシア大統領府は、国会議員らにクルスクでの戦闘についての発言を控えるように「緘口令」を敷いた。
2024年9月17日、英国防省は、ロシアが動員した132万人の兵士のうち、戦死傷者は、61万人(死者約20万人)に達したと発表した。2024年の年末には18万人動員して、総動員数を150万人にまでする予定であるが、国民が参加しない特別軍事作戦では、そろそろ限界に達するとみてよいだろう。ウクライナ軍の戦死傷者は約40万人でロシアより少ないが苦戦は相変わらずだ。
「グローバルサウス」は、怒っている。紛争はアフリカでも起きているのにウクライナ問題だけを特別に扱うのか。NATOのロシアに対する『怯懾≪きょうしょう≫の念』が、他国での紛争とウクライナ侵攻を別物として扱い特別なものにしているのだが、このような欧米中心の考え方が、G77の反発を招いているのだ。
制裁によってエネルギーや食料の価格が上昇して多くの国に影響が出ている。
2024年9月ウクライナのドローン攻撃で、モスクワの製油所での生産能力が半減、ロシアの弾薬庫大規模爆発、ロシアは確実に弱体化しているが、ロシアの兵力がウクライナの兵力を下回る迄戦争は続くであろう。
第5節
G7に対するプーチン大統領の反面教師としての意義
反面教師としてのプーチン大統領に勝利することは、日本では「恩返し」という。世界の数々の不合理を指摘してくれた大統領に勝ってそれを修正していくことは世界の安定につながる。
1.雁字搦め作戦をとることによってロシアを硬直させた。
プーチン大統領の雁字搦め作戦は、外交のロシアが外交をしないことで外交官を無能の状態にすることである。それによって国の方針は政権内部で決定され、極端に選択肢が無くなる。
独裁政権のようにも映るが、議会の意見を制限するためでもある。
宇宙ステーションへのロケット打ち上げを拒否し、宇宙開発事業を共同で進めることを拒否した。それによってアメリカの民間企業のロケット開発を促進させることになる。
日本との平和条約の締結を拒否した。核軍縮条約からの撤退。
外交のロシアが、外交チャンネルを次々に閉じて身動きを制限し始めた。硬い殻を形成し始めたのだ。殻を破ってこそ新たな成長が遂げられる。
大日本帝国の軍部が硬直していた状態と同じだ。帝国が崩壊することで日本は再生した。
ソ連崩壊後、国家資産を安く買いたたき私欲を肥やしたオリガルヒとその賄賂で操られた議員たちをプーチン大統領は、批判した。
ロシア有利の要求である第二次ミンスク合意によって,紛争は治まるはずだった。合意によって10年間、ウクライナはNATOに加盟しないが、10年後プーチン大統領が、生きていて大統領職にまだ留まっているかどうかわからない。
ロシアの軍事ドクトリンに変更がなければまた紛争が起こることは目に見えている。その時ロシアは弱体化していないかプーチン大統領は危惧したのである。
弱体化したロシアに核先制攻撃のみが、ロシアを勝利に導く唯一の方法と誤認識する大統領が出てはロシア国民の利益にならない。
議会の要請によって4州の紛争に決着をつける決断をした。プーチン大統領は、ロシアが反ウクライナであったことはないと言っている。
キエフ・ルーシー大公国末裔のウクライナ、ロシア、ベラルーシのスラブ民族が一体化することが重要と考えている。議会の要請によってゼレンスキー大統領をウクライナから追い出して親露派の傀儡政権を樹立すれば、ルーシーの一体化が保たれる。
第二次ミンスク合意によればウクライナの親露派武装勢力がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国と自称した紛争地域は停戦後、ウクライナの一領域として再統合されることになっている。ロシア議会の決議は独立要請だ。
両立しないのだ。ゼレンスキー大統領の再三の交渉要請に応じないのも、結論が出ないからである。戦って勝敗をつけるしか、道はなかった。
ウクライナ侵攻は、ラブロフ外相も口ごもって返事ができなかった位大変な決断なのだ。安全保障委員会を公開するという方法で議員たちの決議という言質を取った。事前の準備は万端だった。3日ほどで、結果はついてくるはずだった。
侵攻後の対ドイツ戦戦勝記念日の頃には後悔していたはずだ。そして、ゴルバチョフ元ソ連大統領の葬儀の時には、負けるしかロシアの再生はないと感じたはずだ。
侵攻によってオリガルヒは、国外へ逃げた、まだ、汚職の旨味を知っている議員たちは国内にいる。これらを一掃するには国内だけでは自浄作用は働かない。外部の力が、必要である。
ロシアの未来のためには、戦って敗れる必要がある。戦争が泥沼化した時点で、勝てないことを悟ったであろう。
旧ソ連時代、ウクライナには軍需産業が発達していて航空機の製造や造船技術など多くの工場があった。これらの工場群へエネルギーを送るためにチェルノブイリ原発など多くの発電所が建設された。
IT技術大国でもある。高度のミニタリー・テクノロジーの集積した旧ソ連の要衝だった地域なのだ。
ロシアの圧倒的兵器と兵力で劣勢を強いられたウクライナ軍であったが、欧米の支援によって劣勢ながら持ち堪えていたウクライナ軍に時間が味方し始めた。
武器の不足と長距離ミサイルのロシア国内での使用を禁止されていたウクライナに国産の新型長距離ドローン兵器が完成したのだ。
これによって後方のロシア軍の兵站基地や航空機基地を攻撃できることになった。
欧米の長距離兵器の使用を核の威嚇でけん制していたロシアにとってウクライナが自ら長距離兵器を完成させたことは誤算であったのか、それとも内部通報者が双方にいる状態では完成を待っていたのか疑問は残る。
第6節
正義のないロシアでは地位を利用して私腹を肥やすことは当然の権利と言ってよい。軍の武器の運用を管轄できる地位にあるものは武器商人を呼びつけ武器の横流しをする。
武器商人はそれをアフリカへ運び、ダイアモンドや金に変えてくる。ショイグ国防相は、こうしてショイグ閥を築いた。プーチン大統領の親友でも遣り過ぎは困る。弾薬が不足しているのだ。更迭という形をとってショイグ国防相を外した。これは、責任を取らないように配慮したともいえる。
武器の管理を徹底するために経済相を配置したがウクライナはこれを狙っていた。弾薬の横流しを防ぐためには一元管理した方が、防げるが、反対に、安全のための分散配置がとれなくなる。
武器の集積地にウクライナの長距離ドローン攻撃を呼び込むことになった。せっかく運んできた北朝鮮製の弾薬も火花となって夜空に消えた。
半分は不良品だから、ロシア兵への事故を未然に防いだともいえるかもしれない。
ロシア軍の兵士もウクライナには勝てないと思っている。早く戦争を終わらせるには、ロシアに継戦能力がないことを明らかにすることが必要だ。
2024年、9月28日のクルスク州のウクライナ軍支配地域への攻撃でロシア軍は自軍が仕掛けた対戦車トラップである対戦車壕と対戦車障害物(竜の歯)に自軍の戦車を突入させた。
ロシア軍の兵器を自分で破壊して逃げる。これこそがウクライナ軍に勝利をもたらし、戦争を早く終わらせて生き延びる道につながるとロシア軍の若い兵士は考えているのかもしれない。
劣勢のウクライナ軍の1.5倍の戦死者をロシア軍は出しているのだ。今まで仲良くしてきたウクライナと戦っているのだ。政権の意向などどうでもよい。
SNS世代の若い兵士に勝ち負けはどうでもよくなっている。終戦を期待するばかりである。それには自軍の兵器を事故のように見せかけ破壊しつくすのが最良の策だ。
戦う武器が無くなった時戦争は終わる。ロシア軍の上官しかもっていないはずの地図をウクライナ軍が持っていたことも不可解だ。
生き延びるためには早く戦争を終わらせることだ。若い兵士にはプーチン政権のことなどどうでもよいのだ。巧みな戦術で効果的に進軍してくるウクライナ軍に向かっていくことより、武器を破壊して撤退することが生存の確立を上げることにロシア軍兵士は気づき始めたのではないか。Z世代にとって国家のために戦うよりSNSで人生を謳歌した方がはるかに楽しいのだ。
プーチン大統領の雁字搦め作戦によって歴史的に外交のロシアと畏怖されていたロシアの外交は機能不全に陥っている。頭脳明晰、聡明などプーチン大統領を形容するそれ以上の言葉が見つからないくらい賢すぎる大統領は、「すべての解決策を知っているのは自分だけだ」と豪語した。
それはその通りなのだが、できすぎる人間にありがちな自分よりできない人間には大事なことはまかせられないという弊害が生じる。それが外交官など不要と確信するに至った。
外交政策には、外交官が中心的な役割を果たす。プーチン大統領の独裁とも映る大統領府の方針、西側とのあらゆる外交問題のチャンネルを切断するという暴挙によって外交官は無能化され外交の破綻をきたしている。
外交官は、クレムリンの好戦的な物言いを繰り返すだけの役になり下がった。ロシア外務省の高官の言葉を拾ってみる。
「西側の制裁に唾を吐く」
「私に喋らせろ、さもなければロシアのグラ―ド・ミサイルの実力のほどを、今度こそ耳にすることになる」
「うすのろ」など、罵倒語の連呼でロシアの外交官は日に日に外交的でなくなった。
外交のロシアが外交で失敗してというより脅しと侮辱を繰り返すだけのクレムリンのロボット化しているのだ。
大統領は、過去に、「西側諸国が一極世界を作ろうとしているそれを壊すには決断が必要だ」と述べている。2007年
15年後、ウクライナ侵攻が始まった。この侵攻の意義は何であろうか。西側の一極世界の構築への抵抗であろうか。そうではあるまい。G77が、結束を固めてきている。西側が一極世界を構築することはあり得ない。
西側も理解を示し、アフリカの難民のEU への受け入れも増大した。それに伴う軋轢も生じ始めて、元の国へ帰還させる意見も出始めているが、概ね共存の道を模索している段階だ。EU の難民問題に、プーチン大統領は、コメントしている。自分だけが解決策を持っているような口ぶりだ。
プーチン大統領は自分をロシア国民の中の黎献だと思っているので論理的な話し合いには応じてくれるはずだ。
天上の神の代理人としての地位を与えられているプーチン大統領は、ロシア国内だけではなく神が作ったこの世界をエデンの園のようになによりも美しい世界にしなければならない義務を負っているはずだ。
ロシアが負けて国土を世界に開放するというプーチン大統領の壮大な計画によって世界は平和になるのだ。そしてロシア国内でプーチン大統領の崇拝化が進めば進むほど、プーチン大統領の権威は不動のものとなり発言は重みを増し、その決断に異を唱える者はいなくなる。
確かに、ロシアが負けることによって多くのことが解決される。プーチン大統領の決断次第で世界は平和になり、その功績によって賞を受賞することは当然なのだ。
2. ウクライナ侵攻によって食料を一地域に依存することの危険性を世界に認識させた。食料エネルギーを海外に依存するのではなく国産化という流れを作って各国の食料自給率100%以上が、国の基本であることを示した。
グローバル化や一帯一路政策は、経済成長のみを目指したものであって各国の国民の幸福にはつながらないことを示した。
3. ロシアの天然資源に頼っているEU に対してノルドストリームを破壊して、エネルギー不足を露呈させ、自然エネルギーへの転換を促進させた。
4. 敗戦によってEUに加盟してヨーロッパに最終的な平和をもたらした。
5. 自ら拒否権を放棄して国連におけるすべての国が平等になる道を拓いた。
6. 22世紀に向けて国土を失くす多くの国に代替地を与え、世界を救済した。
温暖化によって国土を失くす国へ対してシベリアを開放し、あまつさえすべての国へ代替地を与えるという人類に対する貢献度は限りなくノーベル平和賞を受賞するにふさわしい行為であるだろう。
2024年12月、ロシア国籍の女性が、FBIに虚偽供述の容疑で逮捕された。彼女は、米国内の反プーチン派の集会に参加し、ロシア連邦の解体とシベリアの独立を求める「シベリア合衆国」を支持する発言をSNSで繰り返していた。
それは仮の姿で数年前からロシア連邦保安局(FSB)の指示で動いていたとされる。
国外で犯罪を起こしたスパイはロシア国内で英雄視され、スパイ交換で帰ってきたスパイをプーチン大統領が飛行場で出迎えることもある。
FSB内に反プーチンの者がいることは否定できないが、プーチン大統領の指示で動いていたとしたらこれは西側へのメッセージであるかもしれない。
早くロシアを潰してくれ、プロパガンダだった「シベリア合衆国」を作らない限り、人類の未来はない。
天上の神キリストの地上における代理人プーチン大統領の頭の中には、気温上昇4℃の世界が見えているのかもしれない。
ロシアだけ生き残ろうと思ったなら、売れなくなった化石燃料を国内で燃やし続けてヨーロッパとアジアを破滅に追い込むこともできるのだ。
そして地球温暖化対策のプランBが「シベリア合衆国」なのだ。
プーチン大統領が、継戦は無理となった時点で、提案したら十分なノーベル賞の対象となるだろう。トランプ2.0にしたって今ロシアを潰して仲間にすることができればおけば、安全保障上としてのグリーランドは、必要なくなるであろう。
グリーランドが、安全保障上大事なのは、氷床がいつまでも存在しなければならないということだけである。
プーチン大統領にとって、今まで述べてきたことは一切考慮の外であるというなら、やはりG8やEU という同じ土俵で話し合わなければいつまでたっても人類の戦争行為は終局を迎えないだろうし、現生人類は化石人類への道を歩むことになるかもしれない。
プーチン大統領が,鉄の意志を持つ男なら初心は変わっていないはずだ。NATOに協力し、加盟さえ考えていたのだ。欧州の一員でありたいという発言もある。それができなかったのは、ロシアの法律と米国の二重基準だ。反米というだけでイラク一国を攻撃したのだ。
途上国参加G77とロシアが、協力して米国の横暴を抑えることができればプーチン大統領も納得するだろう。それにはみんな平等になろうと拒否権の廃止を訴えることだ。それによって国連決議を無視しての行動は牽制されることになる。
英仏は、植民地にしてきた数々の暴挙を反省しているから賛成に回るだろう。米国が賛成しないのであれば民主主義の偽看板を掲げた米国第一主義帝国となる。中国が拒否したら世界から中国は見捨てられる。
国連事務総長の発言が、幽世≪かくりよ≫からの便りのように空しく空虚な声となっているのはすべて拒否権のせいなのだ。
2000年前に世界中に離散したイスラエルの民が建国したのだ。1000年前のキエフ・ルーシー大公国を再建するのになんの問題があるのだ。
ウクライナ、ロシア、ベラルーシが、共通のルールを作りスラブ民族の一体化を図り、世界の平和に貢献することができる。
ロシアが反ウクライナであったことは一度もないと言ったプーチン大統領の言葉に嘘がないとしたら、ロシアを開放して東スラブ民族が統合して平和をもたらし、国を失う人たちにシベリアを開放することに異論はないはずだ。
嘗てのロシア領内へ世界の国々を内包することで、仏教の真理、一即多、多即一を実現してロシアの国境は世界の果てまでとなるだろう。
勝利したウクライナに栄光あれ。無条件降伏したロシアに栄光あれ。
そして、平和になった後に一番大事なことは、すべての軍事費を地球温暖化対策と宇宙開発へ投資することだ。地球が氷期になる前に大多数の人類を火星に移動することが必要になるかもしれないからだ。
天上における神キリストの地上における代理人たるプーチン大統領は、歴史上もっとも偉大な人物となれる前途が待っている。
キリストに代わって全人類に恩寵を与える機会が訪れたのだ。
歴史を動かしもっとも偉大な人物と言われる瞬間が待っている。
プーチン大統領にとって至福の時であろう。
核を使用することなく敗戦を認め、ウクライナへの賠償金としてシベリアを開放し、22世紀以降に地球温暖化にとって国土を失う6億人の代替地として提供する。そうすることでモスクワが氷床に覆われる時代が来た時、低緯度地方の人たちは喜んでロシアの人を受け入れることであろう。
第7節
それとも核を使用してヒトラー以上の悪名を歴史に刻むのか本人の決断次第だ。
ただ、プーチン大統領は核を使用できないであろう。
1. ロシアにおいてはキリストの代理人の立場なのだ。「私は甦りであり命である。私を信じる者は死んでも生きる」つまり復活するのである。
そのためには土葬されなければならない。核の攻撃を受けるということは体が溶けて死ぬのである。
最悪の場合霧散するのだ。東方正教を信じ復活を希求しているロシア国民の最後の願いを裏切ることになる。
2. 限定的な核攻撃であってもそこは隣国だ。ロシアが、核汚染されることは否定できない。福島の原発事故でさえ風評被害は甚大であった。ロシアの小麦が核汚染されたという風評被害は、全世界の小麦を高騰化して大混乱を招くだろう。
ロシア国民さえ小麦を食べられなくなる。
石油輸出国機構(OPEC)のような小麦輸出国機構を作り、ロシアの小麦を戦略物質に変えようとしているロシアには小麦の核汚染は避けたいことだろう。
3. 大気中の核爆発は、数年後全世界に放射性降下物として降ってくる。全世界に宣戦布告することはできない。
4. 核を使わなくても、西欧を破滅的にできる。ただ、今以上の混乱を招くだろうから選ばないだろう。
ロシアのない世界など必要かと発言したが、ロシアだけの世界は楽しいものだろうか。多分、G 77と協力して欧米主導型の世界を変えた方が楽しいだろう。後進国と言われてきた国々は、公平な扱いをプーチン大統領に期待しているであろう。
クルスク州のロシア軍5万人に加勢に来た北朝鮮兵1万5千人とウクライナ兵2万人との戦いが始まる。ウクライナ軍が敗退することになれば、プーチン大統領がノーベル平和賞を受賞する機会は永遠に失われるだろう。
あとがき
2025年1月の世界の平均気温は、最高だった昨年の流れを引き続き上昇傾向を示した。。
国益を優先して考える各国の大統領の判断だけでは、地球温暖化による地球の環境はもう後戻りできない時期に差し掛かっている。
地球の平均気温が4℃上昇した世界では、アメリカも中国も大国のままではいられないのだ。
人類は集団になることで集団知を働かせ生き残ってきた。今こそ、全人類の大脳を連結させ集団脳によってより良い未来を模索する時なのである。
それには拒否権を失くし国連の正しい判断で未来を目指さなければならない。
大気中の二酸化濃度を下げることがプランAなら快適な地域に一時的に非難することはプランBになる。そして、争いを好まない人たちにはプランCを用意しなければならない。
4℃上昇した世界ではヨーロッパやアジアの人が移動できる地域は中央アジアしかない。気候難民のこれらの人々が国境を越えロシアに押し寄せるのである。ロシアが民主化していなければ相当の混乱が起こるであろう。
人類はまだ火星に足跡さえつけていない。火星をテラフォーミングするには1000年掛かると言われている。グリーンランド氷床が無くなるのは数百年後と言われている。今、協力しあわなければ大多数の人類に残された時間はそんなにないのかもしれない。
トランプ2.0が、ウクライナ支援の方向に舵を切った。プーチン大統領とは、意思疎通ができているのかもしれない。もしかしたら二人の大統領による世界を平和にする大陰謀なのかもしれない。
主な引用・参考文献
倉山満 『嘘だらけの日露近現代史』扶桑社新書 2015年
黒川祐次 『物語 ウクライナの歴史』中公新書 2022年
三浦清美 『ロシアの思考回路』扶桑社新書 2022年
篠田謙一 『人類の歴史』中公新書 2022年
小泉悠 『ウクライナ戦争』ちくま新書 2023年
中川毅 『人類と気候の10万年史』ブルーバックス 講談社 2021年
横山裕典 『地球46億年気候大変動』 ブルーバックス 講談社 2021年
山崎晴雄、久保純子 『日本列島100万年史』 ブルーバックス 講談社 2021年
堤未果 『ルポ 食が壊れる』 文春新書 2022年
高木仁三郎 『元素の小辞典』 岩波ジュニア新書 1982年
文芸春秋第101巻 第3号、第4号
大統領の大陰謀 夢物語? プーチン大統領にノーベル平和賞を 高安たつひろ @yayoi2728
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