第13話 グール登場
僕らは学食を出て部活へ向かった。
ミズキさんと会えたのはラッキーだったが
グールが邪魔をした。
『なんだよ。見るぐらいいいじゃないか。』
リクとショウは前を歩く。
「タクマ、聞こえてるぞ。」
「なんだよ。勝手に心を読むな。」
「タクマ、俺様は夢の国、一番の使い魔だ。
俺様は千年は生きている。
タクマ、お前は今まで使えてきた主人の中で
一番弱い王子だ。
運命の姫。結婚相手の姫を泣かせるな。
夢の国が心配だ。」
「グールしょうがないだろう。
僕はその夢の国、僕の故郷の記憶がない。
実感できない。
でも目の前のグール、羽根の生えたカラス。
お前が中学生に変身しているのも事実だ。
グール、羽根が出てるぞ。」
「タクマ。少しぐらいはいいんだ。これも個性だ。」
「個性か。まあーいい。
僕は自分の目で見たものは信じるさ。
だから好きなものは好きだ。
僕はミズキさんが好きなんだ。」
前を歩く2人が同時に振り向く。
「何々、タクマ、告白か?」
僕はグールをみて「違う。違う。グールお前が変なこと言うから勘違いされてるぞ。
リク、ショウなんでもないよ。
ちっとグルーが僕をからかっただけだ。」
リクが茶かす「そっかー。タクマ、告白はまだかー。」
「告白は。まだ。しない。」僕の声が小さくなる。がバーン。
僕はリクの背中に飛びつき「ま・だ・だ。」
「そっか。その時は応援するぞタクマ。」
ショウもリクの背中に飛び乗る。
「おいおい。わかったから2人とも降りろ。」
つぶれそうだ。
グールはそんな僕らを横目に僕らを抜いて前を歩く。
チャイムがなる。
「あっ、まずい。時間だ。部活始まるぞ。
急げ。」
僕ら4人は体育館へ急いだ。
他の1年生部員達はすでに部活の準備をはじめている。
「おーい。タクマ達遅いぞ。」
「わるーい。」
「そういえば、可愛い子が女バスに入るらしいぜ。さっき見学に来てたぞ。
確かタクマ達のクラスだ。確か桐山とか?」
ショウがすぐに食いつく。
「そうか。リラ。リラ入るんだ女バス。
彼女は僕の運命の人だ!」
「ほら、あそこ。」
桐山リラがいた。
ショウが手を振る。
にっこりと笑顔の桐山リラ。
僕の目の中にも桐山リラが入った。違和感が。なんだこの違和感は。
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