第一章 蠱獄
黎明篇
一章 一丁 無人の村
親指を
その小柄な男の背には、七人程の武装した男達が連れ立って歩き、人里にも関わらず男を護るよう警戒しながら視線を巡らせている。
先導する男の名は、
この日ノ本では
伝説を知る者にとっては、少々若者の風貌は物足りないだろう。
決して
二十の歳となり、
坂田の目配せで、後続する配下達は各々の判断で四散すると、商いの時分にも関わらず厳重に閉じられた商店の戸を
そして坂田自らも、無礼者と己でわかってはいるが、挨拶も
油が貴重なこの時代において、
強盗も
開け放った油屋の内部は、外観を眺めた程度では何処も損壊していない様に思えたが、一部崩落した屋根に奥間は押し潰されている。割れた
鼻に付く胸焼けを起こしそうな油の匂いに顔を
坂田が向かった人気の無い
「どぅ!どぅ! どうしたというのだ! いい加減ッ、しゃんとせんか!」
「これで三度目か」
油屋から戻ってきた坂田が一声掛けると、馬廻り役は
「若!申し訳ありません! 他の馬は落ち着かせたのですが…、若の御馬だけはどうも…。 あの橋にどうしても近付きたがらんようで!」
馬に負けじと懸命に手綱を引く男の髪を、馬は
坂田は右腕を伸ばし、自分の美しい黒毛の雄馬を撫でようとするが、愛馬は尻尾を
「
五人余りの供を連れ、出店が立ち並ぶ街道を、行軍かの如く整然と進む坂田達だが、旅の疲労で足取りは何処か重く。同道の配下達は、長旅の疲れと不安を払うかの様に、己の
そんな従者達の疲労を背で感じながら、坂田は注意深く大通りの商店を一軒一軒見渡した。
©️2025 嵬動新九
※盗作・転載・無断使用厳禁
※コピーペースト・スクリーンショット禁止
※この作品はフィクションです
鎺(はばき)とは
刀身に取り付ける金具で、納刀の際、鞘の入り口である鯉口(こいくち)にぴったりはまるよう、刀に合わせて作られます。
鎺が合わないと、鞘からすぽすぽ、中で刃が暴れます(^^;)
鞘に触れない絶妙な加減で固定されるよう制作する白銀師(しろがねし)の方々は凄すぎます…!
当時は、鎺に家紋を入れる武人が多かったとか、かっこいい…!
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