ヒルンド【賢者の間1】
「うちの船の技術じゃ必要な精度がでなかった。移動の距離はせいぜい船の全長2/3ってとこだった」
「…たったそれだけ」
「たったって言うなよ。6kmだぞ、ヴァリエンテらのしょぼい魔法からすりゃ大進歩じゃねえか」
「はっ、しょぼくて悪かったね」
「……やり方変える」
「聞けよ」
いつものように、中学生ぐらいの金髪の少年と眠そうな黒髪直毛の少年とジャンプスーツの少年が、何か揉めていた。
テーブルの反対側では、
「ついにミルフィーユが再現できましてよ。クリームと生地の食感、上品な甘さが……料理長に思わず褒美を与えてしまいましたの」
相変わらず重そうな紫色のドレスを着た少女が言った。
「うー、パナギアだけ、ずるい。私も、食べたい」
その横では、コクコクと猫耳少女と狼少女が頷いていた。
「では、家まで来ればよろしいかと」
「みー、どうやってあんたのとこ行くっつーのよ」
海トカゲ少女と狼少女が、隣でコクコク頷いていた。
「そこは、移動の魔法でしょう」
「くーん、パナギア分かっててイジワル言ってるよ。たった10m移動してもなんにもならないよ」
猫耳少女と海トカゲ少女がコクコク頷いていた。
「あら、皆さん多重移動は、なさらないのかしら」
「「「?」」」
「ええ、ミルフィーユで私思いつきましたの。移動魔法を移動魔法で何重にも包んでから、発動しますの。何キロでも移動できますのよ。おかげで今年の巡幸があっという間に終わりましたの」
「……!それだぁ!」
直毛黒髪少年の突然の大声に、褐色肌少年が、抱いていた三毛猫?を思わず放り投げていた。三毛猫?は、空中で体を捻りながら器用に「ぽふぽふ」と柏手を打った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます